フルートの選び方
材質から選ぶ

フルート作りには白銅、銀、金、グラナディラ(木材)などが使われ、それぞれに異なる音の特性を持っています。更に同じ材質でも肉厚(厚み)の違いで、音の響き具合や音色まで異なってきます。材質や管体の肉厚の組み合わせは、楽器の性格を決める大切な要素なのです。

白銅

標準肉厚(0.4mm)
耐久性があって響きやすい特性を持つ白銅(銅とニッケルの合金)は、どんな音域でもバランスが良く、明るい音色が特長です。

19世紀のフルート改革者ベームにより見出されてフルートに採用された銀は、「最もフルートらしい」といわれる音色が特長です。

標準肉厚(0.38mm)
豊かで暖かな、伸びのよい音色が特長。その音はホールの隅々まで広がっていきます。
ライトウエイト(0.35mm)
銀製の特長である豊かな音色はそのままに、非常に響きやすく、自在な音色の変化を楽しめます。
ヘビーウエイト(0.43mm)
深くダークな音色で、奏者のパワーにしっかりと確実に応える響きが特長です。

金は、フルートに特別な輝きを与え、その艶のある音色はピアニッシモでもしっかりと広がる遠達性をそなえています。その魅力はフルートの頂点といってよいでしょう。

標準肉厚(0.3mm)
もっともバランスよく響く厚さで、際立って艶、輝きのある音色は演奏する人のイマジネーションを限りなく広げます。
ヘビーウエイト(0.35mm)
抵抗感を増やして演奏者のパワーに応え、一層伸びのある力強い響きを作り出せます。
ビジュー・メルヴェイユウエイト(0.28mm)
金製ビジュー、メルヴェイユフルートのために特別に開発された肉厚で、僅かに薄い管体が音色のパレットを広げ、色彩感豊かな響きを作り出します。

木(グラナディラ)

グラナディラは非常に硬く、水に沈むほど比重が大きい木で、古くから楽器製作の材料として使われてきました。

標準肉厚(3mm)
木質ならではの柔らかく暖かな音色は聞く人を魅了するだけでなく、奏者へも満足感を与えます。ヤマハでは、木製としては薄い管体肉厚を採用し、現代のフルートと同様の表現力を得ることに成功しました。