楽器事業説明会 質疑応答

Q1 : 過去の成長に比べ、高い増収計画となっていますが、達成の見込みをお聞きしたい。特に、商品展開や考え方が過去とどう違うのですか。

A1 : 設備音響ビジネスでの大きな成長を計画しています。また、従来からの楽器ビジネスでは、日本市場で大型鍵盤楽器の市場縮小が続く中、音楽教室生徒数が14年ぶりに増加に転じるなど、変化が起きており成長の可能性を感じています。北米、欧州でも、ヤマハのプレゼンスを拡大する余地は充分にあると考えており、さらに新市場の中国市場での成長も見込まれ、過去と比べてアグレッシブではありますが、実現可能な計画と考えています。


Q2 : 設備音響が増収となった場合の収益貢献度はどうですか。

A2 : 現時点では、開発経費等の固定費が先行しており、まだ収益を確保できていません。ただ中期計画目標の売上高300億円レベルになれば、十分採算の取れる事業になります。


Q3 : 300億円を達成した場合、楽器事業の平均利益率までに利益率が向上しますか。

A3 : 平均利益率までの利益率向上は難しいと思いますが、十分利益の取れる事業になります。


Q4 : 音楽教室展開は、製品の販売・マーケティングにどう貢献していますか。また音楽教室事業の採算性について教えて欲しい。

A4 : 音楽教室は需要を創造する活動として展開し、製品の販売に寄与しています。最近では、楽器レンタル事業もスタートし、従来のヤマハの製品を買っていただくということ以外にも、選択の幅を広げています。収益性については、国内では、採算はきちんと取れています。現在、音楽教室をリニューアルしており、短期的に投資を先行しコスト増となっている面もありますが、中期的には収益が安定して取れる事業と考えています。


Q5 : ピアノの売上は、中期計画最終年度で、大幅な増収を見込んでいますが、本当に可能なのでしょうか。

A5 : 従来通りのことをやっていては達成できないと思います。欧米では、アコースティックピアノだけではなく、電子ピアノ、ハイブリットピアノ、ピアノ型キーボードなども含めた全体をピアノ需要として捉え、顧客のニーズに沿った形で、増売を図っていきたいと考えています。
一方、中国や新興市場では、ピアノそのものの需要が更に拡大すると見ています。


Q6 : アコースティックのコスト削減が遅れている要因と対策をお聞きしたい。

A6 : アコースティックの中でも管楽器はTPM活動の効果が着実に出てきています。ピアノは遅れていますが、管楽器での経験も活かしながら、コスト改善を進めていきます。中国杭州新工場における製造、調達力がキーになります。要員面では、現在55~60歳のいわゆる団塊の世代が定年を迎える中、5~10年で、構造が大きく変わっていきます。TPM活動で標準化を行い、熟練を要する仕事とそうでない仕事の切り分けをし、最低限の正社員の補充に留めるとともに、熟練を要しない仕事には正社員以外の人に仕事を振り分けることで、大幅なコストダウンができると考えています。


Q7 : 為替の前提が2006年3月期の1US$=105円から2007年3月期には、110円に変わっていますが、円安を想定しているのですか。

A7 : 2006年3月期は1US$=105円で予想をしています。2007年3月期は、中期計画策定時の為替レートを使用しています。


Q8 : 楽器レンタルビジネスの売上は楽器セグメントのどの商品区分に入っているのですか。また現在の事業規模を教えて欲しい。また、このビジネスは日本のみで展開しているのですか。

A8 : 楽器レンタル事業は、2年前からスタートして、初年度は期の途中から始め、3,500件、売上高は約1億円。前期は5,900件、3.1億円です。当期は、1万件、6.5億円の目標を掲げ、現時点では、ほぼ計画線上で推移しています。今後、レンタル拠点の拡大や楽器メニューの拡充を進めていきたいと考えています。
楽器レンタルビジネスは国内の市場に限定しています。欧米では楽器店がレンタルをしています。アジアでのビジネス展開は将来的には考えられると思います。尚、この売上は、「その他楽器」の商品区分に含めています。


Q9 : 売上計画達成の難易度を教えてください。また、コストダウンの達成難易度についても教えてください。

A9 : 弦打楽器は、ヤマハのマーケットシェアが低く、増売の可能性は秘めているものの、アメリカメーカーが強いこともあり、最も売上の難易度が高いと言えます。ピアノは、デジタルピアノ等も含め、総合力で目標を達成したいと考えています。
製造面では、技能伝承を図りつつ、作業の標準化を行うことから、やはりデジタル楽器に比べ、アコースティック楽器のコスト削減の難易度が高いと考えます。