コロナ禍は、仕事だけでなく日常のあらゆる対面コミュニケーションに影響し、人々の音楽活動やスポーツイベントなども制約されることになりました。ヤマハの遠隔コミュニケーション技術は、このような制約に対し新たなソリューションを提案しています。
その一つである「SYNCROOM」はヤマハが独自に開発した遠隔合奏技術「NETDUETTOⓇ」を採用した、リアルタイムに音楽セッションを楽しめるアプリケーション。既存のIP電話やWeb会議システムでは避けられなかった「音の遅延」を、音楽合奏に許容される範囲まで小さくしました。演奏中もオーディオの遅延幅を監視し、快適で自然な合奏を実現します。
「SYNCROOM」の前身となる「NETDUETTO β」は、コロナ禍以前より場所にとらわれずにセッションできる遠隔合奏ツールとして利用者を拡大してきましたが、現在では「SYNCROOM」を活用して文化祭の音楽ステージをWeb開催したり、リモートセッションのライブ配信をしたりなど、さらに幅広いシーンで音楽の楽しみを支えています。
「Remote Cheerer powered by SoundUD」は、スマートフォンをタップするだけで、競技スタジアムなどに、離れた場所から声援を届けることができるリモート応援システムです。スタジアムのスピーカーから拍手や歓声を流したり、ファン同士が交流できるバーチャル空間を提供しています。無観客試合などでスタジアムに行くことができないサポーターやファンの方、病気やケガで入院されている方などがリモート応援できるようになり、サッカー、野球、バスケットボール、ラグビー、アメリカンフットボール、プロレス、陸上などの試合で活用されています。
また、音楽イベントに関わる全ての方に注目されているのが、次世代のライブビューイング「Distance Viewing」です。「Distance Viewing」の一番の特徴は、アーティストのライブパフォーマンスを音響データや映像データ、照明データとして記録し、離れた場所にあるライブ会場で忠実に再現できること。前述の「Remote Cheerer powered by SoundUD」と連携すれば、ファンの声援を現場に届けることもでき、ライブ特有の一体感を演出します。コロナ禍により大人数でのイベント開催や遠隔地への移動が制限される中、感染拡大対策と動員・収益回復を両立する手段として期待が集まっています。