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毎日新聞│配信日:2018年7月9日│配信テーマ:その他  

<POPSこぼれっ話>結婚式ソングNo.1は?


 昭和にはよく聞いた「ジューン・ブライド」という言い伝えは今も残っているのであろうか。女性性や家庭を象徴するローマ神話の女神ジュノー(ギリシャ神話のヘラ)が6月(JUNE)の語源になっていることから伝わる欧米のことわざの一つで、「6月の結婚はジュノーの加護により幸せに続く」の意。日本では梅雨の真っただ中だし、古来忙しい田植えシーズンだし、今一つイメージがわかないのはしようがないだろう。

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 だが、縁起を担ぐのも悪くない。結婚式などで既成録音楽曲を使用するのに必要な著作権関係の処理をしてくれる一般社団法人「音楽特定利用促進機構(ISUM)」が、昨年1年間の利用回数などを集計して顕彰する「ISUMブライダル・ミュージック・アワード」が6月末に発表された。カラオケともCD売り上げとも微妙に顔ぶれが違うので紹介したい。

 ミュージック賞を獲得した1位は「Wherever you are/ONE OK ROCK」。以下2位「The Gift/Blue」▽3位「にじいろ/絢香」▽4位「永遠/BENI」▽5位「幸せをフォーエバー/MISIA」と続く。ただ、大ヒット曲と呼べるのは8位の福山雅治「家族になろうよ」くらい。披露宴などめでたい席のBGMとしてかけたいと思う音楽が、歌詞を聴き通さないと言いたいことが分からないような通好みの歌なのが、興味深い。発表式の司会を務めた高橋真麻は「自分の結婚式に流してほしい」と言いながら「家族になろうよ」を熱唱した。

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 5月19日の英国ヘンリー王子とメーガン・マークル妃との結婚式で「スタンド・バイ・ミー」やエルトン・ジョンだけでなく、王立音楽大学の19歳の学生であるシェク・カネー=メイソンのチェロ演奏も記憶に残った。メーガン妃が直接電話でシェクに演奏を依頼したという。演奏した3曲のうちシューベルトの「アヴェ・マリア」は夫妻のリクエストとか。特別な日の音楽はいずこも格別である。(川崎浩・専門編集委員)

毎日新聞2018年7月 2日東京夕刊(1版)掲載 執筆記者:川崎浩

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