2018年3月期第1四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 :楽器および音響機器事業の現地通貨ベースでの市場別販売状況について、特に北米市場が期初の計画に対して伸びていませんが、その要因はどう分析されていますでしょうか?

北米市場の1Q販売については、前期4Qでの販売が好調だったこともあり、流通在庫が想定よりも重く、4月5月の販売がスローだったことが要因です。その状況は改善傾向にあります。


Q2 : 電子部品の調達コストが上昇とのことですが、どのような部品が上昇しているのでしょうか?
価格の上昇は、足元の状況を踏まえてのものでしょうか?それとも更に今後の上昇を見込んでのことでしょうか?

メモリー中心に調達コストが上昇しています。
足元の状況に加えて、これまでの価格交渉の経過などを踏まえた通期の調達コスト動向を含め、通期の損益影響に織り込んだものです。


Q3 : その他の事業について、1Qの営業利益が期初計画に対して大きく上振れしている要因は何でしょうか?
また、通期の営業利益予想を上方修正していますが、2Q以降の状況をどのように見込んでいるか教えて下さい。

1Qは電子部品が想定を上回り好調に推移しました。またゴルフ用品も前期に投入した新商品が好調を持続したことが計画に対しての上振れの要因です。しかしながら、通期の損益見込みについては、電子部品の一本調子な好調までは織り込まずに想定しています。


Q4 : 今後ゴルフ用品について、販管費の増加などの想定はあるのでしょうか?

今後、ゴルフ用品の販売増に伴う特段の販管費の増加は見込んでおりません。


Q5 : 販売価格の適正化による営業利益の増加を、前回予想では25億円と想定していますが、1Qでの進捗はどうでしたか?
また調達コストアップの状況もありますが、その対応の為に、価格適正化の動きをとっているのでしょうか?

年間25億円の販売価格適正化による損益改善の通期計画について、1Qの状況は計画通りに進捗しています。
価格適正化については、市場の状況や競合関係を見ながら、きめ細かく対応し、当社の商品の競争力が損なわれない前提で利益の最大化を狙う施策ですので、コストアップ要因を即時に織り込むようなものではありません。


Q6 : 電子ピアノの売上が期初の計画に対して未達になっていると思われますが、新商品の導入計画もあったと思うので何が起こっているのか状況を教えて下さい。

新商品については、クラビノーバの新商品CLPシリーズの市場導入を開始していますが、旧シリーズの流通在庫の販売状況等に伴い、新シリーズの導入時期に遅れが出ており、市場によっても時間差が出てきています。
CLPシリーズもいくつか品番があり、全てが出そろうのが欧州で6月、北米で7月、中国ではまだ未導入であり2Q以降本格的な効果を期待しているところです。


Q7 : 御社の電子ピアノ新商品導入の遅れなどの状況を踏まえ、競合相手の動向に変化はあるでしょうか?

電子楽器の新商品は、新開発の鍵盤を搭載したものであり、市場からの評価も非常に高く競合他社との差を、更に広げていきたいと考えています。新商品の市場導入遅れについても軽微なものであり1Qの状況では競合他社の特筆すべき動向も無いものと認識しています。


Q8 : 楽器事業の通期営業利益予想を5億円引き上げていますが、その要因別の分析を教えて下さい。

楽器事業の前回予想との利益増減分析では、為替影響+12億円、実質販管費の減+5億円、部品調達コストの計画への未達等▲4億円、売上生産の実質増減影響等▲8億円、がその内訳です。


Q9 : 中国の楽器の状況 1Qで対前年同期+21%成長していますが、その背景を教えて下さい。2Q以降の見通しはどのような状態でしょうか?

過去には市場在庫が過重な状況もありましたが、現時点では健全な在庫の状況と認識しており、順調なセルインが進んでいます。これに加えて、ピアノ以外の商品も好調に推移していることが挙げられます。
1Qに対して、2Q以降成長率が下がるのは、1Qの20%超が続くという見込みを作成することはリスクもあるので2Q以降の成長を慎重に見ているのがその要因です。


Q10 : 1Qの在庫未実現損益に関わる影響も含めた為替影響について確認させて下さい。

1Qの為替影響▲18億円で、その内▲15億円が在庫未実現損益影響となります。
通期予想では為替影響は+16億円で、その内▲2億円が在庫未実現損益影響であり、通期では、その影響は軽微になる見通しです。


Q11 : 音響機器事業、PA機器の状況、AV機器のMusicCastの今後の販売の展望について教えて下さい。

PA機器については、若干北米市場における販売体制の整備が遅れていましたが、大分キャッチアップしてきています。
その他市場においても、設備音響機器で成長してきています。
また、楽器販売ルートにおける音響機器も堅調に推移しています。


AV機器については、ネットワークオーディオの商品領域において先行するメーカーのシェアは高いものの、当社のMusicCastは競争力のある商品と認識しており、店頭展示、プロモーションを増やすことに注力しています。
先行する欧州に続き、北米市場でも一定の店頭展示の成果が出てきています。


Q12 : 楽器事業の中国市場で、ピアノの単価上昇があるようですが、その状況について教えて下さい。

中国のピアノ市場において、当社は2年前と比べると、平均単価は5%程度上昇しています。
市場全体でも3~4%の程度の平均単価の上昇とみており、単価の上昇は価格帯の高いところで展開する我が社にとってはフォローな状況だと捉えています。


Q13 : 欧州、北米市場での流通在庫の状況についてはどのような認識でしょうか?

他社も含めた北米市場の流通在庫が、大幅に増加しているということはないと認識していますが、当社については、前期末に出荷した旧モデルの電子ピアノの在庫が若干重く今期期初の出荷がスローになりました。その後、状況は改善に向かっています。


Q14 : 楽器事業のその他の地域の2Qの伸びを強くみていますが、その背景等を教えて下さい。
商品別には、どんな商品が中心となっているのでしょうか?

足元の状況ではインド、ロシア等は好調に推移するものと見ています。 また、厳しい状況であった中南米については回復傾向にあり、オーストラリアも好調な推移を見通しています。
販売政策を見直しているインドネシアでは、現時点では一時的に若干停滞していますが、今後回復してくるものと見ています。

商品別には、電子ピアノ、ポータブルキーボードが中心ですが、ギターも成長を期待しています。


Q15 : 楽器事業の全体感について、前期3Qから業績の上下の動きがあるように感じられますが、今後どのように見ていけばよいでしょうか?

市場全体の見方は変えていません。中長期の見方では、中国、新興国市場での成長が期待され、先進国も含め全体では堅調に推移するものとみています。


Q16 : 設備投資について、今回予想が前回予想から減額になっているのはどのような理由でしょうか?

前回の予想からの減額は、特別な要因があるものではありません。新工場の建設についても土地の手当てから様々なステップがあり、当初の計画通りに進んでいない部分もありますが、大きな遅延があるという訳ではありません。
期を跨いで来期に投資がずれ込む要素があり、今回予想は前回予想から減額としました。


Q17 : 工場の稼働率について、前年同期に比べての生産状況について教えて下さい。

楽器の1Q生産状況については、ほぼ前回予想通りですが、前期同期対比でみると若干生産は減少しています。
音響機器は1Qで生産が増えています。これは北米の大手流通との商談の中で、商品の手当てをする必要があったためです。それが在庫として残り、一時的な在庫の増加につながっています。