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品質保証

ヤマハのブランド価値を高めるため、
品質に関する指針を示し、お客さま視点を推進する

「グループ全体の製品・サービスの品質向上と、製品コンプライアンスの徹底に貢献すること」をミッションに掲げ、社長直轄の品質保証部門として、ヤマハグループ全体の品質マネジメントを担っています。
楽器・音響事業の一部については品質保証業務の実務も行っていますが、基本は全体のマネジメントです。例えば新しい法規制ができた時に、ヤマハグループとしてそれにどう対応するかという方針やガイドラインを、品質保証部が示します。そしてそれぞれの事業部門が、それを実際に開発や製造などの業務に反映させます。

社外員を含めた要員体制は約150名で、コーポレートの品質保証部門として厳格に対処する責任感と、お客さまにご満足いただける製品を提供するために日々尽力しているという高いモチベーションを持って、業務に取り組んでいます。主な業務内容は次のようなものです。

  • グループ全体の品質ガバナンス
    • グループ全体の品質方針や品質目標策定
    • 各事業の品質状況確認
    • 仕組みの監視と支援(PDCAによる運営を含め)
  • 製品法規制情報発信と、製品品質基準の遵守性管理
  • ヤマハフィロソフィーの顧客体験や品質指針を軸とした風土醸成活動

今日、品質に関するリスクはあらゆるところに存在します。製品法規制の適合性はもちろん、ヤマハとして定めた品質基準への遵守性や、一時世間を賑わせた製造プロセスなどにおける品質不正の問題、さらには「お客さま視点」が不十分な製品仕様など、枚挙に暇がありません。これらはヤマハブランドの毀損に直結しかねないリスクであり、これらを撲滅すべく、さまざまな活動に取り組んでいます。

製品の安全性を担保することは大前提ですが、それ以外にも、ヤマハのブランド価値を守るうえで品質に妥協は許されません。一例を挙げれば、主力事業の1つである鍵盤楽器事業において、鍵盤の耐久性には非常にこだわっています。お客さまに長年にわたってご満足いただけるように、入念なテストを行っています。 今後は、SDGsへの取り組みも、さらに重要度を増していきます。マイクロプラスチックへの対策などが求められる世界的な潮流のなか、ヤマハには何ができるかということを開発や物流部門などと相談し、梱包時のビニール袋などについて検討を重ねています。また社内では、エコプロダクト認定制度を設けて、省エネ性の高い製品の認定などを行っています。

現場では、日々多くの業務に取り組むなかで、ともすれば品質保証の意識が薄れてしまいがちです。そこで11月を「品質月間」と定めて、グループ全体の社員に改めて自分たちの製品やサービスの品質について考えてもらう、原点回帰の試みを品質保証部が主導しています。

コーポレート品質保証機能と事業との関わり

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しっかりした仕組みを構築し、
高い意識や感度で取り組むことが品質保証業務の要諦

品質保証部門は業務範囲が広いため、さまざまなキャリアの持ち主がいます。入社からずっと品質保証に関わってきた社員もいれば、他の開発部門や生産部門、営業部門などを経験してきた社員もいます。 人材育成の観点からも、キャリアパスとして異なった業務を経験するのは望ましいことです。品質保証の領域は広いので、どんな部門の経験やスキルも役に立ちます。そこで、部の内外に関わらず、新たな業務へ取り組む機会を創り出しています。また、社外との交流も視野を広げるうえで有意義です。品質革新マネジメントフォーラムなど業務が関連する社外機関への参加も、積極的に行っています。

品質保証の業務を推進するにあたり重要なポイントとなるのは、しっかりした仕組みを構築し、そのうえで高い意識や感度を持って取り組むことです。日々の実践により、これらのスキルを高めていきます。定期的に行う品質監査のようなチェック業務以外にも、実際に仕組みが運用される様子を確認し、有効なフィードバックを得たらそれを仕組みに反映し、より仕組みの質と効率性を高めていきます。

中期ビジョンは、
「各々の領域で、お客さま満足度業界No.1のブランドとなる」こと

品質保証戦略としての中期ビジョンは、「各々の領域で、お客さま満足度業界No.1のブランドとなる」ことです。その実現のためには、お客さまの不満足につながる要因を減らし、ブランド価値向上に通じる風土や環境を整える必要があります。 そこで、各事業における品質リスクを常に監視し、改善につながる支援を行うことと、グループ全体がお客さま目線に基づいた行動になるように顧客体験(実際のお客さまの受け止め方、感じ方)を把握し、社内に情報発信するなどして、そうした風土を醸成することが重要になります。お客さまの立場で物事を考えることができ、日々の業務の中でそれを高い感度で実践できる人材が求められます。

ユーザー登録時のアンケート回答や、お客さまコミュニケーションセンター(お客様窓口)に寄せられたお問合せ、インターネット経由でのご指摘・ご要望など、品質保証部には、さまざまなかたちでお客さまの声が集積します。それは、ヤマハ製品の魅力や改善ポイントに関する情報の詰まった、宝の山のようなものです。現在、システムを構築してその情報の全社共有を進めています。時には、品質保証会議などの場で、製品仕様に関する提案のようなかたちで、担当部門と共有し、フィードバックを行うこともあります。

また、「重要品質問題」と呼ばれる、PL法(製造物責任法)や事業リスク訴訟に関わってくるような緊急性と重要度の高い問題は、管掌する部門として早急な対応を主導していきます。

さらにヤマハは事業をグローバルに展開しているため、国ごとに異なる法律をしっかり把握し、それに適切に対応することに、特に力を入れて取り組んでいます。まずは現地法人や国内外の専門機関を通じて、各国の情報を集めることが大切です。それを自分たちで分析・咀嚼して、ヤマハの事業に適用していきます。楽器業界や音響機器業界の他社と情報交換していると、ヤマハの取り組みはかなり進んでいると認識はしていますが、それに安住することなく、さらに網羅性を上げるため、引き続き力を注いでいきます。