2020年3月期第3四半期 決算説明会 質疑応答

Q1:3Qの楽器の事業利益が2Qと比較し収益性が下がった要因を教えてください。

国内の増税影響による売上減、特に高価格帯のピアノ、管楽器の売上減が大きく影響しました。
その他、米国において9月米中制裁関税発動による販売価格改定により一部の商品が売上減、その後価格調整を行い影響が及びました。また、国内の音楽ソフトの旧在庫廃却処分(▲2億円)といった特殊要因も加わりました。


Q2:通期事業利益予想に関し、前回予想から下方修正した要因について教えてください。

3Qまでの業績進捗に加え、4Qでの新型肺炎影響を織り込みました。説明会資料の7ページのグラフに示しました通り「減収モデルミックス等」の▲49億円が大きく影響しました。楽器で▲23億円、音響機器で▲26億円という内訳です。
また、新型肺炎の影響として、▲49億円のうちの▲10億円を織り込んでおります。


Q3:新型肺炎の影響を教えてください。

生産拠点の稼働開始を春節後2週間延期(2月17日より稼働)を想定、営業拠点は、春節後1週間の延期としていますが、営業活動の本格化には時間がかかると思うので、約2週間分の売上減という想定をしています。
生産の稼働停止が2週間程度であれば、中国以外の市場の販売には影響がないと考えています。
状況は流動的ですが、2週間稼働停止の前提で見込まれる影響額は、売上▲20億円、事業利益▲10億円を想定しています。ただ、今後の状況によっては更に拡大する可能性があります。


Q4:中国市場の3Qの販売状況と4Qの見通しを教えてください。

2Q時点で、内陸部の4級5級の都市に販売網を拡大していることに加えて、沿岸部も少し戻ってきたというお話をしましたが、3Qは同じ状況が継続し、楽器は2桁成長が続いています。
4Qについては、新型肺炎の影響として売上▲20億円を織り込み、ほぼ前年同期並みの売上を想定しています。


Q5:1Q時に中国でeコマース中心に安価で粗悪な電子ピアノが出回り、販売に影響したということでしたが、直近の状況を教えてください。

1Q時と違って、現在はローエンド商品の訴求強化やWEBサイトなどでの対策をとっているので、1Q時ほどの大きな影響は出ていません。まだ市場に存在し影響がありますが、品質的には低いレベルの商品なので、時間と共に淘汰されていくのではないかとみています。


Q6:グローバル生産における中国生産の占める割合、及び中国生産の中国国内向けと輸出の比率はどれくらいでしょうか。

全世界生産のうち中国の占めるウェイトは約3割です。中国生産品の中国国内と輸出の割合はおおよそ半々です。


Q7:AVレシーバーの市場縮小が進んでいるということですが、AV機器の3Q状況と4Qの見通しについて教えてください。

AVの楽しみ方が変化し、レシーバー需要が他の商品領域にシフトするスピードが想定以上だったため、AV機器の3Q売上は大きく前年を下回りました。
4Qは、サウンドバー新商品の本格出荷、国内で市場導入を開始したイヤホンの新商品ラインアップ追加、アメリカの大型量販店への出荷が進むことなどを織り込んで、ある程度の売上回復を見込んでいます。

中計でもお示ししたように、レシーバー市場の縮小を前提に、サウンドバー、ワイヤレススピーカー、イヤホン・ヘッドホンなどのパーソナルオーディオ領域での成長に向かって、ポートフォリオ転換を図っています。国内では、イヤホン新商品の販売がスタートし、非常に好評をいただいていますので、今後はイヤホンを含む新商品投入、グローバル展開を加速する予定です。


Q8:日本市場の消費税増税の影響について教えてください。

増税前の駆け込み需要は約11億円だったので、その分の反動は想定していましたが、実際には増税後想定以上に需要ダウンがあり、さらに10億円くらいの下振れ影響があったと考えています。


Q9:その他の事業について教えてください。

その他の事業の中のFA機器の市況が回復せず、厳しい状況が続いています。フレキシブル基盤の検査機の需要が戻ってきていないことが主要因です。また、自動車用内装部品は、当社の部品が採用されている自動車の販売動向もあり、若干回復が遅れています。


Q10:インド新工場の現在の状況について教えてください。

ポータブルキーボードに関しては、順調に生産が立ち上がり、昨年の春から出荷をスタートしました。ギターは、木材調達の関係で少し遅れましたが、11月から生産を開始し、概ね順調に進んでいます。


Q11:楽器の新興国市場の状況を説明してください。

入札で好調なロシアが大きく伸長しており、ブラジルも比較的堅調に進捗しています。インドは、マクロ経済の影響を受け若干減速して期待値には届いていませんが、2桁成長を予想しています。
厳しいのは韓国、オーストラリア、中東です。日韓関係、豪ドル安、イラン向け出荷停止などが影響しています。


Q12:影響の大きかった主な通貨別に為替の影響額を教えてください。

3Q累計で事業利益影響▲52億の内訳は、影響が大きい順にユーロが▲32億、中国元▲8億、米ドル、豪ドル、韓国ウォンそれぞれ▲3億、残りがそれ以外の通貨です。