2021年3月期第3四半期 決算説明会 質疑応答

Q1:インドネシアの工場稼働状況をアップデートしてください。

第3四半期に90%を超える程度まで回復し、第4四半期もほぼ同程度の見通しです。


Q2:部品サプライヤー工場火災の影響について、現状と今後の見通しを教えてください。

設計変更を迅速に進めたこと等で状況が改善し、今期の影響額は40億円、来期は50億円の見通しとなりました。今期の商品別内訳は、楽器が電子ピアノを中心に30億円、音響機器が10億円です。来期は音響機器中心に影響が残る見通しです。


Q3:特定サプライヤー以外での半導体や電子部品不足の影響は出ていないのでしょうか。

今期の売上に関しては大きな影響はありません。来期は今後の半導体供給状況によって影響が出る可能性もありますが、現時点では不透明です。


Q4:昨今のコンテナ不足や海運需給のひっ迫などによる運輸コストへの影響を教えてください。

今期は大きな影響は出ませんが、来期は物流コストが上昇すると捉えています。


Q5:注残の状況、その要因、解消の見通しを教えてください。

注残は、第3四半期末で通常の受注残に追加で280億円にまで積みあがっています。コロナ禍によるインドネシア工場等の稼働低下及びコンテナ不足を含む物流の混乱が主因です。問題は改善の方向に向かっており、第4四半期に100億円ほど減り、来期第1四半期もしくは上期中には解消できると考えています。


Q6:楽器は供給不足で市場シェアが下がっているのではないでしょうか?その場合、回復に向けた取り組みについて教えてください。

ギターや低価格のデジタルピアノなど、競合が激しい分野では供給不足からシェアが下がっていると認識しています。供給が回復する中で、もう一度シェアを奪還していきます。


Q7:コロナによる需要変化とそれに対する対応について、中期的な考え方を教えてください。

ステイホーム需要を確実に捉え、顧客と長く繋がるためにハードの販売に加えレッスン等を含めたソフト面にも注力していきます。また、現中計において、デジタル化がもたらす大変革、ライフスタイル・価値観の多様化によってより精神的な満足や本質が求められる時代になっていくと予測していますが、コロナ禍でそうした変化が加速しており、中期的にafterコロナは事業拡大のチャンスが十分あると考えています。


Q8:好調な部品・装置、その他のセグメントについてコメントをお願いします。

電子部品は、自動車メーカー向けブランドオーディオなどの商材も出荷開始され、新たな需要を作る時期だと考えています。一方、北米向けの自動車用内装部品や設備投資の活発化でFA機器の受注が好調です。


Q9:上方修正の背景を補足説明してください。

売上が想定を上回っている、粗利が改善している、販管費の削減が進んでいるという3つの要素の組み合わせによるものです。


Q10:第3四半期の価格の状況、来期に向けての価格適正化について教えてください。

供給がタイトな状況ですので、ディスカウントは極力抑制し、継続して価格適正化にも取り組んでいます。例えば11月1日から中国でピアノを一斉値上げしました。各製品カテゴリー、各地域でそうした取り組みを行っており、粗利率は上昇してきています。価格適正化は大方針として将来に向けてもしっかり行っていきたいと考えています。


Q11:コロナ影響が正常化していく来期以降も販管費の削減効果は続くのでしょうか?

以前はなかなか進まなかった経費の見直しが、コロナ禍で一気に進捗しました。これを機に顧客価値向上への経費シフトを進め、将来の成長につながる経費はしっかり使い、それ以外のオペレーション経費は削減するというメリハリをつけていきます。全体的にはできるだけ膨張させないようにしていきたいと考えています。


Q12:21年3月期のコストダウンは過去に比べて小さいと思いますが、今後、過去のような水準に戻るのか教えてください。

コストダウンの内訳は、調達コストダウン、工場の生産性向上、定年退職等の減耗不補充の3つが大きな要素ですが、今期は供給を第一に考え、工場の生産性向上が出来ていません。正常化後は、改めて3要素でしっかりとコストダウンに取り組んでいきます。