ピアノのしくみ
ピアノのアクションって、何?

鍵盤を押すとハンマーが弦を打つというピアノの仕組みをアクションといいます。
ピアノのアクションの歴史を語る上で欠かせないのが、フランスのエラールによるレペティション機構(ダブルエスケープメント)の発明。レペティションというのは繰り返しの意味です。それまでは鍵盤を押すとハンマーが上がって弦を打ち、一番下に降りてから次の打鍵に備えるのが普通でしたが、このレペティション機構のおかげでハンマーが下まで完全に降りなくても次の打鍵の準備ができるようになりました。

現代のアクション

現代のアクション

エラールは1803年に試作器をベートーヴェンに贈り、新たな作品を生み出す力になったともいわれます。この機構が、現代のアクションにも、より洗練されたかたちで受け継がれているのです。
レバーの動きをよく見ていてください。ハンマーが途中からまた上がっています。だから連打の時も、きちんと反応して音が出せるのです。機能上は1秒間に最大15回ほど連打することが可能です。

もう1つ、アクションで重要なのがダンパー機構。鍵盤から手を離した瞬間に音が消えるようにするための仕組みです。写真における白い4つの部分がダンパーフェルトで、鍵盤から指を離すと弦に上から当たって弦の振動を止めます。縦に長いワイヤーの下にはダンパー用の重りが付いています。

白い4つの部分がダンパーフェルト、形は音の高さにより多様

白い4つの部分がダンパーフェルト、形は音の高さにより多様