新中期経営計画説明会 質疑応答

Q1 : ブランド力強化を経営ビジョンとして掲げられていますがベンチマークしていらっしゃる企業はあるでしょうか?

A1 : 特定の企業を目指すということではありませんが、参考とさせて頂いているのはApple、自転車変速機のシマノ、同一地域に立地する企業としては、浜松ホトニクスなどです。
どの企業も個性的な企業であり、利益水準も高く、将来的に目指す企業像に近いと考えています。


Q2 : スライド18の楽器事業の売上高の増減について、電子楽器、ピアノの増収額等が記載されていますが地域別ではどの程度の成長となりますでしょうか?
こうした増収は、数量増、単価アップ等の要因別には、どの様にもたらされるでしょうか?

A2 : 新中期計画期間中、楽器全体で北米 欧州で10%程度の成長、中国、新興国で20%程度の成長を想定しています。
中国では、アコースティックピアノの成長もございますが、都市部で電子ピアノの急速に普及が進んでおり、この流れを確実にとらえていきたいと考えています。
数量増、単価アップ等で定量的にお話するのは差し控えますが、同一の商品の単純な値上げというのは市場の状況を見ての判断となりますが、新商品などのブランド力、商品価値の訴求を適切に行うことを前提とし必要に応じ価格を見直していきます。


Q3 : 中期計画の利益の伸長について、3カ年でどのような推移をする想定でしょうか?
為替影響なども含めて、支障の無い範囲でお話下さい。

A3 : 3カ年の実質的な利益成長は、リニアの想定をしておりますが、今期については、前期実績との比較では円高による為替影響もあり、名目上は緩やかな成長となるものとみています。


Q4 : 前回中期経営計画の残された課題で、市場別には、特に新興国への対応、また新規事業の開拓などを挙げられており、反省点がおありかと思います。景況感が不透明な中、新中期計画では、どんな考え方で、取り組まれるかお聞かせください。

A4 : 前回中期計画の反省点を踏まえ、一番変革をしていきたいのは、マーケティング、営業展開です。
コンシューマー向けの商品別の展開、販売網の見直しや、新規開拓にも取り組んでいきます。
M&Aの成果については、前回中計では、結果として利益貢献が出来なかった訳ですがかなり改革も進んできていますし、今期には利益貢献を実現できるものと考えています。
新商品の開発シナジーの創出については、開発者の現地への派遣などにも取り組んでおり新中期計画の期間中に成果がでてくるものと考えています。
また、新たなM&Aについては、音響機器、特に業務用音響の領域についてを主に考えていますが事業領域に特にこだわることなく、業務提携なども含め、幅広く考えていきます。


Q5 : 3年度のEPS目標について、営業利益の伸びに比べ、伸びが低い様に思います。
その理由を教えて下さい。

A5 : 今期(17年3月期)まで繰越欠損金の控除があり、実効税率が低い水準にある訳ですが、来期以降は、そうした要素がなくなることで税率が上がっていくということを前提としています。


Q6 : 価格の適正化について伺います。市場環境面での変化等やり易い状況がうまれてきているのでしょうか?

A6 : 商品によって、価格弾力性の高低はありますが、業界全体で、価格の引き上げを見合わせていた要素などもあります。
管楽器などは、米国市場で、価格の適正化を進めたところ、競合他社についても追随の動きがあり結果として市場競争力に影響はありませんでした。
市場の状況、競合関係など十分に注意をしながら、価格の見直しには積極的に取り組んでいきたいと考えています。


Q7 : 原価低減について、今後の取り組みを教えて下さい。

A7 : 製造拠点は、中国4拠点、インドネシア5拠点、マレーシアに1拠点が立地しますが、従来は縦割りの事業部門別の管轄下にあったものを、製造本部という機能別の組織運営に基づき、拠点間の平準化に取り組んできています。
こうした取り組みを、更に推進していくことにより、製造原価の低減は、まだまた可能であると考えています。
生産工程の再配置については、特定の拠点で生産された部品の他拠点での使用する現状がありますが今後は、各拠点で一貫生産できるように考えています。また、製造方法の変革や機械化等も更に進めていきます。


Q8 : 機動的な株主還元について教えて下さい。
今後の実施のペースや、こうした条件が整えば実施するといったお考えをお聞かせいただけますか?

A8 : 前中期経営計画の進展の中で、当初想定以上のキャッシュフローの創出が出来ました。
第一義的には成長の為の投資を優先的にと考えておりますが、前回中計期間での収入支出の一定の想定が出来ましたので、成長投資とのバランスの中で、株主還元が必要との認識に立ち、先般、自社株購入を実施致しました。
今後の株主還元、特に自社株購入については、具体的な時期等については決めておりません機動的に実施するということでご理解を頂きたいと思います。


Q9 : ブランド力強化の為の投資、前中期経営計画と中期経営計画とでは、どのように変わるでしょうか?

A9 : ブランドの投資について、具体的に額を決めている訳ではありませんが、二桁億円の規模の投下もありうると考えています。これまで販売店への販売条件提示等に関わる経費があった訳ですが、こうしたことも時には必要と認識していますが、今後のブランド強化の為に経費を使うことを、優先的に考えていくことが基本です。


Q10 : ヤマハ発動機との協業について、具体的な事例についてがあれば教えてください。

A10 : ヤマハ発動機が、インドの各地で展開する交通安全教室や、移動店舗などにおいて、ミュージシャンの派遣や音響機器のサポートなどを実施しており、お子様などに音楽を楽しんでいただくことが出来、両社の集客力 ブランド認知を高めることに繋がっていると考えています。
また、ベトナムでのヤマハ発動機の直営店では、楽器の展示なども実施しています。
新興国では、ヤマハ発動機が先行して市場に入るケースが多く、ブランド認知、形成に貢献されていますが、その後に、当社も文化的な側面で貢献できると考えており、更にブランド価値の向上の為に、両社の協業を積極的に進めていきたいと考えています。


Q11 : 御社とヤマハ発動機での株式の相互保有について、今後の基本的な考え方を教えて下さい。

A11 : 両社共に、ヤマハブランドを高めていく協力関係にあるということを確認しており、取締役の相互派遣などを含め、モニタリングも積極的に実施しています。
保有株式の水準には、現在の形が最終形という訳ではありませんので、今後、検討議論をしていきたいと考えております。


Q12 : 財務数値目標のR0E 10%、EPS200円の「水準」という表現についての確認です。
どの様に理解したら宜しいでしょうか?

A12 : 水準という意味合いについては、10%、200円を目標としているということでご理解いただいて結構です。


Q13 : 新中期計画中の税率についてはどの様に推移する想定でしょうか?

A13 : 税率は、国内が繰越欠損金が残っており、その控除により10%程度、海外が25%程度、全体で20%強が現状の水準です。
しかしながら、繰越欠損金が今期で解消の見通しですので、税率は今期から上昇し、来期以降は正常化していく想定です。


Q14 : 今期のROEが、仮に10%を上回る水準になった場合、中期計画目標はどうなるでしょうか?

A14 : 今期業績については、集計中でコメントできる状況ではありませんが中期計画の目標は、16年3月期の水準を前提とするということでご理解いただいて結構です。


Q15 : 業務用音響機器における、領域拡大について、具体的にはどの様な領域となるでしょうか?
企業会議室需要向けの、商品展開などは、どの様な状況でしょうか?

A15 : 企業会議室については、テレビ会議システムが中心になりますが、傘下に収めたレボラブス社の会議システム、従来より、当社で開発している、Web連携のマイク、スピーカーの会議システムを中心に展開していきます。


Q16 : 電子楽器の今後の更なるシェアアップは可能でしょうか?

A16 : 電子楽器、特に中心となる電子ピアノの強化については、アコースティック楽器を開発していることにより獲得できるノウハウが多数あり、実際の弾き心地などの改善にもつながります。こうしたものを電子楽器にも導入し商品力強化、差別化を更に進めていきます。
また音に関しては、音源LSIの開発をしてきた自負もあり、競争優位性は高いと認識していますしネットワークやスマートデバイスとの連携についても保有技術を有効活用していきます。
他社の追随もあるものの、更に先を行き、シェアアップに繋げていくつもりです。