オーディオ開発で輝く二刀流――
「音」と「メカ」の知見を活かし
新領域で貢献
黒坂 結実
CCA事業部 商品開発部 音響機構グループ
CAREER
ヤマハと私、キャリアの形
プロフィール
2015年新卒入社。大学、大学院時代は熱流体力学を専攻。熱エネルギーを音響エネルギーに変換する現象の理論解析やシミュレーションに取り組む。入社1年目にAV開発部(当時)に配属され、以来一貫してホームオーディオ製品、主に小型の一体型デスクトップオーディオの音響設計・機構設計を担当。現在は、新たなHiFi製品開発プロジェクトに機構・音響設計リーダーとして参画している。
クリエイター&コンシューマーオーディオ(CCA)事業部 商品開発部 音響機構グループ
主な業務内容:ホームオーディオ製品の音響設計、機構設計
オフィス所在地:浜松本社
私の業務
ホームオーディオ製品の設計
- ホームオーディオ製品の設計:「音響設計」と「機構設計」というふたつの設計業務を担当しています。現在は新たなHiFi音響商品を作るべく、部署横断的なチームでの挑戦を続けています。
- 音響設計:さまざまな測定の結果と自分の耳を頼りに、目指すべき音の実現に向けて製品の音質を調整する仕事です。具体的には製品のスピーカー構成や筐体の容積といった基本仕様の検討、スピーカーユニットの仕様設計、低音を増幅する部品の構造設計、イコライジング、音の広がりに関わる信号処理の調整など。
- 機構設計:製品の構造や加飾部分の設計のこと。必要な部品や基板を製品筐体内にどのようにおさめるか、企画担当やデザイナーとともに決めた外観デザインをいかに実現するか、といったメカニカルな部分全般を担います。
学生時代に学んだことは役立っている?
当時から音響の仕事に就きたくて、少しでも音に関係ある研究室を選んだのですが、大学での研究が直接的に製品開発に生きているかというと…。熱力学、材料力学、流体力学、機械力学といった機械工学の基礎知識の方が現場では役立っているな、というのが実感です。
私の強み
ふたつの違った性質の設計を担当できること
音響設計と機構設計の両方を担当できることです。
ホームオーディオ開発の現場では音響設計担当を「音屋」、機構設計担当を「メカ屋」と言って区別していて、どちらか一方の専門性を磨くことが一般的です。私は新人時代にたまたま音とメカの両方を手掛けられるメンターにお世話になったことで、入社以来一貫して両方の設計に携わってきました。オーディオ作りに不可欠なふたつの異なる知見を持っていることは、開発の効率化につながると実感しています。また、メカの知識は音の設計に生かせる部分もあり、その逆もしかり。相乗効果はあると思います。
オーディオ設計に携わるにあたり、普段から意識していることは?
業務でオーディオショーなどに参加して各社のスピーカーの音を聴き比べたりするほか、プライベートでも積極的にライブの現場に行くようにしています。生の音を聴いて「この低音が響く感じをどう再現しようか」と考えている時間も楽しい。実益を兼ねた趣味になっています。
私の新人時代
“二刀流”に四苦八苦
新卒でAV開発部に配属され、オーディオ開発に携われることが決まった時は「念願がかなった」という思いでした。当時のメンターからふたつの設計に携わっていくことを提案された時は「そういうものなんだ」と受け止めましたが、実際に業務に携わり両立の大変さを知りました。
ふたつの設計に携わるということは、単純にひとつを受け持つ人の倍、動かなければいけません。ひとつひとつの作業にかけられる時間が短いので、思いついたことはすぐに実行して、うまくいかなければ即座に次の手を考える必要があります。
例えば、メカの設計を考える時に「こんな構造がいいかな」と思いついたら間髪入れずに3Dデータに起こしてみる。うまくいきそうなら迷わず3Dプリンターで形にして試す。金属部品や精度が重要なパーツは試作を外注する必要も出てきます。失敗も繰り返しながら身に付けたスピード感や段取り力は、技術的な専門性を支える強みになっています。
この仕事に向いている人は?
「あとちょっと」にしつこくこだわって手を動かし続けられる人。私自身常々難しさを感じているのは、この仕事は“自分が好きな音”を作るものではないということです。組織として目標とする音にたどり着くために、泥臭く何でも試す気力と粘り強さが必要です。
キャリアのポイント
初めて主担当を務めたデスクトップオーディオ開発
2019年ごろから携わったデスクトップオーディオ・TSXシリーズの開発です。音とメカ両方の設計を初めて最初から最後まで本格的に担当した製品でした。
責任ある立場で海外出張に行ったのもこの時が初めて。部品の試作に現地で立ち合い、色味や塗装の状態を直接確認してきました。
メカ設計の責任者として現地に赴く場合、不測の事態が発生したら一人で解決して帰ってこなければなりません。基本的なやりとりは英語。大変なことは間違いないですが、サプライヤーの現場を見て、当事者として話を聞く機会は大変貴重な勉強の機会になります。それまでに何度も海外に出張する機会はありましたが、本当の意味でその貴重さを体感できたのはこの仕事が初めてでした。
ECサイトの口コミに高評価が並んだ時の喜びは忘れられません。音質についてはもちろん、苦労して実現したデザインに対する良い口コミもあって、本当にうれしかった。それら全てに心から喜べるのは音とメカ両方を担当したからこそ。ふたつの設計に携わる醍醐味を味わいました。
あなたの仕事の社会価値は?
音とメカのクオリティを追求し続けることで、より多くの人々に音楽のたのしさを知ってもらうこと。音響設計と機構設計の両方にこだわれる今の立場を最大限生かして、多くの人々が音楽を好きになるきっかけとなるようなホームオーディオ開発に貢献していきたいです。
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