リスクマネジメント

  1. リスクマネジメントの基本方針
  2. リスクの分類とリスクマネジメントの定義
  3. リスクマネジメント推進体制
  4. 具体的な取り組み

ヤマハグループは、音・音楽を原点に培った技術と感性で、新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづけることを企業理念に掲げています。この企業理念の達成を阻害する事象をリスクと捉え、下記の方針に基づいてリスクマネジメントを推進していきます。

  1. リスクマネジメントのための組織やしくみを整えて、リスク対応力の向上を図り、企業価値の最大化に努める。
  2. 平常時のリスクマネジメント活動の中で、リスクの認識・評価・低減を図り、教育や訓練等の啓蒙活動とリスク情報の共有化により、リスク意識の浸透とリスク感性の醸成を図る。
  3. リスク発生時には、人々の安全を最優先し、地域社会と協調し、誠実かつ適切で速やかな対処により、リスクの影響を最小化する。また、製品・サービスの安定供給に努め、可能な限り事業を継続し、社会の持続的な発展に貢献する。
  4. 解決したリスクに関しても再発防止に努める。

ヤマハグループでは、事業に関連するさまざまなリスクを以下のように分類して対策に取り組んでいます。

外部経営環境リスク
企業が発生を予防できない外的なリスク
業務プロセスリスク
内部統制や要因分析等で影響を低減可能なリスク
事業戦略リスク
事業戦略、経営判断に伴うリスク
ヤマハグループでは、経営を行っていく上で、さまざまなリスクを適切に管理する活動全般を「(広義の)リスクマネジメント」と定義しています。また、平常時および緊急時の対策・対応を以下のように区分しています。
平常時
「(狭義の)リスクマネジメント」
リスクがまだ現実化していない状況を「(狭義の)リスク」として、平常時には、リスク発生防止等の対策に取り組んでいます。
緊急時
「クライシス対応」
リスクが現実化した緊急事態を「クライシス(危機)」として、クライシスが発生した場合には、影響度を最小化する迅速・的確な初動・復旧対応等に取り組んでいます。
  • ※ すべてのリスクがクライシス対応の対象となり得るものの、経営に重大なインパクトを与えるリスクをクライシス対応の対象としています。
[ 画像 ] 広義のリスクマネジメント 平常時(狭義の)リスクマネジメント、緊急時 クライシス対応

ヤマハ(株)は、リスクマネジメントの基本方針に従い、社長の諮問機関としてリスクマネジメント委員会を設置し、リスクマネジメントにかかわるテーマについて全社的な立場から審議し、代表取締役社長に答申しています。基本組織の通常業務でカバーすることが難しい重要テーマについては、下部組織として部会(「BCP・災害対策部会」「内部統制部会」「コンプライアンス部会」「輸出審査部会」「情報セキュリティ部会」)を設置し、リスクマネジメント活動に取り組んでいます。
企業による個人情報などの漏洩事件が多発する中、社会的に情報管理の重要性が増していることに鑑み、2014年11月、情報セキュリティ部会を新設しました。同部会で情報管理について方針を決定し、現状の管理体制の把握、脆弱性の特定、指導を行うことにより、グループ全体の管理レベルを向上させていきます。

[ 画像 ] リスクマネジメント委員会体制図1
[ 画像 ] リスクマネジメント委員会体制図2

事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)について

東海地震などの大規模な自然災害や火災、感染症などが発生した場合でも迅速に業務を復旧することができるよう、ヤマハグループでは全社の事業継続計画(BCP)の基本方針となる「BCPガイドライン」を2009年に策定し、2012年には従来の防災関連規程を全面改編、「BCP・災害対策基本規定」および「地震対策規定」「火災対策規定」「風水害対策規定」を制定しました。
2010年度から、非常事態発生を想定したBCP訓練を実施しています。また2013年度に、災害発生後に従業員の安否状況を確認するため、携帯電話などを利用した安否確認システムを整備しました。
2014年度には、最重要リスクである東海大地震の対策について、より実効性のある活動を全社に展開することを目的として、BCP・災害対策部会の中に東海大地震対策ワーキンググループを発足させました。
2015年度は、静岡県第4次地震被害想定の提示を契機に所有建物の耐震性を見直し、今後3カ年における建物耐震化計画を策定しました。

活動事例

インフラ復旧BCP訓練の実施

ヤマハグループにおいて、事業継続に影響を与える可能性がある事象や当該地域において大きな被害・影響が予想される事象が発生した場合に、速やかな情報集約・判断を行うための緊急連絡体制を再構築し、徹底を図りました。

事業復旧BCP構築推進(全体体制・対応プロセス構築)

インフラ復旧BCPの実効性を確かめるため、事業インフラ復旧訓練を実施し、その中で発見された課題を解決するようBCP手順書を見直しました。

[ 画像 ] 事業インフラ復旧訓練1
事業インフラ復旧訓練1
[ 画像 ] 事業インフラ復旧訓練2
事業インフラ復旧訓練2

そのほか、東海大地震への備えとして工場などの建物の耐震補強を進めており、2013年度はヤマハ(株)主要生産工場である豊岡工場1号館の耐震補強工事を実施しました。

また、静岡県西部の生産拠点についても、生産設備耐震診断を実施し、人的・生産設備被害を最小化するためのリスク把握に取り組んでいます。設備についても耐震性をいっそう高めるため、2015年3月に「ヤマハ設備耐震基準」を制定し、目標水準を明確にして取り組んでいます。

[ 画像 ] 豊岡工場の耐震補強(屋外)
豊岡工場の耐震補強(屋外)
[ 画像 ] 豊岡工場の耐震補強(屋内)
豊岡工場の耐震補強(屋内)

海外安全について

海外駐在者や海外出張者の安全確保のため、未然予防と緊急事態発生時対応の面から対策を行っています。外務省や民間セキュリティ会社、海外現地法人の駐在者や帰任者などから各国・地域の危険情報を収集・分析し、注意喚起や出張規制の形で社内に発信しています。同時に、海外赴任者や出張者を対象とした安全教育も行っています。

2015年度実績

内容 対象 実施回数 受講者数
海外赴任前研修 従業員対象 11回 36人
帯同家族対象 5回 18人
海外出張オリエンテーション 初めての海外出張者等対象 3回 54人

輸出管理について

ヤマハは国際取引における遵守事項として、コンプライアンス行動規準に安全保障貿易管理について定めています。

「コンプライアンス行動規準」(抜粋)

8-3安全保障貿易管理
「ヤマハ」は世界平和を願い、大量破壊兵器の拡散を防ぎ、その他の武器の蓄積を避けるために定められた安全保障貿易管理の規定を守ります。そのために社内手続きのルールを整備し、これを遵守します。

リスクマネジメント委員会の下部組織として輸出審査部会を設置するとともに、「輸出管理規程」「輸出入業務運用規程」などを定め、輸出管理に関する業務プロセスを整備しています。

環境リスク管理について

ヤマハグループでは、CSRの一環としてヤマハ環境方針を制定し、事業活動および製品・サービスに関わる環境負荷の低減、エネルギーおよび資源の有効活用、地域における環境貢献活動などに取り組んでいます。環境リスク管理の主な取り組みとしては、定期的なモニタリング、環境監査、緊急事態対応訓練などを実施しています。