[ 画像 ] 今週の音楽記事から 音楽ジャーナリストの眼 毎週月曜更新

新聞記事

読売新聞│配信日:2018年1月1日│配信テーマ:Jポップ  

[回顧2017]音楽 安室、SMAP… ベスト盤話題


 ◆昭和代表する作曲家、歌手ら他界
 2017年のポピュラー音楽では、昨年いっぱいで解散したSMAPや来年の引退を表明した安室奈美恵らのベスト盤が話題を集めた。また、昭和を代表する作曲家らが亡くなり、時代の移り変わりを強く感じさせる1年となった。(桜井学、鶴田裕介)
 
 ■ヒット作、話題作
 CDの売り上げだけでなく、インターネットの動画再生数やダウンロード回数、ラジオでの放送回数などの要素も加味したビルボードジャパン年間総合ソング・チャートでは、星野源の「恋」がトップだった。ドラマ主題歌で、曲に合わせて踊る「恋ダンス」も人気を集めた。昨年の年間チャートでも3位を記録したが、動画の再生数などが好調で今年は1位となった。2位は英国のシンガー・ソングライターのエド・シーランの作品。親しみやすい旋律で日本でも受けた。3位はDAOKOと米津玄師によるアニメ映画主題歌。ネットでの人気が高かった。
 CDの売り上げにダウンロード回数などを合算した同年間総合アルバム・チャートでは、来年9月の引退を突如発表した安室奈美恵のベスト盤がトップに。発売初週に100万枚以上が売れた。四半世紀にわたり活躍を続け、彼女のファッションをまねした「アムラー」と呼ばれる人たちが現れるなど、強い影響力があった。2位は昨年いっぱいで解散したSMAPのベスト盤。back number、ONE OK ROCKとロックバンドがトップ5に食い込んだ。
 ■概況
 日本レコード協会によると、10月末までのCDなどオーディオレコードの生産額は1378億円で前年同期比5%減。一方、アナログレコードは引き続き好調で、生産額13億円と同19%増に。音楽ビデオを含めた音楽ソフト(デジタル音楽配信は除く)全体の生産額は、1845億円と同6%減だった。
 デジタル音楽配信では、「定額制・聴き放題」のいわゆる「サブスクリプション」の1〜9月の累計売り上げは175億円。シングル、アルバムのダウンロードなどを合わせた音楽配信全体では428億円で、前年同期比10%増だった。同協会は「サブスクリプションの利用が伸び、音楽配信全体を押し上げている」としている。
 ■JASRAC
 日本音楽著作権協会(JASRAC)が、音楽教室での演奏についても、著作権料を徴収する方針を発表。教室側は反発し、裁判となった。JASRACは外国映画上映時に配給会社から徴収している劇中音楽の使用料も、これまでの1作品一律18万円から、興行収入に連動させる形に変更する方針で、今後の動きが注目される。
 ■悲報
 「王将」や「矢切の渡し」の船村徹。「瀬戸の花嫁」や「よこはま・たそがれ」で知られ、歌手としても活躍した平尾昌晃。昭和を代表する作曲家2人が亡くなった。「聖母(マドンナ)たちのララバイ」などのヒット曲の作詞家、山川啓介も世を去った。
 歌手では「南国土佐を後にして」「学生時代」のペギー葉山や、スパイダースのメンバーとして活躍し、ソロでも「我が良き友よ」をヒットさせたムッシュかまやつが死去。鶴岡雅義と東京ロマンチカのリードボーカルの三條正人や、フォークブームを盛り上げ、その後も個性的な音楽を生み出してきた加川良、遠藤賢司、はしだのりひこらも相次いで他界した。
 ロックンロール創始者の一人、チャック・ベリー、人気バンドのリンキン・パークのボーカルだったチェスター・ベニントン、洗練された音楽で知られるスティーリー・ダンのウォルター・ベッカー、シンガー・ソングライターのトム・ペティと、米国からの訃報(ふほう)も多かった。
 
 【記者が選ぶ年間ベスト】
 ★音楽シーン全体への貢献度も加味し、米ベーシスト、サンダーキャットの「ドランク」をベストに推したい。ジャズ、フュージョン的なサウンドの再評価ともいうべきトレンドは、彼の充実した仕事の影響が大きい。ヒップホップのタイラー・ザ・クリエイター、ベテランのアート・リンゼイの新作も良かった。(桜)
 ★Suchmosの「THE KIDS」は、メンバーの若さからは信じられないほど演奏がうまく、聴いていて心地よかった。これぞ音楽。ジャズは、山中千尋がセロニアス・モンクを再解釈した「モンク・スタディーズ」が聴き応えがあった。ロックの原点に立ち返った台風クラブの「初期の台風クラブ」に勝手に敢闘賞を差し上げたい。(鶴)
 
 【ビルボードジャパン年間チャート】
 ■総合ソング・チャート
 1 恋              星野源
 2 シェイプ・オブ・ユー     エド・シーラン
 3 打上花火           DAOKO×米津玄師
 4 不協和音           欅坂46
 5 二人セゾン          欅坂46
 ■総合アルバム・チャート
 1 Finally        安室奈美恵
 2 SMAP 25 YEARS  SMAP
 3 アンコール          back number
 4 「untitled」     嵐
 5 Ambitions      ONE OK ROCK
 (集計期間:2016/11/28〜2017/11/26)

読売新聞2017年12月21日読売新聞記事(1版)掲載 執筆記者:桜井学

Jポップ   のテーマを含む関連記事