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読売新聞│配信日:2019年9月2日│配信テーマ:洋楽  Jポップ  その他  

サマーソニック ファンのニーズがっちり


 夏恒例のサマーソニック(サマソニ)とロック・イン・ジャパン・フェスティバルが今年も行われた。ともに20回目を迎えた大型音楽フェス。それぞれ現地の模様をリポートする。
 ■目立つ邦楽勢
 節目の年のサマソニは、通常より1日多い3日間の開催となった。チケットの売れ行きも好調で、音楽ファンのニーズを的確にとらえたと言える。
 豪華洋楽勢で知られるフェスだが、初日に最大規模のマリンスタジアムのステージでトリを務めたのは邦楽勢のB’zだった。大会場でのライブを繰り返している2人組だけあって、貫禄十分のステージを繰り広げた。「ultra soul」などは大いに盛り上がり、おなじみの曲を持つグループの強さを見せつけた。
 RADWIMPSらが登場した2日目は、スタジアム出演者8組中5組が邦楽勢だった。洋楽CDの売れ行きが芳しくない中、規模の維持を考えれば、邦楽勢が目立ってくるのは自然の流れなのだろう。
 ■洋楽もしっかり
 とはいえ、2日目のスタジアムのトリを米国の大物バンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズが務めたように、海外の音楽シーンの最前線を見せようという姿勢は変わらない。レッド——は、弾むようなベースを聴かせるフリーをはじめ、成熟したステージを見せた。日本での知名度は高くないが、海外で注目される新鋭もしっかり紹介。デビュー・アルバムが全英チャート1位になった実力派トム・ウォーカーは、渋い声で力強い歌を聴かせた。
 また、シェリル・リン、ネナ・チェリーら海外のベテランたちも登場。短い時間しか見られなかったが、ネナの電子音を導入した実験的な音作りは、多くの出演者の中でも特別な光を放っていた。
 ■ダンス勢強し
 3日目のスタジアムのトリ、米国のチェインスモーカーズはダンスミュージックの隆盛を象徴している。この日はアラン・ウォーカー、ゼッドらダンス系の人気者がスタジアムを沸かせた。
 彼らの音楽は踊りやすい明快なビートを軸にしている。歌詞やアーティストの事情を知らなくても、リズムに乗って楽しめる。凝った映像や派手な照明が音に力を加え、会場に一体感をもたらす。幅広い客層を集める巨大フェスで存在感を発揮するのもうなずける。
      ◇
 初日、台風の影響で浜辺のビーチステージの公演が中止となったが、それでも十分に楽しめた。来年はオリンピックの影響などで開催されない。洋楽好きにとってどれだけ寂しいことか。日本における洋楽文化をこれ以上衰退させないためにも、再来年、パワーアップして帰ってきてほしい。(桜井学)
 ——16〜18日、千葉・ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ。

読売新聞2019年8月22日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:桜井学

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