パイプオルガンのしくみ
スライダーと風箱

スライダーとは穴のたくさん開いた板のことで、スライドさせることで風を通すか通さないかを選べます。演奏者がストップレバーを引くと下の板の穴と一致して風が通り、音が鳴ります。逆にストップレバーを押すと、穴がずれて風が通らなくなります。

左は風が通る状態、右は通らない状態

左は風が通る状態、右は通らない状態

3音色のパイプオルガンの場合、スライダーは3枚あります。風箱にも穴が3音色分開けてありますので、風箱の上に1音色分ずつ、3枚のスライダーが乗り、さらにその上にパイプを乗せるパイプボードが載ります。

風箱の上側、3音色分の穴とスライダー

風箱の上側、3音色分の穴とスライダー

風箱を引っくり返してみると、縦長の溝が並んでいるのがわかります。溝は、風箱の半分くらいまで切り込んでいるように見えますが、実は板の下は、縦に細く仕切られた部屋になっています。これを「風が通る路」ということで「風路」と呼び、各鍵盤に対応しています。風路は、梯子(はしご)をぎゅっと縮めたようなかたちです。
鍵盤を押すと、溝に蓋をしている弁が動いて風路に空気が入り、スライダーの穴が一致していれば穴を通り抜けて、その上のパイプを風が通ります。これで音が鳴るわけです。ですからこの風箱はパイプオルガンの心臓部といえます。

風箱の構造

風箱の構造

風箱の中側、風路へのスリット

風箱の中側、風路へのスリット

風箱内の弁、押した鍵盤の弁が1つだけ下がっている

風箱内の弁、押した鍵盤の弁が1つだけ下がっている