2008年3月期第1四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 下期の為替の前提を教えてください。また、米ドルとユーロの年間ベースでの1円あたりの為替感応度を教えてください。

A1 : 米ドルは、2Q以降も、前回予想通りの$115/円です。ユーロは従来の148円を155円へ変更しています。為替感応度は、米ドルは、ほぼ中立。ユーロは1円あたり、4.2億円の損益影響となります。


Q2 : 前年同期に対する1Qの楽器の営業増益は、ほとんどが為替益で説明できそうですが、実質売上増による増益や前期に実施した拠点の統廃合等によるコストダウン要因等はどのようになっていますか?

A2 : 表面上は、為替益分のみが上乗せになった形になっています。1Qでは、ご指摘の通り、実質売上増による増益やコストダウン効果は発生していますが、会計制度の変更により、減価償却費が2.5億円増えているほか、設備音響ビジネスの拡大や海外新興市場での市場開拓のために、販売管理費が6億円増えているなど、経費増もあり、これらと相殺のような格好になっています。


Q3 : 貸借対照表の純資産の部で、利益剰余金が減少し、その他有価証券評価差額金が大幅に増加していますが、これは、ヤマハ発動機が持分法から外れたことによる影響ですか?

A3 : その通りです。利益剰余金の減少は、ヤマハ発動機株式の一部売却により、同社が持分法適用会社から外れたことによります。一方で、同社株式を1Q末時点で、時価評価したため、その他有価証券評価差額金が増加しています。


Q4 : 1Qでの楽器の地域別の販売状況を教えてください。

A4 : 日本は、前年同期との比較では、5億円の売上減少となりましたが、前回予想に対しては12億円の増収となりました。商品ごとには、エレクトーンが前回予想に対し減少しましたが、グランドピアノを中心とするピアノや管楽器、音楽教室は堅調に推移しました。
米国は対前年同期+15億円、対前回予想比▲5億円となりました。為替影響を除いた実質ベース売上高では、対前年同期増収、対前回予想減収となっています。商品別には、ポータブルキーボードが、やや期待を下回っていますが、ピアノは回復基調となっています。ギターは前年並みの状況です。
欧州は対前年同期+29億円、対前回予想+6億円で、為替要素を除いた実質ベースでは、対前年同期増収、対前回予想若干の減少となりました。1Qでは、ドイツでのピアノの在庫調整の影響がありましたが、今後は徐々に回復すると見ています。
その他の地域は、為替による増収要素を除いた実質ベースでも、前回予想、対前年同期を上回っています。


Q5 : 電子機器・金属事業が前回の予想を上回った要因は?

A5 : 半導体は、携帯電話用音源LSIが、前回予想並みの数量に留まったものの、平均単価が上昇したことなどで、全体では、前回予想売上を上回りました。また、電子金属材料は金属材料価格の上昇分が価格にスライドされたものです。


Q6 : 楽器事業の通期で、どう見たらいいのかを教えてください。その中で、電子楽器やPA機器の状況について、コメントしてください。

A6 : 全体としてはデジタルピアノ、設備音響機器を中心に成長する計画としていますが、現在のところ、予定通りに売上が伸長しています。デジタルピアノは、着実に商品力がついてきており、今後更に成長を見込めると考えています。尚、中期計画での「トータルピアノ戦略」を牽引する新商品はこれからの発表になります。
また、設備音響機器は、進めてきた施策が、成果へ繋がってきており、更に、商品ラインアップの拡充やM&Aも視野において成長を進めていきます。


Q7 : AV・IT事業が前回予想に対し、減益となっていますが、会議システムの減収が主要因ですか?

A7 : 会議システムの売上が前回予想通りにいっていないことが、AV・IT事業の減益の主な理由です。現在、会議システムにつきましては、北米へ駐在員を派遣するなど販路拡大のための施策を進めています。また、AV機器につきましても前回予想に対し、実質減収の見込みです。主力のホームシアター市場は厳しい状況が続いています。薄型TV対応のスピーカーの売上を伸ばしていますが、今後も、新商品を投入して挽回を図っていきたいと考えています。併せて、一層のコスト削減にも努めていきます。


Q8 : 半導体事業の中で、デジタルアンプの売上成長をどう見たらいいでしょうか?
中期的な見通しを教えてください。

A8 : デジタルアンプの売上高は、規模としては、まだ小さいものの、順調に伸びてきています。1Qでは、半導体売上高97億円のうち、デジタルアンプを含むオーディオ関連デバイスの売上高は5億円。通期では対前年倍増の27億円の売上を見込んでいます。中期計画最終年度の3年後では45億円の売上見込みです。


Q9 : デジタルアンプの利益率は? 携帯電話用音源LSIの販売スタート時と比べた利益率は?

A9 : 携帯電話用音源LSIは、急激に売上が伸び、大きな利益貢献をしました。デジタルアンプは、携帯電話用音源LSIと比較すると単価が安いため同様の成長は期待しにくいですが、独自性のある高付加価値商品の導入と生産コストダウンにより、確実な利益を確保できる商品群としていきたいと思います。


Q10 : 電子機器・金属事業の売上高は対前年同期で増収となっています。また、この中で、半導体売上高も、対前年同期で、それほど大きな減収とはなっていませんが、営業利益が8億円も減っています。この背景を説明してください。

A10 : 主力の携帯電話用音源LSIは、モデルミックスにより平均単価が前年同期並みに維持できたため、半導体全体の売上高はそれほど減っていませんが、同一モデルでの売上総利益率が下がってきています。