決算説明会Q&A

Q1 : 電子機器・金属事業の説明の中で、次期モデル用アミューズメント画像LSIの出荷開始とありますが、これも含めて、半導体事業の動向について説明してください。

A1 : 主力の携帯電話用音源LSIは数量減少と平均単価の低下で売上高が減少しています。そのため、従来の携帯電話の着信音発音機能に加え、着うた機能やデジタルアンプを混載したLSIへシフトしています。また、アミューズメント用半導体分野では、音源LSI以外に、期待していた画像用LSIが、顧客の機種(パチンコ台等)発売が遅れたことにより、前期では売上寄与しませんでしたが、当期からは本格出荷となり売上上乗せができると考えています。今後については、これらの既存の半導体以外のアプリケーションとして、シリコンマイク、メディアプロセッサー、ブルートゥース対応の通信LSIといった分野に力を入れていきたいと考えています。更に、車載LSIについてもニーズの高まりに合わせて、より見易い画像LSIを開発していきたいと考えています。


Q2 : 画像用LSIとは携帯電話向けですか?

A2 : アミューズメント用です。具体的には、パチンコ台、パチスロ機向けです。


Q3 : 車載用画像LSIにおける画像の見易さとは、カーナビ用途を指しているのでしょうか?

A3 : カーナビに組み込まれるバックビューモニターでの描画機能や、トンネル内での視認性を向上するなど、安全運転に繋がるデバイスを検討しています。また、カーナビとカーオーディオの一体化に必要な機能を持つデバイスの提案も考えています。


Q4 : 楽器事業の構造改革が遅れていることについて、具体的な対策の効果が出ていないからなのか、あるいは適切な対策を実施していないのか、対策がわからないのか、どういうことでしょうか?この2年間を振り返って、評価をお聞かせください。

A4 : コストダウン施策については減産影響もあり、目に見える充分な成果には繋がりませんでした。また、国内でのピアノ工場の統合を先ごろ発表しましたが、統合効果が表れるにはやや時間がかかります。海外工場の統合についても、今後、意思決定のスピードを上げていきたいと考えています。


Q5 : 07/3期第1四半期の半導体の状況は06/3期第4四半期と比較して、どうなっていますか?

A5 : ほぼ、前期第4四半期並みの水準で推移しています。携帯電話用のLSIでは、徐々にではありますが、付加価値の高いLSIにシフトしている状況です。


Q6 : 在庫管理がうまくいかなかったのは、システムの問題なのか、システムの運用の問題なのか、そのあたりを聞かせてください。

A6 : システムは機能し始めています。システムを使う人による運用面の問題が大きかったと捉えています。


Q7 : 07/3期の楽器事業の業績ですが、売上高は対前期約100億円増加し、営業利益は50億円の増益となっています。収益改善の内容について、お聞かせください。同様に、AV事業で、売上高がほぼ横ばいで推移しているのに対し、営業利益が減少する理由を教えてください。

A7 : 楽器事業での、対前期104億円の増収は、デジタルピアノ、設備音響機器、業務提携しているNEXO社のスピーカー等で伸ばそうと考えています。この中で、前期に伸び悩んだデジタルピアノにつきましては、新製品の投入で50億円程度の増収を目指します。また、設備音響機器は、前期に続き、当期も北米を中心に伸ばします。加えて、増産効果、販管費の改善を見込んでいます。AV事業については、売上高はほぼ横ばいで推移すると見ていますが、低価格化が進行し、売上総利益率が更に低下する見込みです。コストダウンと販管費の削減等により減益幅を極力縮小させたいと考えています。


Q8 : 中期計画との比較では、楽器事業の為替影響を除いた実質的な売上高の未達額は155億円にのぼっていますが、営業利益の未達額は120億円と、売上高に対し利益の未達額が大きくなっているのは、国内での未達要因が大きいからでしょうか?

A8 : エレクトーンが予想以上に減収となるなど、国内要因が影響していることは間違いありません。加えて、全体的に低価格化が進行する中、コストダウン等の構造改革遅れもあり、売上総利益率が2ポイント強、中期計画を下回っています。そのため、引き続きコストダウンを進めながら、中高級価格帯の拡販に努めたいと考えています。


Q9 : AVの業績が未達になったのは、業界構造そのものの問題とも感じられるのですが、リストラ等を含めた非連続的な対応が必要と考えていますか?それともこれまでの延長線で、収益回復を果たすことができますか?

A9 : 事業再編に関しては、音とネットワークに関する技術の融合を進めるため、サウンドネットワーク事業部を組織化し、新しい会議システムを発表しました。今後、従来のAVから、音、ネットワーク領域に広げた商品の開発をさらに進めて行きたいと考えています。また、従来のAV機器の分野においては、現行商品ラインナップに加えて、団塊世代のニーズに合わせて復権してきているHiFiオーディオやスピーカービジネスにも力を入れていきたいと考えています。


Q10 : ヤマハ発動機の存在が、連結利益、株式時価総額に占める影響が大きくなっていますが、今後の株式保有をどのように考えていますか?

A10 : ヤマハという共通のブランドを持っていて、シナジー効果が出ていると考えています。今後どうするかは、両社で方向性を検討したいと思います。


Q11 : 07/3期の営業利益見通しについて、中期計画の500億円と今回予想の250億円には大きな差があります。もし中期計画の施策がすべて実行されていたら、この計画は達成可能だったのでしょうか?それともそもそも過大な計画だったと考えていますか?

A11 : 当初想定していた環境で、きっちり施策を実行できていれば達成可能な数字だったと考えています。次期中期計画策定においては、再度500億円を目指せるかどうかも含めてしっかり詰めていきたいと思っています。楽器事業と半導体事業の損益計画をどのように組み上げていけるかが主要テーマです。


Q12 : その他事業の増収増益を予想する背景を教えてください。

A12 : 自動車用内装部品では増産が見込まれ、ゴルフクラブは新たな反発規制ルールに適合した新商品が本格出荷となります。損益面では、増収に加えて、歩留改善や製法改革により製造原価低減が進むものと考えています。


Q13 : レクリェーション事業の黒字化の目処が立っていないようですが、この事業の今後の考え方を聞かせてください。

A13 : 05/3期に減損処理をし、減価償却費の引き下げもしましたが、残念ながら業績回復には至っていません。個別施設ごとに今後の抜本的な対策を検討していきます。