パイプオルガンのマメ知識
発音のタイミングはズレる?

楽器によってはパイプの長さが10メートルを超えることもあります。そのように長いと鍵盤を押してから音が出るまでにズレがありそうですが、実際はほとんどありません。竹筒からところてんを出すように、パイプの中にある空気、気柱(管のなかの柱のようになっている空気)は塊になっており、それを下から押すようなものなので、風が入ればほどなく音が出るのです。風速より速くはありませんが、聴いていて気にならない程度のズレしかありません。
といっても、高い音と低い音では耳を澄ますと若干の違いがあります。高い音はパイプが細くて短く一瞬にして音が出ますが、低い音は太くて長いため気柱の振動の始まりが遅く、鳴り止みも遅れます。そのため、長さの違う5本のパイプを一緒に鳴らす場合、音は高い方から順番に鳴り、最後に音が消えるのは一番低い音なのです。

低音用のパイプは見上げるほど高い

低音用のパイプ