地域コミュニティー発展への寄与
地域社会への責任
ヤマハグループは、社会の一員としての責任を自覚し、良き企業市民として社会の発展に貢献できるよう、地域社会との対話を図りながら、音楽文化普及や次世代育成、福祉活動などさまざまな取り組みを行っています。代表執行役社長を委員長とするサステナビリティ委員会の下部組織に執行役員を部会長とする「社会・文化貢献部会」を設置し、音楽普及、地域共生活動の方向性について審議するとともに、世界各地の事業拠点による活動状況や成果をモニタリングしています。
また、事業所を置く地域社会と日常的なコミュニケーションを図ることで、地域との良好な関係を保っています。
各拠点でのコミュニケーション例
- 周辺自治会との定期的な情報交換会の開催
- 工場見学、職場体験、職場訪問の受け入れ
- 災害発生時の施設開放協力の覚書締結
- 地域のイベントや祭典への協力(施設・駐車場などの貸し出し)
- 地域活動(安全パトロール、クリーン作戦、防災訓練など)への協力・参加
- チャリティーバザーや募金による地元団体への物品寄贈
周辺自治会との情報交換会
地域クリーン作戦
フードバンクへ災害時用備蓄食料の提供
施設・工場の一般公開
ヤマハグループでは、当社グループの製品・サービスの歴史、楽器や音楽の魅力に触れてもらうことを目的に、施設の一般公開をしています。
企業ミュージアム「イノベーションロード」では、創業時から現在に至るまでの製品・サービスの軌跡や未来に向けたビジョンを、見て、聴いて、触れて、体感していただくことができます。また、ヤマハピアノの国内製造拠点である掛川工場では、グランドピアノの製造工程を一般公開し、現代のテクノロジーと100年以上続く伝統技能による製造工程を見学いただけます。
これらの施設には、地元小学校の社会科見学からお取引関連の団体、プロ・アマチュア音楽家までさまざまな方にご来場いただいています。
「ヤマハレディースオープン葛城」開催を通じた地域貢献
ヤマハ(株)とヤマハ発動機(株)は、毎年、葛城ゴルフ倶楽部(静岡県袋井市)にて、女子プロゴルフトーナメント「ヤマハレディースオープン葛城」を共同で開催しています。この大会は、ボランティアスタッフ(2025年実績:延べ1,330人)や近隣住民の方々、地元自治体の協力を得て運営されています。地域の方々への感謝の気持ちを込め、また今後のさらなる協力関係の発展を願い、2025年大会では、後援いただいている静岡県および5市町に対し、地域防災支援の一環として発電機を寄贈しました。
さらに本大会では、公共交通機関の利用促進やごみの分別回収など、皆さまにご協力いただきながら環境に配慮した運営を行っています。
優勝した穴井詩選手とボランティアスタッフの皆さん
音楽を通じた地域貢献
地域に根差した音楽普及活動
ヤマハグループは、国内外の各地域での音楽イベントの企画・開催などを通じて、音楽普及活動や地域への貢献、コミュニティーの活性化に寄与したいと考えています。楽器・音楽を楽しむ幅広い層の方々に音楽の楽しみ方を提案するほか、事業所を置く地域社会において地域に根差した音楽普及・支援活動に取り組んでいます。ヤマハ(株)では、浜松市が推進する音楽を中核にした都市づくり「音楽のまちづくり」事業に賛同し、「浜松国際ピアノコンクール」をはじめとした国際的なコンクールへの協賛・協力、浜松市と共催の「ハママツ・ジャズ・ウィーク」、ヤマハグループ従業員によって構成されるヤマハ吹奏楽団によるプロムナードコンサート出演など、積極的に地域のイベントに参画することで音楽文化の発展に寄与しています。
32回目を迎えた「ヤマハ ジャズ フェスティバル」
浜松駅前でのプロムナードコンサート
音楽の街づくり事業「おとまち」
(株)ヤマハミュージックジャパンでは「音楽の街づくり“おとまち”」プロジェクトを展開しています。おとまちは、音楽が持つ「人と人をつなげる力」を使って、地域の活性化や企業と社会の共有価値の創造をお手伝いする事業です。自治体や企業、地域コミュニティーなどが抱えている課題を解決し、持続可能な社会基盤となるコミュニティーの活性化を図るため、音楽をツールにした市民参加型のプロジェクトやイベント、街づくりのためのプログラムを提案・支援しています。おとまちでは街づくりの初期段階を重点的に支援し、地域の方々が自由に参加して継続的に活動できる場や機会のスキームの構築を通じて、新しいかたちの社会貢献型事業を推進しています。
ラグーナベイコート倶楽部の様子(愛知県蒲郡市)
福井県内での音楽普及への取り組み
次世代育成への支援
若手音楽家、音楽家志望者などへの支援
ヤマハグループは、世界各国で開催されるピアノコンクールをはじめ、国内外における各音楽コンクールやクリニックなどにおいて、高い芸術性を追求する人々を楽器のサポートのみならず運営面などさまざまな側面から支援し、音楽文化の普及と発展に貢献しています。
若手音楽家や音楽家を志し学ぶ方々に対しては、国内外の各地域で奨学金制度を設けているほか、音楽教育機関と連携し、カリキュラムや指導者向けセミナーを提供するなどの支援を続けています。
子どもたちへの学習支援
ヤマハグループでは、地域貢献活動の一環として、事業拠点を置く世界各地域の教育機関などからの要請を受けて、中高生の職場体験学習やインターンシップ、企業インタビュー、工場見学の受け入れや学習施設の展示協力に応じて、次世代を担う若者たちが社会への前向きな希望や目標を持つきっかけづくりに寄与しています。
ヤマハは、浜松市が推進するユニバーサルデザイン(以下UD)の学習プログラム「企業のUD出前講座」に協力し、UDをテーマにした自社の取り組み事例について小・中学校で出前授業を行っています。
ヤマハの楽器やサービスをテーマとしたUD出前授業
ヤマハ野球部による少年野球教室
ヤマハ野球部は、スポーツを通じた地域貢献・青少年育成支援として、本社を置く静岡県西・中部地域の少年野球チームを対象に野球教室を開催しています。基本的な技術をヤマハ野球部員がお手本を示しながら指導し、子どもたちの夢や心身の成長を応援する目的で実施しています。同時に、ヤマハ野球部OB会による「野球検診」も実施し、子どもたちを対象にスポーツ専門医が検診を行うことで、怪我や故障防止の一助となるよう取り組んでいます。
野球教室
野球検診
学校音楽教育への支援
ヤマハグループでは国内外の各地域で、学校や楽器店店頭における音楽教育の支援活動を行っています。
吹奏楽部、軽音楽部などの部活動での楽器やメンテナンスサポートのほか、演奏指導や音楽教師への指導方法の講習、音楽に関する情報提供などを通じて、学校での演奏環境づくりや授業内容の充実に貢献しています。
楽器メンテナンスセミナー(韓国)
「日本吹奏楽指導者クリニック2024」(日本)
高校軽音学部向け楽器の選び方講座(日本)
吹奏楽指導者講習会(中国)
新しい音楽の授業で未来を生きる力を育む「スクールプロジェクト」
2015年より新興国を中心に展開している「スクールプロジェクト」は、世界中の子どもたちが音楽や楽器演奏を学ぶ中で未来を生きる力を手に入れ、こころ豊かな人生を送ることができる世界を目指し、まだ音楽の授業環境が整っていない国に向けて「新しい音楽の授業」の構築支援に取り組んでいます。ヤマハの独自プログラムを展開することではなく、その国・地域に最適な音楽の授業を作りあげることを目標とし、現地教育省と協力の上、パイロット授業の展開・指導者の育成・カリキュラム構築の支援・教材や楽器の販売・提供などを段階的に実施。現在その実績はマレーシア、インドネシア、ベトナム、フィリピン、インド、ブラジル、コロンビア、メキシコ、UAE、エジプト の10カ国・425万人に広がっています。
2025年3月期には、コロンビア、フィリピン、メキシコの公立初等学校でそれぞれリコーダーを使った音楽のパイロット授業を開始しました。また、2025年3月末時点ではインドでの活動と、導入段階にあるケニアでの取り組みが文部科学省による「令和6年度第2回日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)応援プロジェクト※2」に採択されています。
- 2「EDU-Portニッポン」は、関係府省や国際協力機構(JICA)、日本貿易振興機構(JETRO)、地方公共団体、教育機関、民間企業、NPOなどが協力して、世界から高い関心を集めている日本の教育を官民協働のオールジャパンで海外展開を推進していく事業。これまでにベトナム、インド、ブラジル、エジプト、コロンビア、ケニアの6カ国のプロジェクトが「EDU-Portニッポン」の公募事業に採択されている
コロンビアでの授業
フィリピンでの授業
メキシコでの授業
農民工学校や老年大学への楽器寄贈
ヤマハ楽器音響(中国)では、中国における事業の発展と地域への感謝をこめて、2013年3月期から中国の生産現地法人4社や主要特約店とともに、中国各地の農民工学校や老年大学などに楽器を寄贈しています。
子どもたちには、楽器に触れる機会を提供し、音楽や楽器の素晴らしさを伝え、豊かな感性を育んでもらうことを目的に継続しています。
シニア層向けには老年大学に電子キーボードを寄贈することで、楽器や音楽に接する機会を増やし、豊かなセカンドライフをサポートする取り組みとして実施しています。
老年大学への楽器贈呈
ICTを用いた音楽教育ソリューションヤマハデジタル音楽教材「Smart Education System(SES)」
学校の教育現場にICTを活用した音楽教育ソリューションを提案するデジタル音楽教材「Smart Education System(SES)」は、ヤマハが長年培ってきた音楽に関する技術や音楽教育に関するノウハウを生かし、全国の小中学校の協力のもとに実証授業を重ねて開発したデジタル音楽教材です。
主に小中学校を対象とした教材で、子どもたちの好奇心を引き出す仕組み作りにこだわるとともに、デジタルならではの特性を生かし、音楽の学びを「聴覚」「視覚」の両面からサポートします。教材画面を示しながら気づきの共有ができるため、対話活動が促進され、子どもたちの創造性や論理性を育み、主体的で深い学びの実践につながります。また、教材本体だけでなく学習指導要領を踏まえた授業の進め方や教える際の留意事項、演奏に必要な基礎知識を学べる動画をまとめて提供するなど、現場の先生方がより容易に効果的な指導ができる仕組みを提案します。
デジタル音楽教材「けんばんハーモニカ授業」
ボーカロイド教育版Ⅱ
音楽普及活動によるコミュニティーの発展
ヤマハグループでは、音楽、楽器を通じた地域貢献や音楽普及活動、場や機会の提供により、青少年の健全育成や音楽教育の発展などに寄与しています。
「AMIGO Project」による支援活動
中南米の多くの国で、犯罪や貧困、格差が深刻な社会問題となっています。こうした環境に育つ子どもたちが犯罪・非行・暴力に走ることなく健全な精神を育めるよう、国の政策として無償の音楽教育活動が進められ、各地で青少年育成のためのオーケストラやバンドが結成されています。ヤマハはこの活動に賛同し、多くの子どもたちが参加するこの活動を長年にわたり支援してきました。
子どもたちが自分で楽器をメンテナンスできるように知識を普及するほか、技術者セミナーを通じて楽器を修理できる技術者を育成するなど、より良い環境で子どもたちが演奏を続けられるようにサポートしています。現在、メキシコ、エルサルバドル、ホンジュラス、コスタリカ、パナマ、ドミニカ共和国、コロンビア、ペルー、ブラジルの中南米9カ国でプロジェクトを展開しています。
青少年育成オーケストラ・バンド団体(メキシコ)
技術者セミナー
「ソプロノーボ」によるリコーダー音楽普及セミナー
ヤマハ・ムジカル・ド・ブラジル(YMDB)は、全国で音楽指導者を対象としたリコーダーを使った音楽普及セミナーSopro Novo(ソプロノーボ:新しい息吹)活動を展開しています。楽器・教本・指導メソッドをトータルで提供する音楽指導者のための指導法レッスンで、読譜に始まり、最終的にはアンサンブル演奏を楽しむまでの楽器演奏技術を習得でき、レッスン修了後には初心者に対する音楽指導を始めることができます。ブラジルでは、義務教育課程で音楽教育体制が整っていないため、音楽指導者を育成することは多くの子どもたちに「初めての音楽学習」を提供する重要な役割を担うことになります。2005年のスタート以来全国189都市、1,600回以上のセミナーを開催し、5,000人以上の指導者を養成、これらの指導者に教わる子どもたちは64万人以上にのぼります。2017年には、非営利団体Fundação Sopro Novo Yamahaを設立し、政府に直接音楽教育の導入を訴求するとともに、公立学校での指導者研修、音楽教育指導に向けてのリコーダーレッスンを拡大しています。
リコーダーのオンラインレッスン風景
ピアノをもっと身近に -誰でも自由に弾けるLovePiano-
(株)ヤマハミュージックジャパンでは、もっとピアノを身近に感じて、楽しんでいただくための活動「LovePiano」を展開しています。これは「LovePiano」をテーマにペイントされたピアノを駅や空港、商業施設などのオープンスペースに設置し、誰でも自由に弾けるピアノとして多くの方に親しんでいただくためのプロジェクトです。これまで、全国170カ所以上で設置され、気軽に演奏できる機会を提供するとともに、場の賑わいやピアノを通じて人と人がつながる空間を創出しています。
2022年からはアジアをはじめとする海外へも取り組みを広げています。
JR札幌駅(北海道札幌市)提供:毎日新聞社
サカエチカ(愛知県名古屋市)
中高年趣味層を対象とした管弦打楽器バンド形成を支援
ヤマハ楽器音響(中国)は、各地ディーラーを通じ管弦打楽器バンドの活動を活性化することで、中高年層の心の豊かさ創出に貢献しています。
政府系基金と連携して広報活動を行ったり、アンサンブル楽譜を提供することで、バンド結成をサポート。共に音・音楽を楽しむ場を提供することで、バンドというコミュニティーで人々の交流が進んでいます。
演奏を発表する場も提供し続けています。2024年11月には中国全土から11のバンドを招聘し、演奏会を実施しました。来場者は約1,200名、オンライン視聴者約4,500人と大きな盛り上がりをみせました。こうした演奏の場を提供することで、楽器演奏を通して、バンド参加者の音楽体験はさらに充実したものとなっています。
盛り上がりを見せた中高年を対象とした管弦打楽器演奏
社会貢献活動
従業員のボランティア活動の促進
ヤマハグループでは、従業員の積極的なボランティア活動への参画を推進しています。各種制度の整備とともに、イントラサイトなどを通じて活動機会の情報を提供するほか、活動事例についての情報を発信しています。
2024年3月期からヤマハグループの従業員が社会と直接関わり、当社ならではの個性や経験・ノウハウを発揮する機会となるボランティア活動を紹介する取り組みを本格的に開始。2023年12月には、イントラサイト内に「ボランティア情報サイト」をオープンし、当社で企画したボランティアのほか、日本国内で開催されるものや在宅でも参加できるものを紹介することで、従業員のボランティア活動を後押ししています。
2024年10月に開催した第32回ハママツ・ジャズ・ウィーク(HJW)では、期間中ヤマハグループの従業員延べ14名がボランティアとして参加し、会場設営のほか、出演団体・お客さまの受け入れや案内などを行い、イベント運営をサポートしました。
HJWのイベント運営を支えた従業員ボランティアメンバー
従業員による自発的な慈善活動
ヤマハ・コーポレーション・オブ・アメリカは、2003年より従業員による自発的な慈善活動「ヤマハ・ケアーズ」を行っています。寄付、募金、自社製品の提供などを通じて、従業員が暮らし、働く地域社会への貢献を目指しています。中でも、小児糖尿病の治療を研究する小児病院への寄付活動は毎年、従業員自らが南カリフォルニア・ハーフマラソンに参加して募金を呼びかけ、累計11万ドルを突破。小児糖尿病の治療を研究する数少ない施設である同病院を支援し続けています。
「ヤマハ・ケアーズ」の主な活動
- 小児病院への寄付
- 知的発達障害を持つ子どもたちに楽器演奏体験を提供する放課後スクール(United Sound社運営)への寄付・自社製品寄贈
- アメリカがん協会などを支援する活動「Making Strides Walk」への参加
ハーフマラソンで集められた募金をCHOC(Children’s Hospital of Orange County)に寄付
各種団体に、募金活動や自社製品を寄付
フードバンクへの災害時用備蓄食料の協力
規格外や賞味期限などの理由で、食べられるにもかかわらず処分せざるを得ない食料などを企業や個人から寄贈を受け、必要としている団体や人々に無償で提供するフードバンク活動。ヤマハグループはこの活動趣旨に賛同し、各事業所に備えている災害時用備蓄食料を入れ替え前に各団体へ寄贈し、生活困窮者へのサポートや食品廃棄物の削減による環境問題への対策につなげています。
被災地支援の取り組み
ヤマハグループでは、国内外で発生した災害被災地に対して、復興支援を行っています。
また、災害発生時に災害救助法の適用地域で被災されたお客さまに対して、被災した当社製品に対する特別対応を実施するなど、被災地の復興を支援しています。