2013年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 楽器売上がQ2減速した状況の中で、下期の成長率を高く見ている理由はなんでしょうか?
具体的な見通しなどあれば教えてください。

A1 : 上期がQ1に比べQ2、特に8月、9月に大きく減速した理由は、Q1に実施した値上げによる駆け込み需要の影響で流通在庫が高水準にあったこと、欧州市場でのドイツの減速など海外市場の販売が想定に届かなかったこと等が要因と捉えています。
下期の売上では為替を除いた実質ベースで北米10%、欧州6%、中国18%の伸びを想定していますがこの中で高い割合を占めているのがデジタルピアノです。昨年は、部品供給問題で十分な商品供給が出来ませんでしたが、今年は、着実な商品供給があれば達成できるものと考えています。


Q2 : 中国の反日感情に基づく不買運動の影響について教えてください。

A2 : Q2までは反日運動の影響は殆どありませんでした。
今後は、商品により、影響のあるものとないものがあると想定しています。
具体的には入札による販売活動がある管楽器、PA機器で日本製品を除外する動きが多少あり影響が出てくる可能性があります。しかしながら管楽器の中国国内販売における入札関連売り上げの比率は 全体の5%から10%であり、仮に全ての入札からはずされたとしても影響はそれほど大ききものではないと考えいます。
設備音響機器については、もう少し影響があるものと想定されます。
一方、デジタルピアノ、ギターについては影響なく順調に販売を伸ばしています。
音楽教室の在籍者についても退会等の動きは出ていませんし、生徒募集活動も平常どおり実施しております。
全体として、今回の中国市場での成長率の鈍化は、反日影響よりは全体の消費減速での影響が大きいと認識しています。


Q3 : AV製品の他社では日本製品が店頭から外される動きがあったようですが楽器ではどうでしょうか?

A3 : 9月中旬の反日デモ直後には、小売店や量販店で、当社のAV製品含めて撤去されるといったことがありましたが楽器では全くそのようなことはありませんでした。


Q4 : 経常利益の修正と当期純利益の修正幅が同じ理由は何故でしょうか?
通常税金等の関係で当期純益の修正幅の方が少なくなると思いますが。

A4 : 会社によって税金の発生が異なります。ヤマハ株式会社単独は、繰越欠損金もあり税金が発生していない状況で、今回、経常利益の悪化を見込みましたが、ほぼ同額、当期純利益が悪化します。
一方、経費削減などにより、海外現地法人で一部、損益の改善を見込んでいますが、こちらは、経常損益良化に対する税金が発生しますので、これらの理由により、バランスが一部崩れています。


Q5 : 在庫の地域別、商品別の傾向を教えて下さい。不良在庫等、商品が陳腐化する可能性はあるのでしょうか?

A5 : 在庫の増加については楽器が中心で、AV機器はほぼ予定通りに推移しており問題はありません。
販売現地法人、事業部共に在庫が増加している状況であり、特に在庫の偏在等は無いと認識しています。
必要な在庫処分は進めており、その分の売上、利益の減少については今回の業績予想に織り込んでいます。
増加した在庫につては、このQ1からの増加分が大半であり過去からの不良不動在庫が積みあがっているのものではありません。


Q6 : 現在、リストラクチャリングに取り組んでいる電子部品事業の黒字化の時期はいつ頃でしょうか?

A6 : 構造改革は予定通り進捗しています。
鹿児島セミコンダクタは想定していた70名の早期退職募集が増加し97名となり、スリム化が進んでいます。
また、利益が取り難い生産品目は外部委託化を進めていますし、鹿児島セミコンダクタの設備投資も進めています。
来期の黒字化は現時点で明言はできませんが、早期の黒字化を目指し改革のスピードをあげて取り組んでいきます。


Q7 : 電子部品事業で、現状の売上高、商品ミックスで来期を迎えた場合、黒字化は可能でしょうか?

A7 : 全く今のままの売上高や商品構成で来期黒字化することは難しいと想定しています。
納入先の商品は半年サイクルで変わっており、その動きの中で当社も新商品を開発し新たな提案をしていく必要があります。
そうした取り組みが黒字化には必要と考えています。


Q8 : 楽器の在庫がQ1からQ2にかけて増えたのは、Q3に向けた新商品が中心とみて良いでしょうか?

A8 : 新商品を含む現行品を中心に増加しています。


Q9 : 音楽教室の状況はいかがでしょうか?

A9 : 音楽教室の生徒数は減少しています。日本の生徒数はQ2で465千名で若干減少。
全世界では638千人。アジアが好調に推移していますが、全世界では日本の減少が影響しています。
国内は少子化や震災以降の募集数減少により厳しい状況が継続しています。