2017年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 楽器市場全体が大きく伸びていない中、ヤマハの楽器販売が好調な理由について教えてください。

A1 : 中期経営計画でもご説明していますが、差別化できる商品を開発した結果が評価されていると考えています。特に販売が伸びているギターや電子ピアノに関しても、優位性を持った新商品を市場導入していることが寄与していると思います。


Q2 : 楽器の市場シェアアップは今後も継続できるのでしょうか?

A2 : 例えば、電子ピアノはすでに約5割のシェアを持っているので大きく伸ばすことは難しいかもしれませんが、市場全体も成長して販売も伸びているので、さらに数ポイントのシェアアップは可能だと考えています。


Q3 : 中期経営計画でのブランディング等に関する戦略的な費用を使っていくという説明に対し、この上期は販売管理費が減っているようですが、一時的なものでしょうか?

A3 : 戦略的な費用は使っていますが、通常の販管費は効率化等により削減しているため、販管費全体としては減っているということです。


Q4 : PA機器が好調な要因についてご説明ください。

A4 : 新商品の市場導入によりラインアップが充実し、新商品自体の売上げに加えて、前期までに発売した商品の売上げも伸びたことが寄与していると思います。


Q5 : AV機器はネットワークオーディオ新商品の市場導入により上期の売上げは好調だったと思いますが、下期の見通しについて教えてください。

A5 : 上期は、新商品の導入もあり年末需要に向けた出荷が好調でしたが、期待値には届いていないということと、販促費をかけて市場での認知を高めるということが想定よりも少し時間がかかっているということを勘案して、下期の売上げは前回よりも慎重な見込みとしています。


Q6 : 楽器の価格の適正化について現在の状況を説明してください。

A6 : 為替の対応というだけではなく、各市場での商品の価格競争力を精査して価格適正化を進めています。競争力のない商品は値下げをする場合もあります。各市場で価格適正化を進めてきたことで、円高の影響をある程度吸収することができていると考えています。


Q7 : 中国のピアノの今後の見通しについて教えてください。

A7 : 中小規模の入札案件が好調に推移していることや市場シェアが上がってきていることを勘案して、下期も好調は継続できると思います。来期についてもこの傾向は大きくは変わらないと考えています。


Q8 : 管楽器、ギターの市場別の状況や収益性について説明してください。

A8 :
管楽器:
主要市場であるアメリカと日本の需要は堅調に推移していますが、供給が追い付かない影響で、アメリカでの出荷は若干減速しました。今後は供給面の課題も解消する見込みなので成長が期待できると思います。収益性については、すでに高い水準の利益率となっています。

ギター:
直近ではアジア地域の売上伸長が顕著だったのですが、現在、欧米でのマーケティング施策に注力しているので、今後は主要市場である欧米でも売上伸長が見込めると考えています。収益性については、生産面での改善や売上伸長が進んでいることから利益水準は確実に上がってきています。


Q9 : ROE、資本政策について説明してください。

A9 : ROEについては、前期10%という目標をクリアしましたが、この2Q末時点で繰越欠損金が解消したので、税率が通常レベルまで戻った状態でROE 10%を上回ることが当面の目標です。
資本政策については、現時点では中期経営計画で発表したこれまでの方針に変更はありません。


Q10 : Revolabsの売上減速という説明がありましたが、事業環境に大きな変化があったのでしょうか?また、損益への影響はどうでしょうか?

A10 : 自社ブランドの主要商品(ワイヤレスマイク)の競合は厳しくなっていますが、大きな事業環境の変化ではなく、一時的な調整だと認識しています。下期にOEM供給に関して減速を見込んでいますが、損益への影響はそれほど大きくはないと考えています。


Q11 : 上期の販管費が想定を下回った理由は何でしょうか?下期も同様に販管費が予定通り使われない可能性はありますか?

A11 : 今期に入ってから急激な円高が進んだことから、中計で掲げた戦略的な費用以外の通常ベースの販管費については引き締めを図ったことと一部の費用については下期に後倒しになったということが主要因です。
下期には戦略的な費用を中心に計画通りに使っていくつもりですが、状況によっては来期に後倒しになる等、想定通りにならないこともあり得ると思います。


Q12 : 楽器の2Q売上実績に比べて3Q見込みは若干高い印象ですが、特別な要因はあるのでしょうか?

A12 : 1Q、2Qで入り繰りはありますが、上期としては現地通貨ベースで対前年104%となっていることから、楽器需要は堅調に推移していると考えています。確かに3Qの売上見込みは若干高めの想定ですが、下期にも新商品の市場導入がありますし、十分達成可能な想定だと思います。


Q13 : AV機器のネットワークオーディオ新商品の市場導入に関して、実売状況等手応えはどうでしょうか?

A13 : ネットワークオーディオのシェア上位2社と比べると、現時点ではまだ大きな開きがあると認識しています。ただ、期待値には届いていないものの、前期に比べて大きく売上伸長していますので、今後キャッチアップしていきたいと考えています。


Q14 : 下期の減産に関して、前回見込みから大きな変更はありますか?

A14 : 前回見込みからは大きな変更はありません。


Q15 : 中計発表時から円高を含めたマクロの事業環境が変化していると思いますが、営業利益率を上げていくという目標に対して、想定通り施策を進められているとお考えでしょうか?

A15 : 為替影響等を除いた実質では売上げが想定以上に推移していることが円高の影響を吸収できた大きな要因であると考えています。ただ、1つの要因だけでカバーできるものではないので、様々な施策をそれぞれしっかり取り組んだことが結果に結びついていると認識しています。


Q16 : その他の事業についての考え方を教えてください。

A16 : デバイス関係の事業は1つの事業本部として統合しました。1つの組織とすることで新しい価値の創造、シナジーの創出を目指しています。
現時点では売上数値としては現れてはいませんが、プロジェクトベースでは様々なことを進めています。中計でも3年目には形として現れるように進めたいと申し上げましたが、その計画通りに進んでいると認識しています。


Q17 : 下期の為替の予約状況について教えてください。

A17 : 為替の予約をしているのはユーロだけで、3か月先の予約をしています。3Qの決済レートは114円で確定しています。