2018年3月期第2四半期 決算説明会 質疑応答

Q1:欧米での楽器減速要因についてご説明下さい。

北米では、主に電子楽器の売上が想定を下回りました。ディーラーでの一層の在庫調整が進んだことと、ポータブルキーボードはマス向けの一部失注も影響しました。
欧州は、8月より販売店との取引条件を見直しましたが、特約店への浸透に時間がかかっており様子見が発生し、セルインに影響が出ました。(Q6参照)
欧・米市場共に小売店でのセルアウトは順調なため、流通在庫は減少しています。


Q2:中国の会計リベート関連の一時的費用とは何でしょうか。

中国での販売店向けリベートは、支出時に計上していましたが、将来IFRSへの移行もあり、発生主義基準に変更した関連で移行期に一時的に経費が発生しました。この経費は、今期Q2のみに発生し、今後は発生しません。


Q3:楽器の競合他社の動きはどのような状況でしょうか。

それぞれの楽器カテゴリーで競合先が異なり、それぞれ説明が異なりますが、概ね大きな変化はないと認識しています。主な競合状況では、ピアノは中国市場で大手中国ピアノメーカーが高い成長を継続していますが、ヤマハはそれ以上に成長をしていますのでシェアは若干増加しています。電子ピアノの主要な競合先は、日本メーカーになりますが、大きな競合関係に変化はないと見ています。管楽器もトランペット、アルトサックス、テナーサックスで最高級の商品を出し続け、競争力を高めていっていると認識しています。


Q4:下期において、今後期待の新商品の導入スケジュールはどうでしょうか。

上期市場導入に多少の遅れが出ましたが、今のところ、下期に計画している新商品導入スケジュールは既に生産も始まっており遅れは出ないと認識しています。


Q5:通期見込みで営業利益に関する為替影響30億円の詳細について説明して下さい。

上期の為替影響は▲13億円。通期予想が30億円なので、下期で43億円のプラスを見込んでいることになります。買取りに関しては、一番影響の大きいユーロが上期122円だったのに対し、Q3 130円、Q4 132円で予約できています。また、在庫未実現利益消去に関わる為替影響が上期▲23億円だったものが、通期では、ほぼなくなります。これは、上期は、前期円高方向に振れたものが今期は円安に進んだ為に対前年で大きくマイナスとなりました。下期は、前期円安方向に振れたものが今期は、ほぼフラットで見ている為に、このような影響となります。


Q6:欧州での取引条件変更は、販売店から条件悪化と受け止められ、今後3Qまで混乱は続くことにはならないでしょうか。また、内容についても教えて下さい。

取引条件の変更は、ヤマハと販売店で「Win-Win」の関係を想定しており、販売奨励金を量から質へと転換を図る目的となっています。商品展示の奨励、顧客に価値訴求ができているか、どのように商品を売るのかといった基準で相互に付加価値を高める内容となっている為、販売店へは実務的なことも含め理解が進んでいきます。


Q7:北米での流通構造変化、Eコマースへのシフトが電子ピアノの流通在庫の高さへ影響しているのではないでしょうか。

北米では、ピアノ店をはじめとしたインディペンデント系販売店、ナショナル・楽器チェーンストア、Eコマースといった大きく3つの販売網のカテゴリーがありますが、現在過渡期でもあり、今後どのようなポートフォリオを構築していくか、販売網の構造改革を伴う戦略の展開が必要になります。


Q8:上期の実績を見ると、今まで順調に来ていただけに会社のオペレーションに緩みが出たのではないでしょうか。

7~8月は順調に推移していましたが、9月に大きく欧米の売上が落ち込みました。また、一時的な経費の発生もあり前回見込みに対し減収減益となりました。一時的な要因が重なったとは言え、予兆を察知していれば、対策が打てていたかもしれません。昨日、全社の部門長を集め、その確認をしたところです。


Q9:新商品の電子ピアノCSPは既存の電子ピアノ需要を奪うことにならないでしょうか。

CSPは電子ピアノ・クラビノーバシリーズの新しいコンセプト商品として新たな顧客を取り込む追加的な位置づけで、また買い上がりも期待できます。


Q10:今後の生産能力についての見通しはどうでしょうか。

来期以降でインドネシア、インドでの工場稼動は、低価格帯商品の生産能力アップに寄与してきます。成長著しい中国、新興国の需要増にも対応できます。


Q11:通期予想の据え置きは、販管費にバッファーをもっているでしょうか。

前期比で51億円増という戦略的な経費を含む販売管理費増を計画しており、現在までの進捗では若干の遅れもあり使い切れない可能性もあります。


Q12:中国・新興国市場の見通しについてはどうでしょうか。

中国はQ2まで二桁成長が継続しており下期も好調が続く見込みです。新興国は昨年の停滞から約半分の市場で前年比2桁以上の成長と回復基調にあり、堅調さが継続する見込みです。