マテリアリティ

ヤマハグループでは、社会の持続的発展と中長期的な企業価値向上につながる重要なサステナビリティ課題をサステナビリティ方針に組み込み、活動を推進・管理しています。2022年3月期には従前の「サステナビリティ重点課題」の見直しを行い、新たに「マテリアリティ」として9項目を特定しました。このマテリアリティに基づいて2022年4月にサステナビリティ方針を改定し、取り組みを進めています。

特定したマテリアリティ

環境

気候変動への対応

  • 事業所におけるCO2排出削減
  • 調達、物流、製品使用におけるCO2排出削減

持続可能な木材の利用

  • 木材の持続可能な調達、利活用
  • 森林育成推進

省資源、廃棄物・有害物質削減

  • 製品・梱包の省資源化・資源循環性向上
  • 有害化学物質削減(VOCなど)

社会

平等な社会と快適なくらしへの貢献

  • 心身の安全と健康
  • 遠隔コミュニケーション
  • UD・アクセシビリティへの配慮など

バリューチェーンにおける人権尊重

  • サプライヤーの労働人権など

文化

音楽文化の普及、発展

  • 音楽文化の普及発展に資する製品・サービス・活動
  • 次世代育成への貢献

人材

働きがいの向上

  • 人材開発など

人権尊重とDE&I

  • ともに働く仲間の人権尊重施策(人権教育、DD)
  • DE&I推進(ジェンダー、国籍など)

風通しが良く、皆が挑戦する組織風土の醸成

  • 意識調査、対話機会創出、WLB、安全と健康など

詳細は以下をご覧ください。

サステナビリティに関するマテリアリティ・KPI・目標

中期経営計画Make Waves 2.0(2022/4~2025/3)の主なKPI・目標および2023年3月期の実績

分野 マテリアリティ Make Waves 2.0 のKPI・目標 2023/3月期の進捗 進捗評価
環境 気候変動への対応 省エネによるCO2排出量削減 5%(CO2排出量/生産高)2017年度比経営目標 コロナ禍で電力効率低下も電力監視システム導入等省エネ施策推進
CDP気候変動 Aリスト企業継続 CDP気候変動 A-
物流積載効率向上 5% コンテナ積載率を加味した集合梱包基準策定
持続可能な木材の利用 持続可能性に配慮した木材使用率 75%経営目標 認証材新規採用拡大、持続可能性に配慮した木材の自社基準検討
楽器材料となる希少樹種 3樹種の育成・保全 タンザニア植林累計1.5万本、インドローズ現地調査実施
省資源、廃棄物・有害物質削減 新規小型製品 梱包材プラ廃止 情報収集・仕様検討の体制構築、一部製品で梱包材プラ廃止実現
社会 平等な社会と快適なくらしへの貢献 耳を保護するための、小音量でも良い音の音響技術「リスニングケア」をヘッドホン・イヤホン全商品に搭載 当年度発売のワイヤレスイヤホンとワイヤレスヘッドホン全商品に搭載
バリューチェーンに
おける人権尊重
サプライヤー実地監査導入 60社 実地監査導入に向け監査機関決定
文化 音楽文化の普及・発展 新興国の学校教育への器楽教育普及 10カ国 累計230万人経営目標 7カ国 累計202.5万人
海外音楽教室 +10万人 中国などコロナ影響で募集・会場拡大に苦戦も生徒数+1.7万人
人材 働きがいの
向上
従業員サーベイ 働きがい 肯定的回答率継続的向上経営目標 仕組み・制度の整備進む
人的投資額 2倍 タレントマネジメントシステム導入準備、新教育・学習体系策定進む
人権尊重とDE&I 管理職女性比率 グローバル 19%経営目標 グローバル17.3% アンコンシャスバイアス研修 6100名実施
クロスボーダー配置 30名 クロスボーダー配置2名、国際間異動規定制定
風通しが良く、皆が挑戦する風土の醸成 従業員サーベイ 働きやすさ 肯定的回答率継続的向上経営目標 健康経営銘柄2年連続選定、職場環境改善整備進む

進捗評価 ◎計画を上回る 〇ほぼ計画通り △施策は進むも計画から遅れ ×着手できず

マテリアリティの特定プロセス

1.重要なステークホルダーの特定

評価対象とする社会課題の絞り込みと、社会課題の重要度評価に反映するために、ヤマハにとって重要なステークホルダーを特定

2.評価対象とする社会課題の絞り込み

SDGsターゲット、Global Risk Report のGlobal Riskおよびその他のリスクを勘案して114項目の課題リストを作成。ヤマハや1で特定したステークホルダーと関連性の低いもの/重複する項目を除外。一部の社会課題を機会/リスクに分解するとともに、ヤマハ特有の社会課題を追加し、合計64項目の社会課題を評価対象に選定

3.社会課題の重要性評価

2で選定した64項目の社会課題を「機会」と「リスク」に分け、それぞれについて以下①②の視点で重要度評価を行い、2軸でマッピング

① 事業視点での評価(企業にとっての重要度)

全社横断での評価チーム(35名)を編成し、売上/損失・コスト/評判/コンプライアンス/企業理念/経営・事業の持続可能性の観点から重要度をスコアリング

② ステークホルダー視点での評価(ステークホルダーにとっての重要度)

お客さまの声や従業員アンケートなど、1で特定した各ステークホルダーのニーズや意見、業界イニシアティブの要求事項、ESG評価項目(FTSE、MSCIなど)との関連性から重要度をスコアリング

[図] マテリアリティ・社会課題の重要性評価

4.マテリアリティの特定

マッピングに基づいて重要度の高い社会課題をグルーピングし、9項目のマテリアリティとして特定。さらにマテリアリティを「環境」「社会」「文化」「人材」に分類し、体系化

5.承認

特定したマテリアリティについて、代表執行役社長を委員長とするサステナビリティ委員会で審議し、取締役会にて承認