2022年3月期第2四半期 決算説明会 質疑応答

Q1:半導体調達難の状況について、もう少し詳しく説明してください。

半導体は、第2四半期を底に供給状況が改善するとみていましたが、調達難が続くことが分かってきました。供給が回復してきている部品と、回復が見通せない部品に二極化しており、調達難が続く部品に音源LSIが含まれています。


Q2:部材コスト、海上運賃の上昇が、上期と下期で損益にどう影響しているのか教えてください。

上期にもコストアップはありましたが、販管費減、増収益、為替影響でオフセットしていました。一方、物流費、材料費の高騰が想定より長く続いており、下期は影響が拡大する見込みです。


Q3:コスト上昇への対策として、下期の価格適正化の考え方を教えてください。

今まで以上に価格の適正化を進めようとしていますが、販売店様への周知期間もあり、時間のズレから下期に効果がフルには出ないとみています。


Q4:コロナ禍によるマレーシア工場の稼働への影響を教えてください。

第1四半期にかなりの影響を受け、稼働は2/3程度に低下し、第2四半期も7割程度という状況でした。10月からようやく正常化しつつあり、現在は9割を超えた稼働に戻っています。一方で、稼働は回復していますが、半導体調達難のため、それ以上の生産を見通せない状況です。


Q5:サプライチェーンに関する課題をどのように捉えているか教えてください。

これまで専用部品で競争力を担保していましたが、汎用部品との組み合わせを考えていくなどの取り組みを進めていきます。また、従来の効率優先から、キーパーツは積極的に在庫を積み増すなど、メリハリをつけた部品の持ち方や、工場のあり方についても複層化するなど、レジリエンスを高めていく必要があると考えています。


Q6:売上収益で100億円の下方修正に対し、減収減産による減益が73億円と大きいのはなぜでしょうか。

為替影響でオフセットされている部分があり、実質の減収はもう少し大きく、その分が損益に影響しています。


Q7:9月末の注残の状況を教えてください。

通常の受注残に追加で積み上がっている注残は、6月末の約310億円から80億円ほど増え、約390億円となっています。増えているのは、デジタルピアノ、ピアノ、AV機器などです。


Q8:上期は計画を上回ったと思いますが、なぜ年間計画を下方修正されたのか教えてください。

第2四半期から半導体調達難の影響は出始めていますが、第1四半期の増収などにより相殺され、上半期累計では比較的好調な結果となりました。一方、第3四半期の半導体調達難による生産減が第4四半期の売上に影響することから、プラス・マイナス両方の要素を勘案して数字を組み立て直しました。


Q9:第2四半期以降、マイナス影響の出方が急な印象ですが、8月時点で影響は想定されていなかったのでしょうか。

生産量は把握していたので、第2四半期の売上については想定の範囲内です。一方で、物流コストなどの増加については、想定以上で推移しました。材料調達についても、第3四半期にはもう少し回復すると想定していましたが、むしろ悪化した形で今回の見直しに繋がっています。


Q10:現時点で、半導体調達難の解消、物流費が低下してくる時期をどうみていますか。

半導体調達難は、少なくとも今期中の回復は難しいとみています。調達が難しいものに関しては設計変更し、供給が回復しつつあるものに切り替えるなどの対応をとっており、来期以降、さらに状況が悪化することはないと考えています。物流費は、今の高騰が続くとは考えていませんが、以前は構造的な問題でかなり安価に推移していたとみており、以前の水準に戻ることはないと考えています。


Q11:楽器について、商品ごとに今後の需要の見方を教えてください。

ピアノは、中国の需要が堅調に推移していて、まだ成長できるとみています。電子楽器は、強い需要が続いていて、供給さえ回復すれば対前年プラスになっていくとみています。管弦打楽器は、日本で学校の吹奏楽活動がまだ回復していませんが、欧米では順調に回復してきており、感染症の収束に伴って需要も回復してくるとみています。ギターは、巣籠需要に加え、様々なシェア拡大の取り組みが成果を挙げており、今後も成長を継続できると考えています。


Q12:半導体調達難は業界全体に影響があると思いますが、電子楽器のシェアをどう見ていますか。またアコースティック楽器は、半導体の影響を受けないと思いますが、ピアノの競合状況をどう分析されているか教えてください。

半導体調達難は、汎用半導体に加え、当社独自の音源LSIの調達にも影響があり、電子楽器は、第2四半期はシェアを一定程度落としたという認識ですが、供給が回復すればシェアを回復できるとみています。ピアノは、半導体を使用している自動演奏ピアノに若干影響がありますが、生産をアコースティックピアノに振り替えており、シェアは維持しているとみています。