生産技術とは、製品を生み出すために必要な「モノ作り技術」のことです。製造業には重要な技術で、ヤマハでは生産技術開発を続け、品質(Quality)、価格(Cost)、納期(Delivery)の改善に努めています。ヤマハの生産技術の特徴は、開発・生産プロセスを俯瞰し、高い視点から課題解決を追求する点にあります。また、同時に楽器作りに必要不可欠な匠の技をモノ作りに生かす方法を常に考えています。
生産技術
開発・生産プロセスを俯瞰し、匠の技を生かしながら、モノ作り技術やQCDの向上を通じて、顧客満足向上を実現
![[ 画像 ] 商品開発の流れと生産技術が関わる範囲の図](images/zu.gif)
ヤマハの生産技術の主な内容
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1.商品企画時点での製造拠点選択とコスト評価
製品の構成部品を抽出し、最適な品質、コスト、時間、量の製品ができる製造拠点と加工方法を提案します。
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2.商品設計時点での生産設計
製品を生産する際の各工程での作業性、安全性、経済性、環境対応性を考慮した生産設計を行います。
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3. 生産方法・生産設備の企画、設計、製造
生産のための専用設備や治工具を設計・製作し、生産工程、作業方法、検査方法を取り決めます。
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4.生産開始後の安定生産維持、コスト改善
生産の状況、生産性を調査し、その改善、効率化を図ります。
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5.生産技術の研究開発
長年の楽器生産で培われた匠の技・感性を技術化する方法や環境対応、商品価値向上のために、材料開発、加工技術開発、プロセス開発、設備開発などを常に行っています。
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6. 製造体質強化のためのモノ作り人材育成
生産拠点への技術指導とともに、製造ラインリーダーの育成プログラムを実施しています。
求められる資質やキャリアステップ
生産技術に携わる人材に求められるのは、「現象を論理的に把握し、解決すべき課題に対して仮説を立て、それを検証する力」であり、さらに「それを利用して解決方法を考え、周囲を巻き込み説得しながら解決に導く力」といえます。キャリアステップの例としては、
- 生産技術部門に配属され、要素技術開発や工場支援をする中で専門家としての生産技術力を磨く
- その技術を持って国内外の製造部門に異動し工場運営に関わる、もしくは商品開発部門に異動し競争力ある商品を開発する
- 生産技術部門や製造部門のリーダーとして活躍する
といったものがあります。
実務に取り組む中で、モノ作り専門技術(担当する範囲によっても異なりますが、塗装技術・IE技術・設備技術など)、工場管理、部門経営に必要な知識などが自分の中に蓄えられていきます。