新中期経営計画説明会 質疑応答

Q1:中期経営計画のタイトルにあるMake Waves 1.0に込められた意味について教えてください。

お客様の心を震わす瞬間を後押ししたいというブランドプロミスとして、"Make Waves"を制定いたしました。ヤマハのブランドを想起した場合、何かおもしろい会社、長く付き合っていきたい会社だとお客様に思っていただきたい。新しい中期経営計画(以下、新中計)でこのブランドプロミスを実践していくためこのタイトルにしました。1.0は最初のステージを示します。


Q2:マクロの環境見通しについての中田社長のお考えをお聞かせください。

足下の状況を予想することは難しいです。様々な事が起こっているが、比較的堅調に業績は推移してきました。しかし、遅れて影響を受けることもあるため、今後とも緊張を緩めず計画を進めていきたいと考えています。


Q3:全社の売上伸長が前回中計見込みと比べても高い計画である背景を教えてください。

楽器は、中国が減速するが引き続き高い水準を維持、欧州は復調、新興国の伸びは売上比重が高くなり全社へ貢献する考えです。
音響機器については、今後の新商品効果による増収、楽器周辺音響機器の復調が牽引していきます。


Q4:中国の成長鈍化についてお考えをお聞かせください。

前回の中計でも25%増収を計画していたが、それ以上に業績が進捗しました。マクロ環境・景況感から前中計並の計画としています。


Q5:欧州の復調は、どのような施策が背景にあるのでしょうか。

前中計の取引条件見直しが直近の第4四半期で落ち着き始めています。今までの施策が次第に実を結びつつあると認識しています。


Q6:インド含めた新興国での今後の成長牽引商品、マーケティング施策について教えてください。

現地モデル主体としたポータブルキーボードを中心に電子楽器は成長、市場が伸長しているギター市場で需要取込みが成長を牽引していきます。マーケティングは、デジタルマーケティングを上手く活用していきたいと考えています。


Q7:ギター売上45億円増は市場規模、潜在性から保守的にも見えるが、今後の施策、収益性について教えてください。

中国ではブランディングが成果を上げ、また、主戦場の米国では、ギター子会社が始動し、大手ディーラーとの協業も進んでいます。今後の課題は、価格帯の一段アップにあり、そのためにブランディング投資が必要と考えています。収益性は、他の楽器同様に限界利益が高く売上成長に伴い上昇していきます。


Q8:AV機器は市場変化の中、今後どのような事業の見通しでしょうか。

AV機器事業は、ポートフォリオの転換、ブランド訴求強化を中心に進めます。AV機器市場の変化は新たなチャンスであり、コネクティッド・オーディオへの転換を進めています。欧州ではブランディング強化を伴う露出拡充により、AV事業は堅調に進捗していく考えです。


Q9:3年後の事業利益率13.8%は、事業利益率20%を目標とする中、過去の進捗スピードから減速感があるが、その理由を教えてください。

収益改善は前回の中計同様に進みます。事業利益率20%の長期的目標の下、次の成長、ステップアップのため、新中計では戦略的に経費を投入します。概すれば、新中計で収益率は3pt改善するが1ptは戦略経費の支出、結果、事業利益は2pt程度増加ということです。


Q10:今後の価格適正化施策についての考え方を教えてください。

いずれの価格モデルにおいても、価値に応じた価格づけを基本とします。お客様の満足度は機能だけでなく情緒的な部分も多く、その部分の具現化も含め施策に反映していきたいと考えています。


Q11:IFRS導入後、事業利益の中味、損益計算書において示される順番を教えてください。

日本基準では営業外損益にあった売上割引が売上、粗利から控除されます。開示は、売上高、売上総利益、販売管理費、事業利益、特別損益、営業利益の順番となります。


Q12:在庫改善等B/Sに関連する対応策を教えてください。

在庫は経営課題と認識しています。今期も第4四半期に一部減産が入っていますが、在庫管理精度の向上により四半期バランスを改善し、通期利益の更なる押上げを図りたいと考えています。新しいSCMシステムの構築を計画中です。


Q13:戦略投資の中味、生産能力拡大投資も含めて対象を教えてください。

投資分野については、明確に決めてないが、成長に資する部分であれば投資対象となります。音響機器関連が主要対象になる可能性が高いが、その他も考慮対象です。生産能力拡大について、売上進捗の状況に応じ、順を追って生産を徐々に拡大する形となります。