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読売新聞│配信日:2019年4月29日│配信テーマ:Jポップ  

「骨と筋肉の曲」でガツンと THE YELLOW MONKEY


 ◆19年ぶりアルバム 機が熟した
 ロックバンドTHE YELLOW MONKEYが19年ぶりのオリジナルアルバム「9999」(ワーナー)を出した。2001年に活動を休止し、04年に解散を発表。16年に再集結した。満を持しての新作は、グラマラスかつシンプルな、彼らにしか出せないサウンドに仕上がった。(桜井学)
 ドラムスの菊地英二は「再集結し、アルバムはずっと出したいと思っていたけど、自分たちの納得のいくものが作りたかったので、機が熟すのを待っていた」という。ツアーやシングルの発表を経て、「鳴らすべき音、出したい音、方向性が分かるようになった」。
 ベースの廣瀬洋一は「曲を作って、ライブをやろうという初期衝動に近いものがあります」と話す。新作はストレートでドラムス、ベース、ギターに歌というロックの基本形を軸にした。ギターの菊地英昭も多くの曲に「(メジャーデビュー前の)インディーズ時代のシンプルな感覚」があると続ける。バンドが一体となり、いいノリで演奏できていれば、「余計なものはいらなくなる」と英二。
 セクシーな歌詞の「Love Homme」は、まさにそんな曲だ。音数は抑えられ、それぞれの楽器音やなまめかしい歌が浮き立って聞こえ、耳の奥にガツンと響く。「骨と筋肉しかないような曲がやりたかった」と、ボーカル、ギターの吉井和哉。
 米人気バンド、ブラック・キーズの作品に携わったエンジニアのケニー・タカハシが参加。米国でも録音した。「ケニーは硬派、男らしくやれという感じ」と吉井。彼の手腕も骨太の音作りに貢献した。一方、「砂の塔」「Horizon」といったある種のポップさを打ち出した曲もあり、いいバランスになっている。
 バンドは1989年に現メンバーで活動を開始。攻撃性と親しみやすさを両立させ、「楽園」「球根」などのヒット曲を生んだ。日本を代表するバンドとなったが解散し、メンバーはそれぞれの道に進んだ。再集結のきっかけは、2013年のローリング・ストーンズの50周年記念ライブ。吉井が英国で見て感銘を受け、「俺のストーンズはTHE YELLOW MONKEYじゃん」と思い、メンバーに再集結を呼びかけた。英二が「喜びでしかなかった」と振り返るように、皆同意した。
 英昭は「新たな気持ちでやっている。『9999』は第2のデビュー作という感覚」と語る。吉井も「また5年休むとか、あり得ない。せっかく作った筋肉がもとに戻っちゃう」と笑う。バンドの前途は明るそうだ。

読売新聞2019年4月18日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:桜井学

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