ヤマハサプライヤーCSR行動基準

(前文)

ヤマハグループと取引のあるサプライヤー様は全ての事業活動において、国、自治体の法令、規則、規定などを順守するとともに、国際的に認められた行動規範を尊重し、以下の各基準を順守してください。また、調達先にも本行動基準の順守を促すとともに、本行動基準を順守するために必要な情報を調達先から入手してください。なお、これらの基準が国・地域の法令等と整合しない場合は、基準を尊重するための方法を追求するようにしてください。

A. 労働・人権

  1. 【強制労働の禁止】全ての従業員の自由な意思を尊重し、強制的な労働を行わせないこと。雇用条件は労働者の理解できる言語で事前に提示すること。パスポート、公的な身分証明書、または労働許可証の引き渡しを従業員に要求しないこと。
  2. 【児童労働の禁止】最低就業年齢に満たない児童を雇用しないこと。18歳未満の従業員を健康・安全が脅かされる業務に従事させないこと。
  3. 【適切な労働時間】現地法令で定められている週間労働時間を超えないこと。1週間に最低1日の休日を付与すること。
  4. 【適切な賃金と給付】現地法令で定められている最低賃金以上の賃金を、給与明細提示の上、従業員本人に遅滞なく支払うこと。不当な賃金減額を行わないこと。
  5. 【非人道的な扱いの禁止】従業員の人権を尊重し、ハラスメントや虐待など非人道的な扱いを行わないこと。非人道的な行為の予防、対応などの対策を講じること。
  6. 【差別の禁止】採用を含む雇用慣行において、人種、皮膚の色、国籍、年齢、性別および性的指向・性自認、民族性、障がいの有無、妊娠、宗教、政治的見解、組合への加入、配偶者の有無など業務と関係のない事由による差別を行わないこと。
  7. 【労働者の権利の確保】現地法令に基づき、従業員の結社の自由、組合への加入または非加入、団体交渉、平和的集会などへの参加の権利を尊重すること。従業員が差別、報復、脅迫、またはハラスメントを恐れることなく経営陣と率直な意思疎通を図れるようにすること。非合法的な解雇を行わないこと。
  8. 【紛争鉱物への対応】製品に含有されるいわゆる紛争鉱物(タンタル、すず、タングステン、金)の使用が、コンゴ民主共和国およびその周辺国などにおける深刻な人権侵害の加害者である武装グループの直接または間接的な資金源や利益とならないよう努めること。

B. 労働安全

  1. 【職務上の安全確保】従業員の安全を確保するため、職場環境や作業の状況を把握し、危険性、有害性の恐れがある場合には、適切な技術的・管理的手段により予防・低減対策を講じること。従業員に対し、安全衛生に関する情報および研修、必要な保護具を提供すること。妊産婦に対し、安全衛生上のリスクを抑えるための適切な措置や配慮を行うこと。
  2. 【事故の未然防止と緊急時への備え】災害や事故などのリスクを評価して対応策を準備し、必要な訓練を行うこと。構造物の安全確認と避難通路の確保、防災設備の設置および点検を行うこと。
  3. 【労働災害と疾病の予防】労働災害や労働疾病の状況を把握し、予防するための対策を講じること。現地法令に基づき従業員の健康診断を行うこと。
  4. 【身体的負荷、疾病への配慮】身体的に大きな負荷のかかる作業、精神衛生も含めた健康被害を及ぼす可能性のある作業を特定、管理し、労働災害・疾病につながらないよう対策を講じること。
  5. 【機械装置の安全対策】機械装置類の安全性を評価し、労働災害につながらないよう対策を講じること。
  6. 【施設の安全衛生の確保】従業員のために提供される施設(寮、食堂、トイレなど)の安全衛生と妥当な環境を確保すること。

C. 環境保全

  1. 【環境許可証などの順守】現地法令に従い、必要な許認可・届出・報告などを行うこと。
  2. 【省資源と省エネルギー】全事業プロセスにおいて省資源・省エネルギーに努めること。
  3. 【排水の管理】有害排水の環境への排出を防止すること。
  4. 【大気への排出の管理】大気に排出される有害物質・温室効果ガス・オゾン層破壊物質などの削減に努めること。
  5. 【廃棄物の適正処分】廃棄物の適正処分を行うとともに、排出量の削減にも努めること。
  6. 【化学物質の管理】環境に放出された場合に害を及ぼす化学物質を特定し、使用量削減や有害性の低い物質への代替、および漏洩の防止などに努めること。
  7. 【製品含有物質の管理】製品に含まれる有害物質を特定し、法規制などを順守すること。
  8. 【生物多様性の保全】天然資源の利用を含む事業活動が生物多様性に与える影響を考慮し、悪影響を最小限に抑えること。特に木材資源に関しては、「E.持続可能な木材資源」の基準を順守すること。

D. 倫理

  1. 【汚職・賄賂などの禁止】贈収賄、汚職、強要などあらゆる腐敗的な行為を行わないこと。
  2. 【反競争的行為の禁止】公正な競争を阻害する行為が行われないよう管理されていること。
  3. 【情報の開示】経営や財務状況など事業活動に関する情報を適正に開示し、不正な改ざんなどがないこと。
  4. 【製品情報の適切な提供】顧客や消費者に対して、製品・サービスに関する正確な情報を提供していること。
  5. 【不正行為の予防と早期発見】従業員が不正行為を報復の懸念なく通報できるよう、通報者を保護する施策を講じること。
  6. 【知的財産権の保護】知的財産権を尊重し、保護するよう管理されていること。
  7. 【個人情報の保護】顧客、取引先、消費者、従業員など事業活動に関わる全ての個人情報が適切に保護されていること。

E. 持続可能な木材資源

  1. 1.森林資源の伐採および取引に際しては以下の点を順守すること。
    1. 供給源が明らかな木材であること
    2. 信頼できる森林認証を可能な限り受けていること
    3. 違法に伐採または取引された木材でないこと
    4. 絶滅が危惧されている樹種の持続性に配慮すること
    5. 保護価値の高い森林からの伐採でないこと
    6. 遺伝子組み換え樹種でないこと
    7. 生態系を破壊する天然林伐採でないこと
    8. 先住民の人権を侵害するなど地域社会に悪影響を及ぼしていないこと

制定 2015年3月
改定 2020年1月

ヤマハサプライヤーCSR行動基準