ゴルフクラブ開発

[画像] 山内勇樹の写真 1

人間機械工学で学んだ人間の感性に関わる官能評価手法は、
ゴルフクラブ開発にも生きています。

山内 勇樹
ゴルフHS事業推進部 商品開発グループ
2012年入社/工学部卒

学生時代のこと

学部の専攻は人間機械工学で、生活に関わるロボットや、医療・健康機器、介護・福祉機器、生体の機能に関する機械設計を学んでいました。聴覚、味覚、触覚など人間の感性に関わる官能評価手法を学んだことは、現在の業務に大いに役立っています。大学院では機能性ゲルを用いた振動制御の研究を行っていました。地震から構造物を守る実験中に東日本大震災に遭遇し、「大学や企業での研究(努力)が世の中をより安全、より快適にしていくんだ」と感じたことを強烈に記憶しています。プライベートでは、音楽・楽器とは接点のない学生生活を送っていましたが、国内外を問わず旅をして、知らない人、文化、景色と触れ合うのが大好きでした。

入社動機と今の仕事

「モノづくり」「世の中を豊かにできる」。この二つを軸にして就職活動に取り組んでいた私は、業界を問わずさまざまなメーカーの説明会に参加していました。ヤマハの会社説明会で、先輩社員やヤマハを志望する学生たちと交流した際に、明るく誠実な人ばかりで、「感動を・ともに・創る」というコーポレートスローガンのもとに「世の中をもっと楽しく・豊かにしたい!」と本気で考える人たちが集まる会社だと感じました。
このようなエネルギッシュな人材を引き合わせるヤマハという企業と音楽に対する興味が、ヤマハを志望するようになったきっかけです。現在は公私ともに個性的な仲間に囲まれて幸せなサラリーマン生活を送っています。

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現在は、ゴルフクラブのアイアンの商品開発を担当しています。商品開発といってもその業務範囲は幅広く、商品企画、設計、デザイン、試作品の性能評価、量産品質の確保、スポーツショップで働く販売員への商品説明、時にはお客様からゴルフクラブに関する問い合わせにも対応します。若手のうちからモノづくりの全体に携わることができるので、日々、成長とやりがいを感じながら業務に取り組んでいます。ゴルフ開発ならではの業務に、ヘッドの形状設計があります。学生時代は、工業製品のメカ設計はCADを使うものだと思っていましたが、ゴルフクラブは形状の美しさを求められるため、はじめに樹脂を手で削ってモックアップを作成し、そのモックアップを三次元測定してCAD化しています。この手法によってCAD設計だけでは実現できない微妙な曲線美を製品に反映させることができます。モック作成を行うときは、陶芸家になった気分で一心不乱に夜中まで作業することもあります。削ったモックが実際に金属として出来上がってきたときの感動は、何度味わってもうれしいものです。

働くモチベーションとヤマハで得られる成長

お客様を近くに感じることができる商品を作っているということが、最大のモチベーションだと思います。開発がうまく進まずに悩むことは多々ありますが、毎日立ち寄るコンビニでゴルフ雑誌を立ち読みしている方や、駅のホームで傘を使ってゴルフスイングの練習をしている方を見かけるだけでも、気力が湧いてきます。
開発者はモデルの主担当として企画から量産まで広く携わり、社内外問わず多くの方々と協力して開発に取り組んでいます。自分の専門分野だけでなくさまざまな知識、経験、視点が必要となり、常に成長のチャンスがある環境だと感じています。

印象深いエピソード

入社2年目で初めて担当した「UD+2アイアン」というモデルが一番印象深いです。「+20ヤード飛ぶアイアン」という明確な商品コンセプトがあり、その実現に向けて、あらゆる「飛び」の要素を設計に盛り込みました。飛距離性能と耐久性能の両立など、開発段階での障害は数多くありましたが、設定した高い目標を達成すべく粘り強い開発を行った結果、競合モデルとの比較では実際に+20ヤードの飛距離を記録する商品が開発できました。
その結果、UD+2アイアンは大ヒットを記録し、販売計画に対し233%の売り上げを達成しました。新聞やゴルフ関連の媒体でも大きく取り上げられ、そのモデルに関するお客様のお声を聞かせていただく機会も多く、この成功体験は次期モデル開発への意欲にもなっています。

[画像] オフタイムの写真

オフタイム

「お前らもそろそろ楽器やるか。」金曜日飲みの席で同期の一言をきっかけに初心者バンドを結成しました。一人一人に飲み仲間の同期が先生としてつきっきりで指導してくれました。写真は同期ライブの様子です。