大正琴&ヴィオリラのしくみ
ヴィオリラのしくみ

ヴィオリラは、大正琴とそっくりの外見ですが、実はいろいろ違いがあります。まず、胴体は空洞ではなく、厚い一枚板を使ったソリッドタイプです。大正琴がエレクトリックアコースティックギターだとすると、ヴィオリラはエレキギターのソリッドギターのような感じです。
共鳴が少ないのでそのまま弾くと演奏音は小さく、電磁マイクで弦の音を拾えばヘッドフォンを使って好きな音量で演奏が楽しめます。大きな音量にしたい場合はアンプにつなげば良く、CDやMDのプレイヤーと接続して競演することもできます。音質のコントロールや、リバーブ(残響効果)の切り替えも可能です。

天板と音階ボタンを外すと、一枚板のボディにフレット板がある状態に

天板と音階ボタンを外すと、一枚板のボディにフレット板がある状態に

ヴィオリラの各名称

ヴィオリラの各名称
  • 弦巻き
  • 駒(こま)/マルチブリッジ
  • 天板(てんいた)
  • 音質つまみ(トーンコントロール)
  • ヘッドフォン/外部出力端子
  • 弦押え
  • フレット板
  • 胴/ボディ
  • リバーブスイッチ
  • 弦ガイド
  • 音階ボタン(黒)
  • ボリュームつまみ
  • 電源アダプター接続端子
  • 弦受け
  • 音階ボタン(白)
  • 電磁マイク
  • 入力端子(F/B♭切替)

※各名称を選択すると、該当するパーツを拡大します

ヴィオリラの音質も大正琴と大きく異なります。低音を強調して音色をやわらかくしたり、高音を強調して音色を明るくはっきりさせたりすることができます。リバーブとは残響のことで、広い演奏ホールで弾いているような残響を得ることができます。

音階ボタンの数や配置は大正琴とほぼ同じですが、弦巻きの数は4つ。弦は、最大で4本です。
何もボタンを押さない開放弦の状態なら、4本ともソの音です。第1弦から第3弦は細弦でソプラノのソ、第4弦は少し太い細巻弦でそれより1オクターブ低いアルトのソです。つまり、大正琴の第5弦と第6弦がない状態といえます。

また、1本だけ低い音になっていますが、これが決まりというわけではなく、曲想やアンサンブルの編成によって、弦の数や種類を別の音域や音色にすることができます。たとえば、ソプラノ3本だけにして高く澄んだ音を出したり、アルトを2本張って落ち着きのある柔らかな音にしたりもできます。

上側の第1弦から第3弦は細弦、手前の第4弦だけ細巻弦

上側の第1弦から第3弦は細弦、手前の第4弦だけ細巻弦

低音を受け持つヴィオリラ ベース

低音を受け持つヴィオリラ ベース

また、ヤマハではヴィオリラでのアンサンブルがより楽しめるように、太い弦を1本だけ張った低音のヴィオリラベースも揃えています。こちらも張る弦の太さによって、ベースかテナーの音域が弾けます。

ヴィオリラ&ヴィオリラ ベース音階

ヴィオリラ&ヴィオリラ ベース音階