

中期経営計画
Make Waves 2.0
2022年4月 – 2025年3月

中期経営計画期間の外部環境予測
前中計期間から続くCOVID-19をきっかけとした社会環境の変化は、今後も止まることはないと考えています。
環境変化によってもたらされるPostコロナの「新たな社会」は、音・音楽を原点に技術×感性で新たな感動と豊かな文化を追求してきたヤマハグループにとって、さらに大きな機会になると認識しています。
デジタル化の
加速がもたらす大変革
産業構造、世の中が大きく変化
顧客とよりダイレクトで
緊密な繋がりが強まる

ライフスタイル・
価値観の多様化
自動化・便利さが新たなステージへ
より精神的な満足や
本質が求められる時代へ

サステナビリティへの
意識の高まり
企業の社会的責任が
より一層求められる
社会への貢献が中長期的に
企業価値創造に繋がることが
広く認知される

技術×感性
で新たな価値を提供するヤマハにとって、
新しい社会の到来はチャンス

マテリアリティと中期経営計画方針
マテリアリティ
中長期的な経営環境の変化を踏まえ、経営ビジョンを達成するために当社グループが取り組むべき経営に関わる重要な課題として、新たに「事業基盤」「環境・社会」「人材」の3領域・10項目のマテリアリティを特定しました。
マテリアリティをもとに中期経営計画の方針を設定
中期経営計画方針
「Make Waves 2.0」では、現在の課題である成長力を高めるための3つの方針と重点テーマを策定しました。
基本方針:新たな社会で持続的な成長力を高める

経営目標
非財務
新中計では、3つの方針の目標をよりクリアにするため、それぞれの重点テーマに紐づく非財務指標を掲げています。非財務目標の項目を含めた各施策にしっかり取り組むことが、財務目標の達成に繋がると考えています。
方針1 事業基盤
事業基盤を
より強くする
非財務目標
● 顧客ともっと繋がる指標
Yamaha Music ID登録数
500万ID
新規
● 新価値創出指標
新コンセプト商品投入数
20モデル
前中計:10モデル
● レジリエンス指標
生産インフラへの投資金額
350億円
前中計:270億円
方針2 環境・社会
サステナビリティを
価値の源泉に
非財務目標
● 音楽文化普及指標
器楽教育支援対象10ヵ国
累計230万人
現:累計129万人
● 環境負荷低減指標
持続可能性に配慮した木材使用率
75%※当社基準
現:想定55%
省エネによるCO2排出量削減
5%
※CO2排出量/生産高
2018年3月期比
方針3 人材
ともに働く仲間の
活力最大化
非財務目標
● 働きがい指標
従業員サーベイ
働きがい肯定的回答率
継続的向上
現:2022年3月期実績66%
● 女性活躍推進指標
管理職女性比率
グローバル 19%
現:2022年3月期16.5%
● 働きやすさ指標
従業員サーベイ
働きやすさ肯定的回答率
継続的向上
現:2022年3月期実績63%
財務
4つの財務目標は、ヤマハが目指す「世界中の人々のこころ豊かなくらし」実現のために行う施策の結果であると捉えています。
財務目標の核となるのは、前中計から引き続き「事業利益率」と「ROE」です。これらに加え、成長力の指標として新たに「売上成長率」と「ROIC」を設定しました。
財務目標の達成により生み出された資金は、将来に向けた投資や株主様への還元に繋げていきます。


- ※1 株主資本コスト、WACCは2022年3月現在
- ※2 ROIC=税引後事業利益÷(親会社の所有者に帰属する株主資本+有利子負債)
MAKE WAVES 1.0(2019-2022)
価値創造力を高める
COVID-19などの影響により財務目標は未達となりましたが、厳しい環境下での稼ぐ力と危機対応力が向上しました。
- 【成果】
-
- 顧客情報基盤の統合が進捗し、デジタルマーケティングを加速
- 遠隔等の新需要を捉えた商品・サービスを提供
- インド工場立ち上げ、生産能力・モデル数拡大
- 【目標達成状況】
-
財務目標 2022/3 実績 2022/3 中計目標 売上収益 4,082億円 4,700億円 事業利益 430億円 650億円 事業利益率 10.5% 13.8% ROE 9.2% 11.5% EPS 215円 270円 非財務目標 コーポレートブランド価値1.5倍に、目標の1.3倍を達成 スクールPJ生徒数129万人に、目標の100万人を達成 認証木材の採用率目標50%達成
NEXT STAGE 12(2016-2019)
ブランド力を高める
個性際立つ商品の開発、お客さまの拡大、グローバル事業運営体制の強化などにより、世界的にブランド力強化を推し進めました。
- 【成果】
-
- 音と人が関わる技術の融合により、ユニークな商品を発売
- 音響設備事業者のアカウント数を大幅拡大
- グローバル人材マネジメント、ITグローバル3極体制構築、IFRS導入(19年4月~)
- 【目標達成状況】
-
財務目標 2019/3 実績 2019/3 中計目標 売上高 4,374億円 4,650億円 営業利益※ 560億円 550億円 (参考値)事業利益※ 527億円 — 営業利益率 12.8% 12% (参考値)事業利益率 12.1% — ROE 11.4% 10%水準 EPS 241円 200円水準 - ※営業利益:日本基準、事業利益:IFRS基準
YMP2016(2013-2016)
収益力を高める
事業構造改革、コストダウン、楽器事業の粗利改善等で、大幅に利益の伸長を果たしました。
- 【成果】
-
- エレクトロニクス事業領域での売上成長
- コスト競争力の強化
- 【目標達成状況】
-
財務目標 2016/3 実績 2016/3 中計目標 売上高 4,355億円 4,300億円 営業利益 407億円 300億円 うち、楽器/音響 315億円/87億円 185億円/85億円 営業利益率 9.3% 7% ROE 10.1% 10% EPS 168.9円 — FCF(3年間) 733億円 500億円※ - ※M&A投資を含まない
事業基盤
- 顧客
-
- 顧客との繋がり
- サービスを組み入れた新たな価値の提供
- 技術
-
- 最先端技術と感性の融合による新価値創造
- オープンイノベーションの創出
- ものづくり
-
- クラフトマンシップとテクノロジー
- レジリエンスの強化
- 品質
-
- 絶対的な顧客信頼を得る品質
- DX
-
- 新たな価値の創造と様々な分野でのプロセス変革
- ガバナンス
-
- グループガバナンスの強化
環境・社会
- 環境
-
- 気候変動への対応
- 持続可能な木材の利用
- 省資源、廃棄物・有害物質削減
- 社会
-
- 平等な社会と快適なくらしへの貢献
- バリューチェーンにおける人権尊重
- 文化
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- 音楽文化の普及・発展
人材
- 人材
-
- 働きがいの向上
- 人権尊重とDE&I※
- 風通しが良く、皆が挑戦する組織風土の醸成
- ※DE&I:Diversity, Equity, and Inclusion
重点テーマ 1-①
顧客ともっと繋がる

販路については、メーカー直販の拡充でお客さまとの繋がりを強化します。
価値伝達については、デジタルマーケティングとリアル拠点の活動を組み合わせてヤマハの価値を訴求します。
また、それらの活動を支える顧客情報基盤は、前中計で整備を進めたものを拡充し、お客さまとさらに深く・長く・広く繋がるサービスの提供を目指します。
重点テーマ 1-②
新たな価値を創出する

ヤマハの強みであるアコースティック技術とデジタル技術を掛け合わせた新たな製品を開発するとともに、売り切り型のビジネスモデルから脱却し、広く、長く、深くお客さまと繋がるためのサービス展開を目指します。
また、それらを支えるAI技術・ネットワーク技術、加えて価値創造のベースとなる豊かな感性にもさらに磨きをかけていきます。
重点テーマ 1-③
柔軟さと強靭さを備え持つ

調達・生産のレジリエンスを強化するとともに、既存工場の生産能力を向上させます。生産インフラには新中計期間通算で350億円の投資を予定しています。開発基盤の強化では、首都圏に新たな研究開発拠点を新設し、社外リソースの活用・連携を加速します。さらに、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、プロセス改革と新たな価値の創出に挑みます。
重点テーマ 2-①
環境:地球と社会の未来を支えるバリューチェーンを築く
- ※1 エコプロダクツ:当社独自基準で認定する環境配慮製品
- ※2 3樹種:アフリカン・ブラックウッド、アカエゾマツ、インドローズウッド
地球環境の保全に向けて、2050年のカーボンニュートラル達成を目指し、事業活動におけるCO2排出量削減に取り組みます。また、持続可能な木材の利用を進めるために、希少木材の育成保全に取り組むほか、代替材の研究にも力を入れていきます。そのほか、廃棄物や有害物質の削減、製品の長寿命化にも取り組みます。
重点テーマ 2-②
社会:快適なくらしへの貢献でブランド・競争力を向上する
新たな社会への対応として、「遠隔」「非接触」などの分野で、人々の快適なくらしに貢献する商品・サービスを提供します。また、ヤマハならではの取り組みとして、音響機器製品における耳への負担軽減など音に関わる健康と安全への貢献に力を尽くします。
また、バリューチェーンにおける人権尊重にも取り組み、平等な社会の実現を目指します。
重点テーマ 2-③
文化:音楽文化の普及・発展により市場を拡大する
- ※Love Piano:駅や空港、商業施設などに設置した誰でも自由に弾けるピアノ
楽器演奏人口の拡大に向けては、以前から注力してきた「スクールプロジェクト」を新たな国へ展開するなど、より一層の拡大を目指します。また、地域音楽文化への貢献に対しては地域文化に根差した製品開発や、 音楽文化発展に不可欠な講師・技術者の育成、若手音楽家・音楽研究家の活動支援などに力を注ぎます。
重点テーマ 1~3

ヤマハグループで働く仲間たち一人ひとりの個性、情熱、創造性を活かし、それぞれの強みと強みを掛け合わせることで、私たちの技術、アイデア、イノベーションはより磨かれます。これこそがわれわれの競争力の源泉です。
働きがい向上の面では、ヤマハで働く価値を創出するため、リーダー育成や適材適所の人材配置、キャリア開発支援、多様な働き方の支援を推進します。人権尊重とDE&Iの面では、多様な人材一人一人の個性を活かすため、人権教育や人権デューデリジェンスの実施、女性活躍推進を含む多様な人材構成の実現を目指します。組織風土醸成の面では、互いをリスペクトし働きやすい組織文化を築くため、対話の機会を創出しコミュニケーション活性化を図ります。
ガバナンス

楽器事業 より広く
新たな成長領域を開拓する

楽器事業 より深く・長く
顧客と深く長くつながるサービスを提供する

楽器事業 事業別ポイント
ブランド力を高め、サステナブルな高収益体質を実現する

音響機器事業 方向性
市場の変化に応じて事業を再構築し、成長する新市場へドメインを拡大する

音響機器事業 法人向け
ライブ・エンタメの技術・ノウハウを簡便なソリューションとして提供し顧客を拡大する

音響機器事業 個人向け
想いまで伝える“TRUE SOUND”と手軽で高品位なソリューションで顧客を拡大する

部品・装置事業
新たなモビリティ時代の「音のソリューションベンダー」として成長する
