エレクトーンのマメ知識
プレイヤーと技術者、3人がかりで演奏したエレクトーンの試作機

エレクトーンの原型といえるヤマハの試作電子オルガンが初めて聴衆の前に姿を現したのは、1959年5月のことでした。銀座のヤマハホールで発表演奏会を行ったET-5というこの楽器は、それぞれ異なった音や効果が出せる61鍵、3段手鍵盤、ペダル鍵盤も32鍵という巨大なもの。メインアンプだけは真空管で、電子発振のためのシステムには2000個に及ぶトランジスタが使われていました。あまりに大規模な楽器であったため、演奏のためにはプレイヤーのほか専門の技術者が二人つきっきりになったほど。
この試作機の成功を受け、電子オルガンとしての必要不可欠な部分を抽出して同年12月に発売されたのが、今でも名機の誉れ高い第一号エレクトーンD-1なのです。
(参考資料:日本楽器製造株式会社社史1977年度版)

プレイヤーと技術者、3人がかりで演奏したエレクトーンの試作機