バリューチェーンにおける社会的責任の推進

ヤマハグループは、製品・サービスの開発、原材料調達、製造、販売、リサイクルなどバリューチェーン全体でのサステナビリティ推進に努めています。2021年に設置したサステナビリティ委員会(委員長:代表執行役社長)に、調達や人権に関する専門部会(部会長:執行役)を置き、サプライチェーンにおける環境や人権などのサステナビリティ課題に対応するための社内体制の整備、施策や目標、実行計画の策定、関連部門と連携した推進活動、モニタリングを行っています。

ヤマハ製品は主に、日本、中国、インドネシア、マレーシア、インドに拠点を構えるヤマハのグループ企業で製造、組み立てされています。これら生産拠点であるグループ企業に対し、コーポレート部門の専門スタッフが、グループ規程や基準に基づいて労務、安全衛生、環境管理の状況をモニターし、仕組み構築支援や改善アドバイスを行っています。また、これらのグループ企業が原材料や部品を調達するにあたっては、調達に関するヤマハグループの各方針に従います。「ヤマハグループ購買方針」に定める基準に沿って調達先を選定するとともに、労働や人権、環境などサステナビリティについて定めた「ヤマハサプライヤーCSR行動基準」への順守を調達先に要請しています。また、同基準に沿った点検を取引開始時および定期的に実施し、必要に応じて是正や取引の見直しを行っています。

なお、ヤマハ(株)は電子情報技術産業協会(JEITA)の会員として、CSR委員会や同委員会内の苦情処理メカニズムワーキンググループに参加し、業界連携でのCSR調達推進活動に努めています。

サプライヤーに対するサステナビリティ要請

サプライヤーとの取引契約書にヤマハサプライヤーCSR行動基準の順守を明記するとともに、サプライヤーに対して定期的に自己点検を要請しています。

サプライヤーへのサステナビリティに関する要請事項※1
区分 要請事項
労働・人権 強制労働の禁止
児童労働の禁止
適切な労働時間
適切な賃金と給付
非人道的な扱いの禁止
差別の禁止
労働者の権利の確保(結社の自由や団体交渉権など)
紛争鉱物への対応
労働安全 職務上の安全確保
事故の未然防止と緊急時への備え
労働災害と疾病の予防
身体的負荷、疾病への配慮
機械装置の安全対策
施設の安全衛生の確保
環境保全 環境許可証などの順守
省資源と省エネルギー
排水の管理
大気への排出の管理
廃棄物の適正処分
化学物質の管理
製品含有物質の管理
生物多様性の保全
倫理 汚職・賄賂などの禁止
反競争的行為の禁止
情報の開示
製品情報の適切な提供
不正行為の予防と早期発見
知的財産権の保護
個人情報の保護
  • ※1 上記に加え、木材サプライヤーに向けては、持続可能な木材資源の調達を要請
ヤマハサプライヤーCSR行動基準
ヤマハサプライヤーCSR自己点検表

サプライヤーの点検実施状況

2020年3月期に取引先3,748社※2に対する一斉点検を行い、3,694社から点検結果の報告を受けました(回収率98.6%)。点検結果より管理の仕組みが不足している11社に対し是正を要請し、うち9社の改善状況を書面で確認しました。残り2社は取引中止を予定しています。報告のなかった54社のうち38社は、RBAなどのサステナビリティ規範への準拠や認証取得の状況から低リスクと判断しました。9社とは取引中止を予定し、残り7社へは引き続き行動基準の順守を求めるとともに、調達の方針や計画策定の際に今後の取引について検討、判断していきます。次回一斉点検は2023年3月期に予定しており、実施に向けて点検項目の拡充と評価基準の見直しを行いました。

2022年3月期は、取引開始の検討に際し138社に自己点検を実施いただきました。

  • ※2 同一サプライヤーに対し、複数生産現地法人から実施している可能性があるため、延べ数としています

調達担当者への教育

グループ内の調達担当者に対し、下請法や契約に関する法律、貿易や調達物品に関する諸規制など公正な取引のための教育を行っています。加えて、サプライヤーのCSR行動基準の順守状況を点検する担当者に向けては、責任ある調達に関する教育を行っています。また、木材の合法性確認など持続可能な木材調達についての説明会を毎年行っており、2022年3月期は日本、中国、インドネシアの3地域で実施しました。

天然資源など各種原材料の調達においては、環境や社会に与える影響に配慮し、責任ある調達を行うことが大切です。ヤマハグループでは、楽器をはじめとする製品の原材料として重要な「木材」の持続可能な調達や、グリーン調達などのテーマに取り組んでいます。

紛争鉱物への対応

コンゴ民主共和国および隣接諸国で採掘されるスズ、タンタル、タングステン、金などの鉱物資源が、暴力行為や略奪などの非人道的行為による人権侵害を引き起こしている武装勢力の資金源となっている可能性が懸念されており、これらの鉱物資源は「紛争鉱物」と呼ばれています。ヤマハグループは、人権侵害や環境破壊に加担しない鉱物調達を目指し、紛争鉱物の不使用に向けた取り組みを進めています。顧客らの調査要請に応えるとともに、「ヤマハサプライヤーCSR行動基準」において、サプライヤーに対して、紛争鉱物の不使用に向けた取り組みを求めています。

ヤマハグループでは、取引先や委託先とのコミュニケーションを推進しています。日本国内では、原材料・部品・設備などの調達先、物流業務・工事などの委託先に対し、経営や生産・販売動向に関する情報共有、労働安全や環境保全などの協力を行うほか、懇親活動を通じて意見交換などしやすい雰囲気の醸成に努めています。取引先と連携したサステナビリティ推進に向けて、国内の調達取引先の研修会にてSDGsテーマの講話を行い、SDGsの概要や人権への取り組みを含む当社グループの活動について紹介しています。また、日本国内生産拠点の廃棄物処理委託先について、法令順守やCSR面での確認や訪問による現地確認を行っています。なお、国内生産拠点を置く静岡県の産業廃棄物協会に排出事業者として加盟し、廃棄物処理に関する情報交換や、施設見学会などのイベント協力を通じたコミュニケーションを図っています。

コミュニケーションの実施状況
2020年度から新型コロナウィルス感染拡大の影響により、一部実施の見送りや、郵送による書面決議などの代替手段にて執り行っています。
年次総会:調達・物流・設備の各部門における協力会 各1回 計3回
生産・販売動向報告会:調達部門の協力会 年1回
安全衛生点検パトロール:2022年3月期は2事業所の構内工事現場にて実施
廃棄物処理委託業者:2022年3月期は27社への訪問、現地確認を実施
廃棄物処理委託先への現地確認の様子

パートナーシップ構築宣言

ヤマハ(株)は、経団連会長、日商会頭、連合会長および関係大臣(内閣府、経産省、厚労省、農水省、国交省)をメンバーとする「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」の趣旨に賛同し、サプライチェーン全体での付加価値向上を目指し取引先との共存共栄関係の構築に取り組むことを表明する「パートナーシップ構築宣言」を2021年1月に公表しました。

「ホワイト物流」推進運動

ヤマハ(株)は、国土交通省・経済産業省・農林水産省が提唱する「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、生産性の高い物流と働き方改革の実現に向け、取引先や物流事業者等の関係者との相互理解と協力のもとで物流の改善に取り組むことを方針とした「持続可能な物流の実現に向けた自主行動宣言」を提出しました。