エレクトーンのしくみ
エレクトーン独自の表現方法

同じ鍵盤楽器でも、ピアノとエレクトーンでは、弾き方はまったく違います。
ピアノは減衰音(弾いた後、自然に小さくなる音)ですから、それに適したタッチで弾きます。基本的に、打鍵後に音を変化させるということはできません。
一方、いろいろな楽器の音を奏でるエレクトーンの鍵盤は、持続系の音も表現する必要があります。持続系の音というのは、たとえばバイオリンのような弦楽器の音のように、音を出し始めてから、さらに弦に力を込めると音量が増えたり、音色が変化したりする音です。伝統的な鍵盤楽器のタッチではそういった音は表現できないため、エレクトーン開発者は、エレクトーンのめざす新しいタッチを自分たちでつくる必要があったのです。

エレクトーンのタッチには、最初に叩いた時のイニシャルタッチと、後で押し込んで持続音をコントロールするアフタータッチがあります。アフタータッチはエレクトーンが持つ重要なタッチで、基本的に強く押し込めば音色が明るくなり、音量も大きくなるように設定してあります。鍵盤を押し込んだ分、ピッチが上がる設定もできるのです。

鍵盤を押し込むと音が大きく、明るくなる

バイオリンの弦を強く弾いたり、サックスを強く吹いたりしても、音色が明るくなって、大きく鳴ります。こういったアコースティック楽器を鍵盤に置き換えたらどうなるだろうか、と仮定してつくっているのがエレクトーンなのです。したがって、独特のタッチの特徴をうまくコントロールして演奏するのが醍醐味となります。
さらに、機種によっては、鍵盤の横方向の動きでも音が変わります。音を聴いてみてください。

左右に動かしてピッチを変化させる

この場合は1つの鍵盤の真ん中から右端まで、そして左端までで1オクターブずつ音が変わるように設定していますが、ピッチの変化をもっと少なく設定すればビブラートも表現できます。横方向のタッチのことをホリゾンタルタッチと呼びます。