2010年3月期 第2四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 上期での販売費及び一般管理費の削減について、主要な費目を教えてください。
また、通期についてもお聞かせください。

A1 : 上期の販管費は、為替影響等を除いた実質ベースで、前年同期に比べ105億円削減しました。
主な費目としては、運送費約20億円、広告宣伝費約40億円、人件費約15億円等です。
下期では、前年下期で既に全社的に経費削減に着手していたこともあり、上期と同規模の削減は難しいと考えています。
ただ、引き続き不要不急の経費については削減していくことに変わりはありません。


Q2 : 上期の楽器事業の営業利益の増減内訳を教えてください。

A2 : 上期の楽器事業の営業利益は49億円で、前年同期の138億円に対し、89億円の減益となりました。
うち、為替影響による減益が72億円、減収減産による減益が約60億円で、販管費の削減による増益が約50億円発生しています。


Q3 : 今回、当初予想の変更をしていませんが、下期では、各事業セグメントごとに、当初予想を上回るのか、下回るのか、感触を教えてください。

A3 : 楽器事業は、新興市場では、徐々に売り上げが回復してきており、うまくいけば、当初予想を上回ることもあると思いますが、北米市場は不透明な状況が継続しています。高額品グランドピアノなどに支えられた需要の回復が難しく、また期待のPA機器も市場の冷え込みに伴い、教会などが投資を見合わせています。
AV・IT事業は、日本市場では、フロントサラウンドシステムが好調ですが、欧米市場では、AVレシーバーの新商品が高評価を得ているものの、競合他社との価格競争が激化しています。
リビング事業は、経費の削減により損益改善を図っていますが、売り上げの伸長は厳しい環境です。
電子部品事業は、携帯電話用音源LSIの厳しさが継続していますが、デジタルアンプやコーデックなどの新商品の投入で、回復を期待しています。
その他の事業では、リクリェーションが引き続き厳しさが継続するものと考えていますが、ゴルフ用品は新商品に自信を持っています。また、自動車用内装部品は主力の納入先からの受注が当初の予想に比べ増加しています。


Q4 : 下期の営業利益ですが、販売管理費の削減、材料コストダウンなど、どのように見ていますか?

A4 : 売上高は中国が順調な反面、北米の回復が見えないなど、まだら模様の状況です。
営業利益は、ユーロ高で多少増益となるほか、販売管理費の削減も継続していきます。
全体的には、売り上げ段階では厳しいと思っていますが、何とか、営業利益は当初予想を維持したいと考えています。


Q5 : 楽器事業の営業利益率の低下が気になりますが、現在の楽器事業の競争環境と需要動向についてコメントをしてください。景気が回復すれば、売り上げは戻るのでしょうか?

A5 : アメリカ市場は中高級品が、よく売れる市場ですが、カード会社からの個人への信用供与が厳格化するなど、個人のお客様の購買行動に影響を与えています。 また、景気の悪化により、全般的に購入単価がダウンしています。 総じて、中国メーカー等の価格攻勢といった要因はありますが、それよりも、マクロ景気の悪化が売り上げ減少に繋がっていると考えています。 日本では、ピアノから電子ピアノあるいは中古ピアノへのシフトの兆しもあり、可処分所得の目減りが売り上げ減少に繋がっています。


Q6 : 上期では、当初予想比80億円の減収に対し、57億円の減益は大きいように見えますが、この点について、コメントをください。

A6 : 為替要因を除いた実質ベースでの売り上げ減少は137億円です。売り上げ減少、減産に伴い、減益となりました。


Q7 : AV・IT事業では、上期の損益が当初の予想に対し改善していますが、通期では当初予想のままの損失5億円となるのですか?

A7 : 上期は為替による増益影響で、当初予想に対し損益改善となりました。通期では、当初予想を変えていませんが、増益を目指します。


Q8 : 楽器は、高いシェアを持ちながら、営業利益率は3%程度と低い水準となっています。
今後の楽器事業の事業戦略についてお聞かせください。
低価格の商品を増やすことにより、売上高を伸ばすのか、それとも売り上げは下げても、高級品に特化して利益を確保する戦略でしょうか?

A8 : 現在、欧米を中心とした成熟市場では付加価値の高い中高級の商品を伸ばし、新興市場においては入門モデルを中心に事業を展開しています。
こうした中で、今回は、先進国市場での中高級品の数量減少が、利益の減少に繋がっています。
今後は、日本の工場での生産構造改革を進めるとともに、先ごろ発売しましたアバングランドのような新たな価値をお客様に提供すること、新興市場では、成熟市場で発売している商品の廉価モデルではなく、各市場の顧客ニーズに沿った商品を開発、販売することにより、売り上げ成長を加速していきたいと考えています。