2017年3月期 第1四半期 決算説明会 質疑応答

Q1 : 1Q業績が想定より大きく上振れていますが、一過性の要因はありますか?

A1 : 一過性の特別な要因はありません。
各市場での販売が好調に推移したことが最大の要因です。


Q2 : 1Q売上げが非常に好調で、2Q以降もこの傾向は継続するという説明でしたが、現地通貨ベースの前年比を見ると、1Qに比べて2Q以降は若干弱めの見通しだと思います。
1Qに比べて販売が鈍化する兆しがあるのでしょうか?

A2 : 1Qにディーラーへの出荷が進んだこともあり、ディーラーの仕入れが多少スローダウンすることを織り込んだ見通しとなっていますが、2Q以降も販売自体の好調は継続すると考えています。


Q3 : 1Qの販売が好調だった要因について教えてください。

A3 :
■北米、欧州、中国の市況が堅調に推移していること
■当社商品が評価されていること
■特に欧州では、販売施策が奏効しシェアを伸ばしていることやこれまで停滞していた南欧の市況が回復してきたこと
などが主な要因だと考えています。


Q4 : 為替レートをUSドル105円、ユーロ115円へ変更とありますが、これは通期のレートと考えてよいのでしょうか?

A4 :
1Q実績: USドル111円 ユーロ126円
2~4Q見込: USドル105円 ユーロ115円
(但し、2Qユーロは121円で予約済みであり、業績予想に反映しています)
通期見込: USドル106円 ユーロ120円
という想定をしております。


Q5 : USドル、ユーロ以外の現地通貨為替レートの影響について教えてください。

A5 : 販売子会社では、現地通貨による売上利益を円換算するため、円高基調ではマイナス影響があります。
製造子会社では、USドルで輸出することになりますので、対USドルで現地通貨安の場合にプラス影響になります。
通期(対前年)では、中国の製造子会社はプラス影響(+6億円)、インドネシアの製造子会社はマイナス影響(▲4億円)という想定で、製造子会社としての影響はそれほど大きくはありません。


Q6 : 1Qの対前年の伸び率が高かった理由として、前期末の出荷等勘案しておくべき要素はありますか?

A6 : 欧州については、前述のように複数の要因がありますが、
■前期1Qに一部商品の在庫不足により販売機会損失があったこと
■前期1Qに電子ピアノ新商品導入前の販売控えがあったこと
といった要素も今期1Qの伸び率に影響したと考えられます。


Q7 : 音響機器の1Q好調の要因として国内音響設備工事の前倒しといった一過性の要素もあるという説明でしたが、実質ベースの要素と一過性の要素を分けて説明していただけますか?

A7 : 説明会資料スライド16にお示ししたように、1Qの日本の音響機器の売上伸び率が135%となりましたが、これが前倒しの要素による影響です。但し、通期では105%となっていることからお分かりいただけるように、実質ベースでも対前年で伸長すると考えております。


Q8 : 1Q末の在庫が為替影響を除く実質では増加しているという説明でしたが、その要因についてご説明ください。

A8 : 商品別では、ピアノ、電子ピアノ、ギター、AV機器等の在庫が増加しています。
電子ピアノに関しては、今後の販売促進のための各販売子会社の仕入増によるものと考えているので懸念はありませんが、ピアノとAV機器に関しては多少高めに推移しているので、実売動向と併せて注視していきたいと考えています。AV機器については、新商品の今後の販売に備えての生産増の要素が大きな要因です。


Q9 : 在庫が高めに推移している結果として、2Q以降の生産はどのような見通しになっているのでしょうか?また、営業利益増減要因として「実質増収増産」を挙げていますが、増産効果は続くのでしょうか?

A9 : 音響機器は、対前年同期で1Qの増産に続き、2Qも増産を継続しますが、下期については減産を想定しています。楽器についても下期に若干の減産を予定しています。
損益にも影響がありますが、お示ししている業績見通しには織り込み済みです。


Q10 : 中国元の前提レートと損益影響について教えてください。

A10 : 2Q以降の中国元は15.4円を想定しています。
営業利益の通期対前年影響は▲17億円です。


Q11 : 期初の営業利益の計画に対して、為替のマイナス影響が大きくなった分を販管費減や販売価格適正化等によりカバーしている見通しとなっていると思いますが、今後さらに事業環境が変化した場合、もう一段販管費や販売価格適正化により補う余地はあるのでしょうか?

A11 : 販管費に関しては、スライド12で、対前年2億円減となっていますが、前年に対してのれん償却減少(20億円)がありますので、実際には前年以上に販管費を使う見通しになっていることから、場合によっては販管費を削減する余地はまだあると考えています。但し、メリハリをつけて、中計施策に基づく戦略経費はしっかりと使用していきたいと考えています。

販売価格適正化については、前期から段階的に実施して効果をあげておりますが、販売数量の減少などに配慮をしながら、需要、競合関係等の市場環境を勘案して慎重に進めていきたいと思います。


Q12 : スライド12でコストダウンの効果が対前年で45億円、対前回予想で3億円となっていますが、具体的な内容について教えてください。

A12 : 調達コストダウン、生産性の向上、生産工程の国内から海外への移管等といったことが主な要素で、基本的には想定通りに進捗しています。


Q13 : 中国市場のピアノの状況について説明してください。

A13 : 以前に比べて流通在庫が正常化してきていることやお客様の嗜好が変化してきていること等が当社の売上げにプラスに影響し、市場でのシェアが上がってきています。
入札案件に関しては、前期のような大型案件は減ってきているものの、中小規模案件の増加により好調が継続しています。


Q14 : スライド17を見るとピアノと電子楽器の1Qの伸び率が高くなっていることについて状況を説明してください。

A14 :
ピアノ:
前期1Qは一部モデルの在庫不足による販売機会損失があったのに対し、今期1Qはそれが解消したことが前年比112%となった要因の一つです。
また、前期は2Qに大型入札案件があったため、今期2Qの前年比が低くなると想定しています。

電子楽器:
前期は2Qに電子ピアノの新商品導入があったため、モデルチェンジ前ということで1Qの出荷が若干減少し、2Qで出荷が大きく伸長しました。そのため今期1Qの前年比は110%となり、2Qの前年比は102%と想定しています。


Q15 : のれんの減損は今期ではなく前期に実施したという認識でよいでしょうか?

A15 : 前期減損したので今期の償却費負担が減っている、ということです。
今期通期で20億円、1Qで6億円の損益プラス影響があります。


Q16 : 今期の主な新商品とその導入時期について教えてください。

A16 :
■ディスクラビア新商品
・自動演奏ピアノの大規模モデルチェンジを計画しています。
・北米を中心に2Q、3Qに新商品導入効果が出てくると考えています。

■ポータブルキーボード新商品
・年末商戦を中心に3Qでの販売伸長を想定しています。

■MusicCast新商品
・ネットワーク対応AV機器のラインナップ拡大を計画しています。
・欧州を中心にプロモーションを展開し、2Q、3Qでの販売増を想定しています。


Q17 : 1Qで利益が大きく上振れしたのに対し、2Q以降は前回予想より下振れする想定になっていますが、その理由と考え方を四半期毎に説明してください。

A17 : 2Q以降に利益が下振れする主要因は為替影響です。
3Qは売上伸長により為替影響をある程度吸収する想定ですが、2Q、4Qは実質的にはほぼ前回予想並みの売上を想定しているので為替影響により売上、利益が下振れする見通しです。