2020年3月期第1四半期 決算説明会 質疑応答

Q1:Q1における事業利益増減要因は、会社の想定に対しどうだったのか教えてください。

為替影響が想定以上に悪化したこと、音響機器の売上未達による収益進捗遅れ、販管費が先行して発生していること、部品・装置事業が若干下回ったことにより、想定より若干下振れしました。


Q2:年間の事業利益増減要因の予想(決算説明会資料P7)について、部品・装置事業、及び、楽器、音響機器事業の「増収モデルミックス等」を中心に変動があれば教えてください。

基本的には大きくは変わらない見通しです。Q1で部品・装置事業の事業利益が対前年マイナスとなっている要因は、FA機器の下振れです。FA機器は前年上期に特需があり、前年に対し大きく下げ減収しました。通期見通しは、下期でのFA機器の出荷回復、電子デバイスの新カテゴリーも出荷し始めるため、従来予想は達成できると考えています。

また、Q1で楽器、音響機器事業は増収要素がないにもかかわらず、ミックス改善と価格適正化により「モデルミックス等」で+12億円出ており、力強さを感じています。これが継続して出てくることに加えて、Q2以降での増収効果(通期で楽器対前年103%、音響機器対前年105%)が加わり、「増収・モデルミックス等」で64億円増益の前回予想通りです。


Q3:調達コストダウンのQ1進捗及び見通しについて教えてください。

Q1では想定通り成果が出てきています。通期の見通しも、前回予想通りです。


Q4:北米Q1の売上が前年を下回った理由とQ2以降の見通しについて教えてください。

楽器は対前年112%と好調だった前年には届いていませんが、市況は悪くありません。一部で期ずれがありました。内容としては、ピアノは市況が堅調なため、前年Q4への前倒し出荷による在庫不足が要因となり未達となりました。増産対応によりQ2以降でキャッチアップしていく計画です。管楽器は、中高級品を中心にディーラーの在庫が重くセルインがスローでしたが、足元で在庫が適正化しており、Q2以降でキャッチアップしていきます。

音響機器については、AV機器で、会員制倉庫型大手量販店の出荷が、想定していたQ1からQ2へ期ずれしましたが、既に受注済みのため通期での見通しに変更はありあせん。PA機器は新商品導入がQ2へ遅れたことにより未達でした。


Q5:楽器事業における価格の適正化の進捗について教えてください。

価格の適正化は市場毎に詳細に検証、実施しています。新商品においても高付加価値化により実施しています。事業利益増減要因の「モデルミックス等」にその効果が含まれています。


Q6:中国のピアノの状況について教えてください。

大都市中心に高価格帯が減速しています。一方で、教育需要に根ざしていることや、内陸部の4級・5級都市への市場拡大が奏功し、アップライトピアノは対前年112%増、ピアノ全体では109%をキープしており悪い状況ではありません。


Q7:ピアノ、電子楽器始め楽器全体の競争環境がどのように変わっているのか教えてください。

ピアノは、多くのピアノメーカーが淘汰され上位数社にシェアが集まってきているトレンドに変わりはありません。また、電子楽器は対前年105%と若干鈍っています。電子ピアノ市場が急激に大きくなっている中、楽器メーカーではない業者がEC販路で低価格で、品質も粗悪な商品を出してきています。直近では販売に影響を受けているものの、プライス、品質からしても全く異なるカテゴリーであり、短期的な影響であるとみています。その他の楽器市場では大きな変化はありません。


Q8:米国の対中関税第4弾に伴う影響について教えてください。

9月1日から第4弾が発効されれば、今期は関税コスト増として約5億円の影響が見込まれ、年間換算では十数億円の影響が及ぶと想定されます。従来の計画に織り込まれていませんが、これがそのまま損益に影響することはなく、価格転嫁、生産地の見直し等の対策を行っていきます。


Q9:管楽器が前年比93%と減収ですが、事業環境については想定していたことでしょうか。

北米、日本でのスローダウンは想定以上となりました。
北米は前期Q4の積極的な出荷影響で大手ディーラーの在庫が重くセルインが進みませんでした。ディーラー在庫は既に適正化しており、Q2以降キャッチアップしていく予定です。国内は、働き方改革等により中高学校の吹奏楽の活動時間が抑制傾向にあり、学校備品の購入や生徒個人の購入が低調です。加えてインバウンドの需要減も影響しており、今後とも注視していきます。


Q10:音響機器の売上前年比ダウンはICT機器の在庫調整との説明ですが、これは想定していたのでしょうか。また、音響機器全体の見通しを教えてください。

国内のICT機器は主にルーター関連商品ですが、市場での在庫調整によるセルインのダウンは想定していました。Q2以降での挽回は、通期見通し通りです。音響機器全体では、Q1はAV機器の北米での期ずれやPA機器の新商品導入遅れがあり、進捗が遅れていますが、Q2以降ずれた部分含め全体で増収を見込んでおり、通期見通しは据え置いています。


Q11:Q1の為替影響△11億円のうち、未実現利益の影響と通貨別内訳を教えてください。

今期より在庫未実現利益の計算方法を変更したため、未実現利益の為替影響はありません。なお、マイナス11億円の内訳は、ユーロで△7億円、人民元△3億円です。


Q12:通期為替見通しを据え置いていますが、円高が進んでいくと想定される中、どのような対策を考えているのでしょうか。

ユーロは125円で見込んでおり、Q2は123.5円で予約済、Q3以降はまだ予約していません。現在の為替状況が続けば、マイナス10億円近いインパクトが出てくる可能性があります。増収を進めること、価格の適正化を進めること、販管費のコントロールを行うことなどを通じて、通期550億円の目標を目指します。