ピアノの選び方
アコースティックか電子か?

ピアノ(普通のアコースティックピアノ)と電子ピアノの一番の違いは音を出すしくみです。
ピアノは、指先で鍵盤を押し、その力でハンマーを動かし、弦を叩いて音を出します。打弦による振動が響板を伝わって、豊かな広がりを生むとともに、叩いた弦以外の弦の共鳴も加わって、独特の響きを生み出します。
一方、電子ピアノには弦がありません。鍵盤はいわば音を出すためのスイッチで、打鍵を感知し、電子音源を発音させ、スピーカーを使って増幅しています。

ヤマハの電子ピアノにはハンマーを備えたものもあります。これはアコースティックピアノのように弦をたたくためではなく、打鍵の感覚と反応を得るための装置で、よりアコースティックピアノに近いタッチでの演奏が可能となります。

※以下の図は、クラビノーバ(GH/GH3/NW鍵盤)のハンマー実装イメージです。

鍵盤を押したとき:ハンマーが跳ね上がり、ピアノらしい手ごたえを生みます。

鍵盤を押したとき:ハンマーが跳ね上がり、ピアノらしい手ごたえを生みます。

鍵盤から指を離したとき:ハンマーの重みで自然に鍵盤が戻ります。

鍵盤から指を離したとき:ハンマーの重みで自然に鍵盤が戻ります。

電子ピアノの演奏例

ピアノは、弾き手のタッチによって、音色が無限に変わります。曲想をつけて表現豊かに弾くことで、情操を養うことができる楽器です。
一方、電子ピアノもテクノロジーの進歩に伴い、アコースティックピアノに、より近い音の再現が可能になり、鍵盤のタッチ感にもさまざまな工夫が凝らされるようになりました。

  アコースティックピアノ 電子ピアノ
特徴 ピアノ音楽の長い歴史の中で発達してきた完成度の高い楽器です。弦の共鳴作用や倍音による自然で豊かな響きがあり、生の音の魅力を楽しめます。また、弾き方によって無限の演奏表現が可能です。 軽量、コンパクトで調律の必要がなく、音量の調節ができます。アコースティックピアノの演奏表現力に近づけたピアノ音以外にもさまざまな楽器の音色を出すことや、楽器本体への録音なども可能です。
発音のしくみ アクションという打弦機構によりハンマーが弦を打ち、その振動が駒→響板へと広がります。楽器全体が共鳴体となりますので、豊かで複雑な響きが生まれます。 鍵盤の微妙な動きをセンサーが感知し、デジタル録音されたグランドピアノの音をアンプで増幅して、スピーカーから発音します。またデジタル技術で音の広がり感や余韻を表現します。
電子ピアノの発音のしくみ
タッチ 約5,500個もの精密な部品から成る「アクション」と呼ばれる打弦機構が、指先の微妙な動きをハンマーに伝えます。手に自然についてくるタッチです。
さまざまな仕組みを応用してグランドピアノのタッチを追求、再現しています。
メーカーや機種により、鍵盤のタッチ感は異なります。
音色 弾いていない弦も自然に共鳴し複雑な効果をもたらすため、弾き方によって、音色、音質が変化します。この変化が弾き手の表現力を豊かにします。 様々な条件で録音(サンプリング)した音源を使用し、デジタル技術を駆使して、ピアノらしい音を再現します。
また、ピアノ以外にも様々な楽器の音が搭載されているものもあります。
表現力 アコースティックピアノは、音が鳴りはじめてから消えるまで、長い時間をかけて減衰していく楽器です。また、タッチの強弱によって音量だけでなく、やわらかい音から、するどい音まで音色が変化することで豊かな表現力を生んでいます。 アコースティックピアノの響きを長くていねいに録音したり、タッチの強弱による音色変化を滑らかにする技術などを使用したりすることで、アコースティックピアノの表現力を追い求めています。
耐久性 磨耗部分の取り替えや定期的な調整により、長期間の使用が可能です。 電気部品の耐用年数基準によります。