[写真] 音楽を続けたい思いに応える、ヤマハの新しいレッスンのかたち。「YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE」が広げる学びの可能性

音楽を続けたい思いに応える、ヤマハの新しいレッスンのかたち。「YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE」が広げる学びの可能性

「音楽レッスン」の可能性を広げる新サービスの登場

2026年3月27日、ヤマハ株式会社(以下ヤマハ)、株式会社ヤマハミュージックジャパン(以下ヤマハミュージックジャパン)、一般財団法人ヤマハ音楽振興会(以下ヤマハ音楽振興会)による新しいスタイルのオンライン音楽レッスンサービス「YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE」がスタートしました。

[写真] YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINEのバナー

「YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE」は、ヤマハミュージックスクールで楽器・歌のレッスンを指導する認定講師による個別指導を、オンラインで受けることができます。練習動画や質問を講師に送ってフィードバックをもらう「チャットレッスン」を基本機能とし、ビデオ通話で演奏などの個別指導をリアルタイムに受けられる「ライブレッスン」付きのプランも用意されています。受講者は時間や場所の制約から解放され、自分のペースで音楽学習を進めることができるのが大きな特長です。

本記事では、「YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE」のプロジェクトにそれぞれの専門分野の知見を生かして参画した、ヤマハの北原英里香と、ヤマハ音楽振興会の大友茂のインタビューを通して、企画が立ち上がった背景や、このサービスが切り拓く音楽レッスンの新しい可能性を描き出します。

「音楽を続けたいのに続けられない」という課題が出発点

「YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE」の起点になったのは、「テクノロジーのチカラで人と音楽の可能性を広げる」ことを掲げるミュージックコネクト事業の一環として、楽器ユーザーのニーズ調査を実施したことでした。
「ユーザーインタビューなどを重ねる中で、『育児や介護に追われたり、仕事が忙しかったりして定期的に音楽教室に通う時間が作れず、楽器レッスンを続けたくても続けられない』というお客様の声が浮き彫りになりました。このような課題があるという仮説は以前から検討されていたのですが、その存在を明確に認識できたのが大きな成果でした」(北原)

[写真] プロジェクトを担当したミュージックコネクト事業推進部 北原英里香
プロジェクトを担当したミュージックコネクト事業推進部 北原英里香

「お客様が抱えるこのような悩みに対して、ヤマハに何ができるのか」と、企画がスタート。リサーチと検討を重ね、2025年にオンライン音楽レッスンの開発プロジェクトが本格稼働し、ヤマハグループの多様なノウハウが集積したチームが結成されました。サービスの運営主体となるヤマハミュージックジャパンからは、マーケティングやお客様窓口などを担当するメンバーが参加しました。
サービスの企画・開発を行うヤマハのミュージックコネクト事業推進部には、将来的な海外展開も視野に入れて、海外国籍のスタッフも含めたメンバーが顔を揃えました。
そしてヤマハがともに開発を進めた外部パートナーが、アメリカに拠点を置き、オンライン音楽レッスンに豊富な実績を持つTrueFire Studios社です。
「TrueFire Studios社のプラットフォームを活用して、サービスの基本仕様を固めることができました。また同社が持つオンライン音楽学習ユーザーが求める機能やユーザーインターフェースなどについての知見も、非常に参考になりました」(北原)

オンラインレッスンという土台が固まると、「ヤマハだからできること」が、次のテーマとなります。そこで鍵となったのが、これまでに培ってきた、「ヤマハミュージックスクール」のノウハウでした。教材コンテンツ制作や講師の育成といったヤマハならではの大きな強みを活用すべく、新しいサービスをヤマハ音楽振興会とともにつくり上げていくこととなりました。
「オフラインのヤマハミュージックスクールで使われているものをベースに、オンラインという環境を生かせる動画素材を追加するなど、『YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE』にふさわしい教材を一緒に作り上げていきました」(大友)

[図] YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINEが、従来の音楽レッスンにおける課題をオンラインならではの学習環境で解決することを示した図
YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINEが解決する音楽学習の悩み

オフラインの音楽教室を通じて見えてきた生徒の要望にフィット

ヤマハミュージックスクールの中でも大人を中心とした「楽器・歌のレッスン」の受講者数は増加を続けており、2026年7月時点で国内に27万人いるヤマハの音楽教室の生徒の約3分の1を占めています。ヤマハ音楽振興会が長年の教室運営を通じて把握していた受講者の事情やニーズも、「YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE」のコンセプトに合致するものでした。

「レッスンに通われる方も、介護や子育てといった家庭の事情や、仕事や学業が忙しくなり時間が作れなくなったという理由でやむなく退会されるというケースがしばしばあります。また、教材は常にその時代の生徒さんのニーズや特性を反映させているのですが、この数年顕著なのが、我々が『個別最適化』と呼んでいる、生徒さん一人ひとりのニーズに合わせた教材の変化です。『YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE』の、好きな時に好きな音楽を学べるという、生徒さんに寄り添うコンセプトは、とても時代の流れとフィットしていると感じました」(大友)

[写真] 教材の開発や講師の育成を担当したヤマハ音楽振興会 事業開発本部 大友茂
教材の開発や講師の育成を担当したヤマハ音楽振興会 事業開発本部 大友茂

時に試行錯誤する中で、常に道しるべとなった企画の原点

開発が進む中で、北原はサービス設計やユーザー体験の検証を繰り返しました。「ヤマハミュージックメンバーズ(現Yamaha Music Connect)」会員などからベータ版のテストユーザーを募り、課題の洗い出しをしてTrueFire Studios社の開発チームに共有して改良を重ねました。

「『YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE』は、関係者が非常に多いプロジェクトです。皆さんそれぞれ、『こういう機能があったらいい』『こういうサービスになったらいい』という熱い思いがあるので、企画としてまとめ上げるうえで試行錯誤を繰り返しました。行き詰った時には、『音楽を続けたいというお客様の想いに応える』という企画の原点に常に立ち返り、方向性を見失わないようにしました。家庭の事情でやむを得ず音楽を続けることを断念した方から『これなら楽器のレッスン時間を家でも作ることができる。音楽を諦めなくてよかった』と感謝の声をいただいた時、このサービスの意義を改めて実感することができました」(北原)

ユーザーの期待や要望にきめ細かく応えることを念頭に設計された『YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE』の特徴として、たとえば以下のようなものが挙げられます。

  • メリット1:動画を何度も見返しながら、自分のペースで練習できる
    「オンラインレッスンというとリアルタイムのビデオ通話レッスンが連想されやすいのですが、チャットレッスンの機能を活用していただくことで、成長のペースを自分でコントロールできます。ちょっとしたすきま時間ができた時に練習に取り組み、すぐに講師からアドバイスをもらえるのが最大の利点だと考えています」(北原)
  • メリット2:講師のテクニックを詳細に確認できる
    「講師によっては、手元のアップ用など複数のカメラを設営しています。対面レッスン時よりも克明に講師の手の動きなどを観察できるので、生徒さんの満足度が高まるケースもしばしばです」(大友)
  • メリット3:「ベストテイク」披露のためモチベーションも向上
    「生徒さんが『練習を重ねて進捗があった』『納得の行く演奏ができた』というタイミングで、講師に動画を送ることができるため、良い意味での『生徒さん主導』のレッスンが実現します。生徒さんの成長をより実感できるという講師も多いようです」(北原)

意欲的に取り組むヤマハ認定講師から寄せられた、数々の気づき

受講生の「音楽レッスンを続けられない悩みを解消する」という利点が分かりやすい「YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE」ですが、ベータ版やサービス開始後の運用の中で、講師にも多くのメリットがあることが実感されています。

  • メリット1:必要な機能が統合されたプラットフォーム
    『YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE』では、ライブレッスンやチャットレッスンの基本機能に加え、レッスンプランの作成、スケジュール管理機能など、レッスンの提供に必要なすべての機能が統合されています。
  • メリット2:「チャットレッスン」の副次的効果
    「『チャットレッスン』で生徒さんの演奏にフィードバックをする際、これまで感覚的な口頭でのアドバイスで済ませてきたところを、的確な内容の言語化を意識するようになったので、自分の指導スキルの向上に役立つ、と語ってくれた講師の方がいました。私たちが考えていた以上の効果を、意欲的な講師の方は自分で発見してくれているようです」(大友)
  • メリット3:全国の生徒を指導できる
    「想定以上に地方の講師や生徒さんも活用してくださっている印象です。オンラインであれば全国の生徒さんを指導できるという点に魅力を感じていただいています。また、生徒さんが集まる『人気講師』を目指してプロフィールを充実させてセルフプロデュースに力を入れるなど、モチベーション向上の契機にもなっていると思います」(北原)
  • メリット4:対面とオンラインの併用でスキマ時間をフル活用
    「1週間、ほぼびっしり対面レッスンをやっていても、スキマ時間を使ってオンラインレッスンをやりたいと言ってくれる意欲的な講師さんもいます」(北原)

    「『オンライン音楽レッスンの未来を一緒に作っていきたい』と言ってくれた講師の方がいて、涙が出そうになりました。まだまだ改善の余地がある進化途上のサービスですが、そこに未来を感じてくれる講師の方がいるということに勇気づけられますし、そうした思いを持つ講師の方々が周りの仲間を巻き込んで輪を広げてくれることに期待したいです」(大友)
[写真] 「認定講師の方々や、いま検討中という講師の方をつないでノウハウを共有する場を作れればと考えています」(大友)
「認定講師の方々や、いま検討中という講師の方をつないで
ノウハウを共有する場を作れればと考えています」(大友)

「YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE」が拓くさらなる可能性

2026年3月末のサービス開始後から、利用者は順調に広がっています。講師の募集も本格的に開始し、ピアノ、ギターでは約100名の認定手続きを進めている状態です。

「現在の受講生は、もともとのヤマハファンの方や、かつて音楽教室に通われていてオンラインでのレッスン再開を希望されるようなお客様が中心です。今後、より多くのお客様に楽しんでいただくために、『音楽をやるならオンラインレッスンという選択肢もある』という情報自体をお届けすることに力を入れたいと思っています」(北原)

[写真] 「サービスはまだ発展途上。生徒さんや講師の方の声に耳を傾けて、さらに質を向上させていきます」(北原)
「サービスはまだ発展途上。生徒さんや講師の方の声に耳を傾けて、
さらに質を向上させていきます」(北原)

大友は以前に手がけたヤマハ音楽振興会のアンケート調査結果から、「大人で、機会があれば楽器をやりたいと考えている潜在的なニーズの巨大な市場がある」という手応えを得ています。
「いまヤマハミュージックスクールに来てくださっている方々は、いわばピラミッドの上部のボリュームで、裾野の部分に、はるかに広大な楽器人口がその機会を待っています。『YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE』をきっかけに楽器を手に取る方が増え、そこに魅力を感じて認定講師も増えていくという好循環が生まれることで、私たちの想像を超えるようなムーブメントが起きる可能性に期待したいと思っています」(大友)

[写真] サービスが順調に離陸し、より多くのお客様に「YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE」の魅力を伝えたいと意気上がる2人
サービスが順調に離陸し、より多くのお客様に「YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE」の
魅力を伝えたいと意気上がる2人

(取材:2026年7月)


Q&A

Q:初心者でも大丈夫ですか?
A:もちろんご受講いただけます。講師が受講生のレベルに合わせて丁寧にサポートします。
Q:どのようなレッスンプランがありますか?
A:チャットレッスンを行うスタンダートプランと、チャットレッスンに加えてオンラインのライブレッスンを受けられるプラスプランがあります。ライプレッスンは、月に1回、2回、4回の中から選択することができます。いずれのプランも、ヤマハ認定講師が受講生に最適な学習プランでレッスンします。
詳しくは、YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINEのウェブサイトをご覧ください。
https://online.music-school.yamaha.com/ja/
Q:忙しくてもレッスンを続けられますか?
A:育児や介護、仕事や学業などで定期的に教室へ通うことが難しい時でも、音楽を続ける選択肢として活用できます。チャットレッスンでは、受講生が自分のタイミングで動画や質問を送ることができます。決まった日時での受講が難しい方でも自分のペースで学習を進められるのが特長です。
Q:チャットレッスンを受けられる回数や時間帯は決まっていますか?
A:いずれのプランにおいても、チャットレッスンの回数上限や時間帯に決まりはありません(2026年9月現在)。プラットフォーム上からいつでも講師にメッセージを送ることができます。練習中につまずいたときは、質問を送ったり、演奏動画をアップロードしたりしてください。講師が内容を確認し、一人ひとりに合わせてフィードバックとアドバイスを行います。
Q:オンラインでも細かな指導を受けられますか?
A:講師によってはライブレッスンで複数のカメラを使い、手元の動きなどを詳しく確認できる環境を整えています。また、チャットレッスンでは講師も送られてくる動画を何度も見返すことができるため、対面とは異なる形で、演奏フォームやテクニックを指導・確認しやすいという声もあります。

メンバー

[写真] ヤマハ株式会社 ミュージックコネクト事業推進部・北原英里香

ヤマハ株式会社 ミュージックコネクト事業推進部・北原英里香

リモートで音楽セッションができるアプリ「SYNCROOM」の企画・運営などに従事。「YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE」プロジェクトでは、ユーザーや講師のニーズに基づく機能開発やサービス設計など、日本国内のサービス戦略企画を手がけている。

[写真] 一般財団法人 ヤマハ音楽振興会 事業開発本部・大友茂

一般財団法人 ヤマハ音楽振興会 事業開発本部・大友茂

1986年スタートの「ヤマハポピュラーミュージックスクール(当時のサービス名称)」より、楽器・歌のレッスンに従事。長年にわたり、講師の育成や教材開発の中核を担い続けている。「YAMAHA MUSIC SCHOOL ONLINE」プロジェクトでも、レッスン内容の策定や講師のコーディネートなどに、長年のノウハウを注ぎ込んでいる。

※所属部署・部署名は取材当時のものです。