CFX PROJECT

[画像] CFX PROJECT

ヤマハピアノのフラッグシップモデル、
12年ぶりの刷新。
演奏者の想いと響き合う、
その至高の音を、世界の人々に届けよう。

ヤマハピアノの最高峰「CFX」ローンチプロジェクト

2022年、ヤマハコンサートグランドピアノのフラッグシップモデルである「CFX」が、12年ぶりのモデルチェンジを果たした。演奏者とピアノが一体となって奏でられる音は、まさにヤマハのピアノの象徴とも言える。同製品のグローバルローンチを牽引した一人の女性社員にフォーカスを当てる。

Project Member

武市 尚子

楽器事業本部 ピアノ事業部 コンサートピアノ推進グループ
2006年入社/発達科学部卒

CFX。それは、ヤマハの誇り。

ヤマハの音に、育てられた。

挑戦する姿勢も。困難を乗り越える力も。何かを成し遂げた時の喜びも。すべてはヤマハの「音」が教えてくれた。幼いころからピアノを本格的に学び、母親と共に全国各地のコンクールを巡る……。武市が、活躍のフィールドにヤマハを選んだことは、必然であり、運命だったのかもしれない。
2019年、そんな彼女にある重大なミッションが与えられることになる。ヤマハグランドピアノのフラッグシップモデルである「CFX」に、12年ぶりの新モデルが登場。そのグローバルローンチを担うプロジェクトに抜擢されたのだ。
「インフルエンサーとなるアーティストや、市場の声を踏まえながら、成熟した技術をさらに突き詰めていく。コンサートグランドピアノの開発は10年以上かけて、じっくりと行われていきます。「CFX」はヤマハピアノの最高峰。そのローンチに関われることは、私にとって何よりの喜びでした」

100人規模のチームで挑む、一大プロジェクト。

コンサートグランドピアノは、1台で数千万円という高価なもの。コンサートホールや音楽大学をはじめとした顧客に対する、BtoBのビジネスが中心となる。そのローンチも一般的な製品とは一線を画すものだ。カタログや広告の作成といったプロモーションはもちろん、第一線で活躍するアーティストとのコラボレーションや、試弾会の実施などを経て、その製品の評価を高め、顧客の信頼を勝ち得ていく「地上戦」がメインになる。
「ピアノの開発や生産を担うチームはもちろん、アーティストとのリレーションを担うチームや、音楽大学へのご提案を促進するチームなど、このプロジェクトに携わるメンバーは国内外で100人にも及びます。その中で、私が主に担当したのは製品ブランディングと効果的な価値伝達に向けたマーケティング戦略の立案・実行でした。ミッションは、新モデルの開発や生産におけるこだわりや楽器としての音の魅力をしっかりと伝えること。心がけたのは、足しげく現場に通うことでした。自らの目で見て、自らの演奏で体感し、その音を耳で聞く。その繰り返しで、製品の本質的な魅力を理解することができたと思っています」

その音は、「私と、響き合う」

新たな「CFX」に込められた設計思想は、「ユニボディコンセプト」。全てのパーツが巧みに合わさった設計によって演奏者とピアノが一体となって響き合い、人の心を動かす、かつてない音が奏でられるようになる。その魅力を短い時間で凝縮して伝えるのが、今回新たに制作したプロモーション映像だ。そこには、演奏者の姿は登場しない。余計な説明なども一切ない。「CFX」が奏でる音色と共に、職人たちの真剣な表情と、重厚感のある製品、そして、美しい工芸品のような部品の数々が映し出されるのみだ。だが、そこには確かに演奏者=人の存在が感じられ、「CFX」の魅力やこだわりを五感で理解することができる。
「チーム内で徹底的に議論し、試行錯誤を重ねた結果、たどり着いたコンセプトが『私と、響き合う。』でした。その案が出た時は、メンバーの誰もが『これだ!』という手応えを感じていたと思います。開発や生産の現場とコミュニケーションを重ね、その魅力をしっかりと理解することで、12年ぶりの新モデルにふさわしい、まっすぐな表現ができたと自負しています」

誰かの「笑顔」に、つながっていく。

今後、長期間にわたって「CFX」のプロモーション活動は継続していくことになる。目指すは、コンサートグランドピアノ市場のNo.1。チームメンバーたちには一切の慢心もない。
「ヤマハの特長である美しく明快な音に、奥深い表現力が加わった。お客さまからも高く評価いただいており、これまでにない手応えを感じているところです」
この製品は、コンサートホールや音楽の専門家たちだけのものではない。「CFX」が奏でる音色は、コンサートの聴衆や音楽を学ぶ人々に感動の波を広げていくし、フラッグシップモデルの特長は、ヤマハピアノの製品ラインアップに多大な影響を与えることになる。
「私がそうであったように、ヤマハの音には、たくさんの子どもたちを笑顔にする力があります。ピアノの演奏自体を楽しむこと。難しい曲に挑み、弾けた時の達成感を味わうこと。今の仕事が、多くの感動につながっていくと信じています。「CFX」に携われたこと。ヤマハの音を届けていること。そのすべてが、私の誇りなんです」