エレクトーンの成り立ち
エレクトーンはシンセサイザーに近づく?

1974年、アナログシンセサイザー音源を搭載したステージモデル、GX-1が登場。見た目は鍵盤が複数あるエレクトーンですが、中身の音源はすっかりシンセサイザーに変わっています。以降、普及モデルにもどんどんシンセサイザー方式の音源を用いるようになりました。

当時の最高機種GX-1

当時の最高機種GX-1

さらに機能面で劇的に変わったのが1983年のFX-1。どの音色をどんなふうに鳴らすかという音の設定を、それまではスイッチやスライダーを1つずつ動かして行っていましたが、すべて覚えておいてくれるレジストレーションメモリー機能が開発され、ボタンひとつで設定を再現できるようになったのです。また、鍵盤の微妙なタッチの違いを音に反映させるタッチコントロールも可能になり、表現力がとても高まりました。フルデジタルのFM音源を用いたのもこの機種からです。

トーンレバーがなくなり、デザインが様変わりしたFX-1

トーンレバーがなくなり、デザインが様変わりしたFX-1

1987年に登場したHX-1からはAWM音源が主流になり、 ペダル鍵盤にもタッチコントロールが付いて、ティンパニの音も表情豊かに奏でられるようになりました。
その一方で、自動伴奏機能も進化させていました。自動伴奏とは、たとえばリズムパターンを選んで、下鍵盤のどれか1つの鍵盤を押し続けるだけでも、きちんとしたアレンジの伴奏が自動で演奏されるABC(Auto Bass Chord)がその代表。この機能は、現在も、便利な機能として親しまれています。
しかしながらエレクトーンの本道は即興もできるリアルタイム演奏にあります。そこで1991年には操作性と機種互換性の継承に配慮したELシリーズが開発され、その後もさらに進化を続けているのです。

外部に拡張音源を加えることができたHX-1

外部に拡張音源を加えることができたHX-1