人材開発

人材開発の取り組み

ヤマハグループは能力開発およびキャリアアップの機会を公平に差別なく提供することに努めています。「意欲を持って、自らの『役割』を果たし、常に一歩先を目指す人を応援する」という考えのもと、従業員一人一人が能力を最大限に発揮し、自己実現を図りながらプロフェッショナルとして成長できるよう、さまざまな施策を講じています。中期経営計画「Rebuild & Evolve」では人的投資額1.5倍を実現することを目標に、ラーニングマネジメントシステムのプラットフォーム導入や自己啓発支援制度の利用条件緩和、生成AI学習機会の拡充など、従業員の成長に資する教育施策への投資拡充を進めており、2026年3月期は1.14倍となりました。

教育・研修制度の整備

ヤマハグループ全体に適用する人材教育に関するガイドラインを制定し、計画的な人材開発に取り組んでいます。ガイドラインに基づいて、グローバルに通用する人材の育成を軸に、能力向上とキャリア開発を両輪とした教育・研修制度を整備し、目的や対象に応じた人材開発プログラムを実施しています。新入社員研修、新任企画職研修、新任基幹職研修においては異文化理解のためのマインドセットプログラムを組み込み、グローバル人材の素地を育むきっかけとしています。

従来の集合研修と併せて、動画を用いたe-ラーニングの活用、オンライン会議ツールの特性を生かした対話中心の研修プログラムなどにより受講拘束時間の効率化を図りながら教育効果の高い研修を実施しています。

AIやデータサイエンスなど、今後の事業成長に必要な分野の人材の育成には、情報システム部監修の学習コンテンツ拡充に取り組んできました。リスキリング観点からも実用に向けた質と量の提供に継続的に取り組みます。

主な教育・研修制度

形態 目的 研修名・内容
選抜型研修事業拠点リーダー、管理職の育成(海外ローカル人材含む国内外を対象)企画職登用前研修、基幹職登用前研修
Yamaha Advanced Management Program(海外販売拠点マネジャー候補者研修)
Senior Specialist Institute(製造マネジメント研修)
Yamaha Global Management Program(海外拠点リーダー育成研修)
経営幹部育成プログラム、経営幹部候補者向けの自律学習支援プログラム
ヤマハ高等技能学校/ヤマハ技術研修所(生産職場の監督者、核となる人材の育成)
階層別研修キャリアステージに応じた個々のレベルアップ新入社員研修/若年層年次研修、キャリア入社者研修
新任企画職研修、新任基幹職研修、ミドルマネージメント研修
評価者研修、新任部門/基幹部門長研修、新任グループ会社社長研修
生産系研修(新任指導員研修、新任職長研修、職長研修、新任工長研修、工長研修)
キャリア自立研修自律的キャリア開発のマインドセット、キャリア自律に対する支援者育成キャリアデザイン研修(入社2年、4年目の若年層向けキャリア形成研修、一般職採用女性従業員向けキャリア研修)
キャリア面談研修(キャリア自律支援者としてのマインドセット、面談スキル向上を目的とした研修)
育児休職サポート研修(育児休職復職者および上司を対象/職場復帰+キャリア形成支援のための研修)
セカンドライフ準備セミナー(60歳以降の生活と働き方に関する情報提供)
役割機能強化研修語学力や技術分野の強化海外・語学研修、TOEIC社内公開試験
技術アカデミー/技術講座(商品開発を支える技術者の育成)
ヤマハビジネススクール(従業員の自発的な学習を支援する通信教育)

成長と活躍の支援

ヤマハグループでは、従業員の意欲と専門性に寄り添った成果評価と成長支援を行っています。

人事評価制度

年2回の業績評価に先立って、従業員本人と上司の1on1面談を実施しています。その他にも、現状の仕事に対する適性や保有するスキル、キャリア志向を棚卸しし、本人と上司で対話する面談機会を年1回設けるほか、本人と上司双方に、面談の進め方やキャリア開発意欲を向上させるための情報を提供し、有効な面談機会をサポートしています。

若年層育成の一環としては、入社2年目、4年目、6年目の節目に、従業員本人と会社(人事部門スタッフ)が育成目標やキャリアプランについて意見を交わす面談を実施しています。社会人基礎力の醸成とともに、働きがい向上や業務上の悩みの解消にもつながるよう、会社として全面的な支援を行っています。加えて、これらの面談が適正な評価や効果的な成長支援につながるよう、面談を行う管理職やOJT担当者を対象者とした研修も実施しています。

キャリアの分断につながりやすい育児休職については、休職者本人と会社の間での情報共有スキームを整えるとともに、本人および上司双方への研修により、意識・スキル両面からのサポートによるスムーズな職場復帰を促しています。

社内公募制度

ヤマハグループでは、業務を通じた従業員の自己実現支援のため、社内公募制度を整備しています。

公募制度には、キャリア採用(中途採用)の求人ポジションに対し、社外と並行し社内からも候補者を募るキャリア採用枠公募、社長の意向を受けて、中長期・戦略的な観点から公募が必要であるとの判断に基づく戦略公募、管理職ポジションにおける空席または各公募による転出から発生した空席に対するオープンポジション公募があり、イントラサイト内で募集要項や選考ステップについて公開しています。

こうした制度の活用を通じて、一人一人が、意欲や適性にマッチする職務に従事し、職場でいきいきと活躍することを支援し、従業員と会社が相互に成長できる関係の構築につなげていきます。

タレントマネジメントシステム(TMS)

ヤマハグループでは、従業員の自律的なキャリア開発を後押しするため、タレントマネジメントシステム(TMS)を活用しています。「仕事の可視化」「意欲・能力の可視化」「人材流動性の向上」を強化することで、企業と個人がともに成長する関係を目指していきます。社内での役割と専門性を明らかにするためにジョブ・スキル体系を最新の実態に合わせてアップデートし、専門別の要員構成と役割ごとの能力要件を可視化しました。また、従業員がそれらの情報を活用してスキルや経験を棚卸しし、主体的にキャリア開発に取り組めるよう、キャリア面談の質を高めるための上司向け研修も実施しています。社外活動で培ったスキルの申告も歓迎し学びの場を社内のみに限定しない工夫をしています。コンピテンシー評価の機能もマネジメントのみ対象から希望者は企画職まで利用可能に拡大し、保有スキルの発揮行動にも視点を広げました。システムに登録された人材情報は、適所適材を主眼としたマッチングを通じて従業員のキャリア自律と専門性伸長を後押しする目的で活用しています。社内公募制度についても、タレントマネジメントシステムの運用と併せて人材流動性の向上を図ることで、従業員のキャリア形成機会を作り出し、「働きがい」を高め、社内の活性化につなげています。これらの取り組みは、今後も国内グループ企業への導入を随時検討していく予定です。

マネジメント人材の育成

あらゆる人材に対し、能力開発およびキャリアアップの機会を公平かつ差別なく提供することを基本に、事業活動の基幹となるマネジメント人材の育成に取り組んでいます。中でも次世代経営・中核人材の創出については、中核となるポジションをグローバルで一元管理し、後継者計画を推進するための仕組みづくりを進めています。

マネジメント人材の育成全般については、人材教育に関するガイドラインに基づいてグループ全体、グローバル規模で階層別研修を徹底しています。ヤマハ(株)では階層別研修を通じてキャリアステージに応じた個々のレベルアップを図るとともに、基幹部門長研修および部長職研修を実施し、経営の中核を担う幹部向け研修を強化しています。その他、国内外グループ企業のコアポジション人材を対象に、海外拠点リーダー育成研修や海外販売拠点マネジャー候補者研修も実施しています。

ものづくりを支える人材の育成

ヤマハグループは、ものづくり領域の発展に資する人材創出に取り組んでいます。

“Made in Yamaha”品質を維持・向上させるために各生産拠点の機能・役割の明確化を図り、それぞれにおいてものづくりを支える人材の育成を推進しています。

高付加価値商品の生産拠点である日本国内の各工場では、競争力のある製造技術開発を支える人材開発、生産職場の中核人材開発(ヤマハ高等技能学校・ヤマハ技術研修所)、楽器製造におけるコア技能の伝承に注力しています。中国、インドネシア、マレーシア、インドの海外生産拠点においては、日本から技術者・監督者を派遣し、日本で培われたものづくりの基幹技術をベースに人材の育成を進めるとともに、生産拠点共通の階層別研修により中核人材の育成を行っています。また、エリアごとに現地従業員が講師となって製造中核人材に対して研修を実施することで、高品質な生産拠点としての基盤を強化しています。

技術者の育成・活躍推進

企業理念に基づき、新たな価値創造につながるテクノロジーの探求と技術者の育成・活躍促進に取り組んでいます。従来から、ヤマハグループでは、コア技術であるDSP(デジタル信号処理)技術講座、アナログ回路設計技術講座など、商品開発を支える技術者育成に努めてきました。生産技術講座では、「木材基礎」、「木材塗装」、「木材接着」の3講座の座学部分についてオンライン配信も行うなど、より多くの技術者が生産技術の基礎理解を深め、製品付加価値向上、品質の底上げを図れるよう努めています。

主な技術者育成・活躍施策

  • 各技術テーマの講座・アカデミー
  • 組織横断の技術フォーラムなど技術者間の情報共有・交流の場
  • 発明報奨制度

Technical Listening Training

音・音楽領域での事業展開にあたって、音の物理量を正しく理解し他人に正確に伝えられる能力が重要です。ヤマハグループでは技術者をはじめ音に関わる業務に携わる従業員に向け、九州大学で約50年の実績がある教育課程「聴能形成」の技術移転を受け「Technical Listening Training」として開講しています。音の物理量の変化と聴こえの印象の違いを系統立てて体験し、聴いた音の特徴を物理量として正しく理解する能力の向上、音に関する基礎知識の習得を図るもので、これまでに延べ1,000名以上が受講しています。

多様な人材の確保

ヤマハグループでは、未来を担う人材を確保するべく、多様な人材の獲得に取り組んでいます。

新卒採用や業務経験・専門知識を生かせる多種多様な経験を持つキャリア採用枠のほか、ヤマハ吹奏楽団員(管弦打楽器生産関連職)の採用といったヤマハならではのユニークな採用制度もあります。

また、当社を離れ、新たな領域で経験や知識を培った退職者も、これからの当社の成長につながる即戦力として期待する貴重な人材だと捉え、2025年4月より『元メン採用(アルムナイ)』をスタートしました。これは、退職者を「元メン」と表現し、ヤマハ(株)で1年以上勤務した経験があり、自己都合退職された方を対象に、再びヤマハで働く意思のある元ヤマハ従業員を即戦力として正社員採用する制度です。

今後も、多様なバックグラウンドをもつ従業員一人一人が、誇りを感じていきいきと働ける環境づくりに積極的に取り組んでいきます。

インターンシップ制度

ヤマハグループでは、学生の皆さんに向けて、当社の事業や働くリアルな姿を体験することで企業理解を促進し、興味をもってもらう機会を提供すべく、インターンシップを実施しています。技術開発やビジネスの最前線を体験する年2回の「一般インターンシップ」のほか、プロのデザイナーを目指すデザイン専門の「デザインワークショップ/デザイナーインターンシップ」、ピアノ調律実習の「ピアノ調律技術者インターンシップ」、そして、全世界の学生を対象とした長期の実習体験「グローバルインターンシップ」と多種多様な機会を提供しています。自身の興味や専門性に合わせて、実習テーマを選択することができ、ヤマハで働くことの価値を体験してもらうことを目的としています。