エレクトーンのマメ知識
12世紀頃のオルガン奏者はオルガン打者と呼ばれていた

パイプオルガンの鍵盤は、さまざまな長さのパイプ群と送風管との間の弁を開けたり閉じたりすることで、音階を生み出す仕組みになっています。送風管からはふいごの力によってたえず大きな風圧で空気が送られてくるため、鍵盤を動かすアクションが未発達だった時代には、弁の開閉にたいへん強い力が必要だったのです。
12世紀頃のオルガンの鍵盤は、1鍵が幅7cmもあり、指の先でちょっと押したくらいではびくともしないため、演奏家は力まかせにこの板を押したり、こぶしで思いきり叩いたりして演奏していました。そのため、当時のオルガン演奏家はオルガン奏者ではなく、オルガン打者(organ beater)と呼ばれていたほどです。
(参考資料:黒沢隆朝著、「楽器の歴史」1956年、音楽之友社)