[ 画像 ] 商品開発

商品開発

お客様が何を求めているのかを発掘し、ヤマハの技術で具体的な商品を設計・開発

お客様のウォンツを考え、それに応える商品の開発・設計を行うのが「開発・設計」の仕事です。具体的には、外装・機構設計、電気・ハード設計、ソフトウェア開発などの技術が集約されて、ひとつの商品が形となります。近年商品のライフサイクルが短命化しているため、開発・設計のサイクルも短くなる傾向があります。

[ 画像 ] 商品開発プロセスの図

ヤマハには楽器、音響機器、電子部品、ゴルフ等の事業があり、これらの市場分野に応じた開発・設計活動を行っています。

商品開発を行う上で最も重要なのは、良いものを作り上げるという飽くなき執念、情熱です。そして、そのための努力を惜しまないこと、良いものとは何かを考え続けること、学び続けることがとても大切です。

また優れた技術者になるための必須の素養として、論理的思考力、基本的な数学力、そして専門分野での知識が挙げられます。入社後、大きく成長するためには、大学での勉強をしっかりとしておくことが大事です。そして、人の話を聞き、理解し、自分の考えを説明できる力、文章にまとめられる力も重要です。英語の重要性は言うまでもありませんが、実は日本語もとても重要です。自分の研究を卒業論文、修士論文等の形でしっかりまとめることはそれまでに培った力を結集させて1つの成果にまとめる重要な経験です。

また学業や研究以外のことでも、何かに熱中し、何かを達成した経験があれば、それが自信となって商品開発の過程で遭遇するさまざまな困難に立ち向かう際に、自分を支えてくれるでしょう。

ヤマハの商品は楽器、音響機器、電子部品など、どの分野でも業界トップレベルの商品です。当然ながらその開発には高い技術レベルが要求されます。厳しい開発業務を通じて、ソフトウェア、電子回路、外装・機構等、それぞれの分野での高いレベルの設計能力が身に付きます。

開発者個々人には、技術の深掘りだけでなく、担当業界の知識や顧客のユースケースを理解し開発に反映させていくことが求められます。また社内外の多くの開発実務者をチームとしてまとめあげ、商品を作り上げていくプロデュース能力や開発プロセス管理の能力も求められていきます。商品開発は、営業、商品企画、品質、購買、製造など多くの人々との共同作業の上に成り立つものです。顧客価値に優れ、品質の高い商品を開発するために、さまざまな現場で多様な経験を積んだ開発者となれるよう複数のキャリアステップを用意しています。

[ 画像 ] 楽器の写真

ピアノや管楽器、弦楽器、打楽器などのアコースティック楽器の開発では、伝統的な楽器製作のノウハウに音響学の研究成果を加え、安定した音程と美しい音色、そして、優れた演奏性の実現に努めています。コンピュータシミュレーションによる精密な設計、材料や加工法からのアプローチを通して音のクオリティーアップを目指しています。また近年では、ピアノの響板をアクチュエータで駆動して音を出す、新しい表現が可能なTransAcousticのような新しい価値提案を行うピアノも開発しています。

一方、電子楽器では、電子ピアノ・エレクトーン・ポータブルキーボード・電子ドラム・シンセサイザーといったさまざまな商品の開発を行っています。それらの商品はステージユースからホームユースまで、幅広くカバーしており、プロから初心者まで、多くの方々にご愛用いただいています。各商品の品質は、デジタル・アナログの回路技術はもちろん、長年培ってきた材料・製造技術や音源・信号処理・音楽情報処理、さらに音楽コンテンツ制作など、さまざまな技術の蓄積に基づいており、常に業界をリードしています。

さらにiPhone/iPadのようなスマートデバイスを活用したアプリケーションも積極的に展開し、iOS対応のTENORI-ON(TNR-i)や電子ドラム体験・練習アプリ(SongBeats)など、市場環境変化に対応した商品開発も進めていきます。

また、Line 6社がヤマハグループに加わり、Line 6社が持つギター関連の技術やワイヤレス技術等との融合も、お客様への新たな価値提案につながることが期待されています。

[ 画像 ] 音響機器の写真

PA(プロフェッショナルオーディオ)領域では、アマチュア向けからプロ向けまで、音楽制作用、ライブ用、音響設備用など幅広い機器や、関連するアプリケーションソフトウェアを開発しています。音の良さと高い信頼性が評価され、広く世界中のイベントや設備で活用されています。Steinberg社やNEXO社をグループ会社として持ち、オーディオインターフェース、スピーカー、パワーアンプ、アナログミキサー、デジタルミキサーなど数々の定番モデルを作り続けています。

ヤマハのAV(オーディオビジュアル)機器は、長年にわたって培ってきたアナログ回路技術やスピーカー技術に加え、高度なデジタル・サウンド技術、音場シミュレーション技術、ネットワーク技術などの多様な技術資産を基盤として、お客様の豊かな生活に貢献することを考えて開発されています。北米、欧州、日本市場において、ヤマハのホームシアターやハイファイ商品のシェアはトップクラス。人間中心のイノベーションを志向し、デスクトップオーディオや薄型TV用サウンドバーなど幅広いユーザーに共感を得るよう取り組むとともに、スマートフォンやタブレット端末用のアプリケーションも提供し、ユーザーベネフィットの向上に努めています。その結果、ホームシアターやハイファイオーディオが数々の賞を受賞するなど、世界的に高い評価を受けています。

また、サウンドネットワーク領域における、小規模拠点向けルーター分野では国内トップシェアを誇るルーターをはじめとする通信機器事業、エンターテインメント業界で高く評価される通信カラオケ、遠隔会議やテレワークで高品位な音声コミュニケーションを実現する音声入出力装置、音楽分野だけでなく聴力検査や学術実験などに高性能の防音室を提供する防音事業など、音とネットワークに関わる多彩な事業を、主に法人のお客様向けに展開しています。また、先ごろ、Revolabs社がヤマハグループに加わり大規模会議室向けの会議システムまで、事業領域が広がりました。

新規事業創出の一環として取り組むスピーチプライバシーシステムは先進的な医薬の現場やオフィスで重要な会話を守るシステムとして導入が始まっており、ポスター型スピーカーTLFは、大規模交通広告にたびたび使われ大きな話題を呼んでいます。

[ 画像 ] 電子部品の写真

電子楽器用音源の内製化をきっかけにスタートした半導体事業は、現在「音」「グラフィックス」「センサー」を中心とした競争力ある革新的なデバイスを世の中のさまざまな機器に提供しています。核となっているのは、音源・信号処理・磁性体素子などの各技術。これらコア技術を活かして、スマートフォン用のサウンドチップや電子コンパスをはじめ、アミューズメントや車、家電市場に向けて新たな付加価値を創造する商品を開発しています。搭載機器を通してエンドユーザーの生活をより良いものにすべく、ソフトウェア技術やコンテンツ制作ツールも合わせて提供しており、そのトータルソリューション・サポートは、幅広いお客様から高い評価を受けています。

[ 画像 ] ゴルフの写真

ゴルフクラブの開発は、「機能と感性が、クロスする。」というコンセプトのもと、道具として、いかに「性能追求」と「使う人との相性」を両立させるかということを目指して行われています。ボールをより遠くへ、より真っすぐに飛ばすというゴルフクラブの「機能・性能」を高めることはもちろんですが、構えた際に目標に向かってきちんと飛ばせるイメージを与えるヘッドの形状は「視覚」に、打球時のはじき具合や心地よさを伝える打音は「聴覚」に、両手を通して感じるヘッドやシャフトの動きは「触覚」にと、使用したときに感性にフィットすることも、ゴルフクラブ開発では非常に重要な要素となってきます。

ヤマハでは最先端のCAD技術を駆使して高い性能を追求しながらも、形状や音、振り心地など、プロからアマチュアまで含めた人での官能評価もこまめに行うことで、ゴルフクラブとしての完成度を高めるべく開発業務に取り組んでいます。