2022年3月期第1四半期 決算説明会 質疑応答

Q1:第1四半期実績についてセグメント毎の状況と、通期の見通しを教えてください。

第1四半期は、供給不足によるAV機器不振の影響で音響機器事業が若干弱含みましたが、楽器事業は回復基調にあります。部品・装置その他の事業も、堅調な需要に支えられ伸長しました。通期については、COVID-19感染再拡大による工場の操業への影響、半導体を中心とする部材の調達難、コンテナ不足という3つの要素が非常に不透明であるため、見込みを据え置きとさせていただきました。


Q2:工場の稼働について、第1四半期の状況と、足元の状況変化があれば教えてください。

日本・中国・インドは通常稼働しています。一方、マレーシアでは感染再拡大による政府規制で出社率を80%に抑えています。インドネシアは出社率50%の二直体制で、理論的には100%ですが、7月以降、政府の規制が強まり、今後、稼働が落ちる可能性もあります。また仮に生産ができてもコンテナ不足で出荷ができないなど、先の3つの要素が関連していて不透明な状況です。


Q3:半導体不足について、第1四半期の影響額と、今後の見通しを教えてください。

第1四半期の売上影響額は▲50億円ほどとみていましたが、▲15億円程度に留まりました。通期では影響を抑えるため様々な努力をしている一方、新たな供給不足が発生しており、状況が流動的で明確には申し上げられませんが、5月時点で100億円弱と見ていた影響が倍ぐらいになりそうだというのが現在の見立てです。半導体全般にわたり調達が難しくなっていて、電気系の製品全てに影響が出てくるとみています。


Q4:前回、物流費増20億円、部材コスト上昇10億円とお聞きしましたが、それぞれアップデートがあればお願いいたします。

不透明ですが、あえてお答えすると、それぞれ倍ぐらいの水準になるかと考えています。


Q5:コスト上昇をふまえ、価格適正化の取り組みについて、現状の考え方を教えてください。

市場や製品によって、競合状況など様々な条件を慎重に勘案しながら価格適正化を行っていますが、コスト上昇分はできるだけ反映していきたいと考えています。また供給がタイトな状況なので、ディスカウントによる無理な販売はせず収益性を高める努力をしています。


Q6:コロナが広がった前期から回復局面にある今期にかけて、楽器・音響機器のモデルミックスの変化を教えてください。

ロックダウンの期間中はECが好調で、販売が普及価格帯に傾いていました。今は店舗も開き、本来のモデルミックスに戻ってきていると認識しています。回復が遅れていた管楽器、PA機器も徐々に回復の傾向にあります。


Q7:注残の状況をアップデートしてください。

前期末に通常の受注残に追加で260億円ほど注残がありましたが、6月末時点で更に50億円ほど増加している状況です。中身は引き続き電子楽器、ピアノ、ギターが多く、供給不足のAV機器、市況が回復してきた管楽器・PA機器でも若干増えています。


Q8:楽器の需要変化について教えてください。

電子楽器やギターは旺盛なステイホーム需要が続いていて、今後、幾分かの鈍化は想定されるものの、将来にわたり一定の需要が継続するとみています。ピアノは回復が早く、中国やその他の新興国でも需要が強いです。管楽器は、特に日本で吹奏楽活動が十分回復していませんが、アメリカでは学校が徐々に再開しており、回復基調にあります。


Q9:第1四半期の市場シェアについて教えてください。

半導体不足は他社も同様だと思いますので、更にシェアが落ちているとは認識していません。


Q10:コロナ禍で自社のECサイトに力を入れる会社が増えている中、自社オンライン販売サイトを立ち上げないのでしょうか。

すでに販売網の確立した国、地域での自社ECには慎重な検討が必要です。一方、販売網が未確立のインドなどでは、自社サイトを立ち上げて販売に注力しています。


Q11:中国で学習塾に対する規制の報道がありましたが、貴社の音楽教室事業に何か影響は出ていますか。

今のところ影響は出ていません。今後については不透明で申し上げられることはございません。


Q12:ICT機器の今後の見通しについて教えてください。

足元の需要は好調ですが、半導体不足の影響で少しスローダウンするとみています。


Q13:堅調な部品・装置、その他の事業に関して、今後の見通しを教えてください。

この分野でも半導体の調達が難しくなってきており、今後の売上に影響が出るものとみています。半導体を使わない自動車用内装部品も、自動車メーカーの生産調整が入っており、今後、影響が出てくるとみています。


Q14:ヤマハブランドオーディオについてアップデートがあれば教えてください。

半導体不足の影響が出てきていますが、顧客、搭載車種の拡大が順調に進んでいます。


Q15:第1四半期の販管費はコロナ前と比較してどのような費用が削減できているのでしょうか。

人件費、旅費交通費、修繕費等々すべての科目において以前より圧縮されています。