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読売新聞│配信日:2018年12月24日│配信テーマ:洋楽  

22歳の思いリアルに 18年グラミー最優秀新人賞 アレッシア・カーラが新作


 ◆「歌詞の99%は実体験」 
 今年のグラミー賞の最優秀新人賞に輝いたカナダ出身のシンガー・ソングライター、アレッシア・カーラが新作「ペインズ・オブ・グローイング」(ユニバーサル)を出した。彗星(すいせい)のごとく現れた新たなスターは現在22歳。セカンドアルバムとなる新作は、大人になっていく過程での痛みなどを歌っている。(桜井学)
 ポップなサウンドに、存在感のあるソウルフルな歌声、リアルな心情表現で知られる。デビュー後短期間で成功し、生活は激変。常に注目されるようになった。「皆が私の言動に目を光らせていると思うと、怖くなる。でも音楽が大好き。だからこそ、この仕事をしているということを、忘れないようにしているわ」
 新作も彼女の等身大の思いを歌った。「『大人になること』が大事なのかさえ分からない それが孤独なだけのことなら」と歌う冒頭の「グローイング・ペインズ」ができ、「アルバム全体のテーマが見えた」と語る。「成長とともに、いろいろなことが変わり、皆、自分がどんな人間なのかを知っていく。それに伴う楽しさとつらさの双方を表現したかった」
 続く「ノット・トゥデイ」は失恋ソングで、つらい心情を歌う。「不幸をうまく扱えるようになるわ」と、自身の成長に期待しながら、「でもそれは、決して今日じゃない」と、なかなか前向きになれない。「歌詞の90%、いや99%は自分の実体験に基づいているの。それをはき出すことで、自分らしくしていられるし、聴き手にもリアルなものを伝えたいから」
 10歳ごろからギターを始め、その後、動画サイトに歌を公開した。英国の歌手で27歳で死去したエイミー・ワインハウスが大好きで、歌手に憧れていたが、「私、ママの前でも歌えないくらい、シャイだった。でも、それじゃダメだと思って、まずは動画サイトに挑戦しようと思ったの」。音楽業界の関係者が彼女に興味を示し、デビューに至った。2015年の初シングル「ヒア」はロングヒットとなり、全米5位を記録。うわさ話が飛び交うパーティー会場を舞台に「家でひとりで過ごしてた方がよかったかも」と周囲への違和感をつづった。「最初はラジオでもあまりかけてもらえなかった。受け入れてもらえるまで時間をかけて売り込んだわ」と振り返る。「ほかのポップソングみたいにハッピーな感じじゃない。でも、ほかの曲と違うってことが、クールなんだということを証明できたと思う」
 2017年には人気DJのゼッドと組んだ「ステイ」もヒット。「自殺防止ソング」として米国で大きな話題を呼んだロジックの「1‐800‐273‐8255」にも参加。若者を中心に支持を広げている。

読売新聞2018年12月13日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:桜井学

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