• [ 写真 ]互いにリスペクトし合う風通しの良い組織へ

互いにリスペクトし合う
風通しの良い組織へ
-従業員エンゲージメントを高める取り組み-

人々の仕事のあるべき姿として、SDGsゴール8にも掲げられている「ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」。働く人々が守られる安全・安心な労働環境のもと、やりがいのある仕事を通じて一人一人が自己実現を図り、成長できてこそ、真の意味でのディーセント・ワークが実現します。

ヤマハグループの従業員同士、そして従業員と会社が互いにリスペクトし合い、ともに成長できる風通しの良い組織づくりのために。従業員エンゲージメント向上を目指す、当社の取り組みを紹介します。

[ アイコン ]8 働きがいも経済成長も

さまざまな対話を通じて、風通しの良い職場づくりを促進
ー 組織風土活性化の取り組み

人々が働く職場環境においては、業務効率を重視するあまり、職場内コミュニケーションが希薄化し、会社や職場への帰属感、業務に対するモチベーション、組織活力の低下という問題が起きています。さらに新型コロナウィルス感染症により対面コミュニケーションが大きく制約されたことで、これらの懸念は高まりを見せています。

ヤマハグループは組織活力の維持・向上には、まず、従業員の心理的安全性を高め「考えたことを自由に、安心して発言できる」風通しの良い組織づくりが必要と考え、従業員同士、経営陣と従業員との対話を促進しています。2020年4月からは、部門単位で経営層と従業員がオンラインで会話し、お互いの理解を深めるミーティングを行うなど、部門の特色に合わせたテーマ・手法でコミュニケーションを図り、「互いにリスペクトし合う風通しの良い組織風土」の醸成を進めています。

対話の場の創出

「互いにリスペクトし合う風通しの良い組織風土」の実現に向け、経営陣と従業員の対話の場を創り出す

目的
  • 互いにリスペクトし合う風通しの良い組織風土づくり
  • 組織の枠を超えたコミュニケーション
テーマ フリー
対象者 部門の全従業員
※話しやすさを考慮し、階層別に分けて実施
方法 Teams会議(オンライン)
内容 参加者とのカジュアルな対話(会話)
※テーマは設定せず
参加者 本部長、従業員(8名程度)
頻度、時間 月2回、1時間

★ある本部の取り組み例

「会えない今こそ対話をしよう」。リモート職場訪問の試み
ー 中田さんが行く!頑張る職場訪問

上記の取り組みに加えて、2020年6月からは、社長による「頑張る職場訪問(リモート編)」をスタート。

各職場と社長とのオンラインミーティングで、社長自らが職場の特長や魅力を掘り下げ、その様子を全従業員で共有するという取り組みです(2021年6月末現在、40回実施)。

コロナ禍において、オンラインに限定されたことを前向きに捉え、従来行ってきた社長の職場訪問よりもさらに回数や人数、対話時間を増やすことができています。従業員と経営陣、職場同士、従業員同士の理解を深めていくと同時に、当社がこれからの時代の変化にどう対応していくのか、その姿を示すことにもつながっています。

[ 写真 ]

ブランド高揚への寄与を讚え、チャレンジする風土を醸成
ー Yamaha Awards

Yamaha Awardsは、ヤマハフィロソフィーを体現する活動をグローバルに共有し、さらなる高みを目指してチャレンジする風土を醸成するため、ヤマハブランドの高揚に寄与した活動を称える社長表彰制度です。国内外のヤマハグループとヤマハ音楽振興会で働く全ての従業員を対象に、5つのエントリー部門から各賞を決定。さらに全部門の中で最も優れた活動にグランプリを授与します。

Yamaha Awardsの特徴は、最終選考に残ったファイナリストが、審査員の前でプレゼンを行う公開の最終審査会を通じて、各賞とグランプリを決定する点です。年間のベストプラクティスを共有することで、従業員のモチベーションを刺激すると同時に、ヤマハフィロソフィーを多面的に再確認する機会となっています。

[ 写真 ]

Yamaha Awards 各部門と審査対象

Product Award

エントリー時点で対外発表もしくは発売された商品およびサービス

Sales & Marketing Award

販売促進を目的とした活動および市場成長・シェア拡大を目的に顧客との繋がりを強めた活動

Invention Award

技術的・市場的観点で先見性を有すると思われる技術(既に製品に搭載されている技術も含む)

Bolstering Business Award

事業を支え、けん引することを目的に、新たに取り組んだ活動や既存取り組みの抜本的改革

Process Innovation Award

業務を遂行するにあたり、そのプロセスの改善に取り組んだYPM活動

サーベイと改善の繰り返しで、従業員の働きがいを継続的に高める
ー 働きがいと働きやすさに関する意識調査

2020年10月、ヤマハでは国内ヤマハグループ全従業員を対象に、「働きがいと働きやすさに関する意識調査」を行いました。

従業員と会社が同じベクトルの下でモチベーションを高め合い、ともに成長する会社でなければならないとの想いで実施したものです。

その目的は、①働きやすさと働きがいの向上により、従業員と会社双方の成長を実現する。②組織・従業員の実態を把握、課題を明らかにし、組織風土活性化の取り組みへ結びつけること。

対象となった国内グループ企業の6,663名中、約97%から回答が得られ、職場環境・風土への従業員の関心の高さが伺われました。

調査では、従業員がヤマハで働くことの誇りや成長の実感、学びを高く感じており、職場環境においてもチームメンバーとの関係性や、同僚や上司の協力、風通しの良さを挙げている一方、経営ビジョンの浸透や部門間のコミュニケーション、人材育成のキャリア目標に対するサポートなど、組織として改善の余地があることがわかりました。調査結果はマネジメントを含む全従業員にフィードバックされ、それぞれの部門で風通しの良い企業風土を目指す活動につなげていきます。

2021年度からは海外のグループ企業にも対象を拡大し、さらに必要に応じてパルスサーベイ※1を実施するなど、より大規模かつきめ細かい取り組みを進めていく予定です。

  • ※1 簡便なアンケート等により、従業員の満足度を高頻度で調査する手法。

「働きがいと働きやすさに関する意識調査」概要

  • 実施時期 2020年10月
  • 対象者  国内ヤマハグループ企業で働く全従業員
  • 実施方法 Web回答/紙回答

主旨・目的

  • 働きやすさと働きがいの向上により、従業員と会社双方の成長を実現する。
  • 組織・従業員の実態を把握、課題を明らかにし、組織風土活性化の取り組みへ結びつける。

回答率

全体で6,459名(96.9%)が回答。全グループ企業で90%を超える回答率でした。

対象数 未回答数 回答数 回答数内訳 回答率
Web
6,663 199 6,459 6,328 131 96.9%

全体総括

「第一部 エンゲージメントに関する調査」
  • 「チームメンバー」「上司」など身近なチーム内の関係性は良好
  • ヤマハで働くことの誇り、仕事を通じた成長・学びを実感
  • 部門を超えたコミュニケーション、人材育成やキャリア目標に対するサポートなどに課題
「第二部 価値観と課題・計画の共有に関する調査」
  • ヤマハフィロソフィーやお客さま意識の浸透度は高い
  • 経営ビジョンやブランドプロミスの浸透や理解に課題

上記集計の他、サーベイでは個々の従業員が考える組織の課題や問題点が多く寄せられました。これらの結果は、各部門の組織課題に対する新たな気づきが得られるよう、各部門長宛にフィードバック。それぞれの部門において、組織風土に対する気づきや意見を一人一人が自由に発信し共有できる場を設け、会社や組織がより良くなる活動を展開しています。

「自由に声を上げられる」「声をあげて良かった」そう思えるヤマハを、一緒につくっていきましょう。
ー 「 働きがいと働きやすさに関する意識調査」に寄せて

「ヤマハを良くしよう」という思いから、忙しい中、率直な意見を表明していただいた全ての人に心から感謝します。

回答者の約6割にあたる人たちが、記述式のコメント欄に現状の課題や貴重な提言を書き綴ってくれ、私自身も、その寄せられた4,000件にも及ぶ記述コメントの全てに目を通しました。こうした声の一つ一つに耳を傾け、考え、意見交換し、改善策を実行に移すことが私の使命だと改めて思いました。

皆さんがもっと働きやすく、そして働きがいを感じられる会社にするためにやらなければいけないこと、そしてできることはたくさんあります。経営レベルで取り組むもの、部門で取り組むもの、また、皆さん一人一人に意識して取り組んでいただくべきもの、いっぱいあると思います。また、全ての問題の根底にある「コミュニケー ションの不足」に対しては、皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思っています。

例えば、自分から挨拶をする。感謝の気持ちは思うだけでなく、ちゃんと口にする。呼びかける時、役職ではなく、一人ひとりの名前を「さん付け」で呼ぶ。小さいことかもしれませんが、人と人との距離を近くする取り組みを、まずは私が率先して始めようと思います。

皆さんが思ったことを言える会社、言うべきことを言える会社にするために、私たち経営層が今まで以上に行動を変える。今回の調査結果から、改めてそんな決意を固めました。

皆さんが「声をあげてよかった」「今度は部門の中で意見を言ってみよう」そんなふうに思えるヤマハにするために、少しずつでも、時間がかかっても、できることを積み重ねていきたいと思います。

取締役 代表執行役社長
中田 卓也