SCHOOL PROJECT

スクールプロジェクト - 各国事例 -

スクールプロジェクトでは2022年2月現在、累計7カ国、127万人の子ども達に器楽教育の機会を提供してきました。

ベトナム

ベトナム教育訓練省と連携して、小中学校の音楽教科に楽器を用いた教育の導入・定着化を推進する取り組みを行いました。
2020年9月まで、同国の小中学校の学習指導要領には、楽器を用いた教育が組み込まれておらず、学校の音楽授業で楽器に触れる機会がありませんでした。そこでヤマハは、学習指導要領への楽器を用いた教育の導入・定着化を目指し、取り組みを行ってきました。2017年には、教育訓練省初等教育局と「楽器を用いたリコーダークラブ活動の展開」に関する覚書を締結し、2019年までの約2年間、10都市累計275校の小学校でリコーダークラブ活動を政府公認のもと展開してきました。
これらの取り組みは2016年に文部科学省「日本型教育の海外展開推進事業(EDU-Portニッポン)」の公認プロジェクトに選定されたのに続き、2018年9月には同応援プロジェクトに選ばれました。また、2018年6月にはJETRO(日本貿易振興機構)の「社会課題解決型ルール形成支援プロジェクト」にも採択され支援を得ることになりました。
最終的には、2020年9月の新学習指導要領に器楽教育が組み込まれ、ベトナム全国の小学校にて授業が開始されています。
ヤマハは今後も、政府や関係機関とのパートナーシップのもと、ベトナムでの音楽文化の創造・発展のために支援を継続していきます。

ベトナムでの器楽教育導入支援施策

  • 小学校でのリコーダークラブ活動支援
  • 教科書改訂支援
  • 教員養成支援
ベトナムにおける取り組み事例 、リコーダートライアル授業
リコーダートライアル授業
ベトナムにおける取り組み事例 、ヤマハ・リコーダー・フェスティバル(ハノイ)
ヤマハ・リコーダー・フェスティバル(ハノイ)
ベトナムにおける取り組み事例 、ハノイ国立教育大学での器楽教員養成講座
ハノイ国立教育大学での器楽教員養成講座

エジプト

エジプトでは、現地の教育関係者の間で社会性・協調性および規律といった非認知能力の発達を課題として挙げる声があり、現在、新カリキュラムでの教育を推進しています。
ヤマハでは、この新カリキュラムをサポートすべく、エジプト教育・技術教育省との協働を通じ、リコーダーを使った日本型器楽教育の教員と児童・児童同士の、インタラクティブな授業を展開します。楽器演奏を取り入れることで世界から高い関心を集めている日本型教育をさらに充実させ、エジプト政府が掲げる児童生徒の非認知能力向上(特に協調性、自尊心、規律、モチベーションに着目)を育む機会提供を目指します。
この取り組みは、2016年度、 2018年度のベトナムでの事例に続いて、文部科学省「日本型教育の海外展開(EDU-Portニッポン)」の2020年度パイロット事業の応援プロジェクトの一つに選出、同時に国際協力機構(JICA)との「中小企業・SDGsビジネス支援事業」における「初等教育への日本型器楽教育導入案件化調査」(エジプト)の業務委託契約を締結し、2021年11月にエジプト日本人学校10校でのトライアル授業が開始しました。在日エジプト大使館の助言も頂きながら、今後エジプトでの展開を進めていきます。

エジプトにおける取り組み事例 、エジプトでの教員向けリコーダー研修
エジプトでの教員向けリコーダー研修
(写真提供: Egypt-Japan School)
エジプトにおける取り組み事例 、リコーダー授業の様子
リコーダー授業の様子
(写真提供: Egypt-Japan School)

インドネシア

2015年からスクールプロジェクトを開始し、展開小学校の全2年生が体験するなど、着実に楽器演奏を楽しむ子どもたちを増やしています。2017年には、同国教育文化省が展開する「個性強化教育」協力に関する覚書を締結し、全国490校でリコーダーやピアニカのプログラムを導入。また、同省との共催で「アンサンブル・ビデオコンペティション」を開催するなど、子どもたちに成果発表の場を提供し、インドネシアの音楽教育の発展に貢献しています。

インドネシアにおける取り組み事例 、キーボード授業の様子
キーボード授業の様子
インドネシアにおける取り組み事例 、「個性強化教育」協力に関する覚書締結セレモニー
「個性強化教育」協力に関する覚書締結セレモニー

マレーシア

2015年から活動を開始し、2017年には教育省課外活動課の下、課外活動の選択プログラムの1つに採択され、全国16州400校の学校で展開しています。また正規科目としては2020年から音楽が芸術から独立し、単独科目となりました。
同省が主催する「キーボード・ミュージック・タイム・フェスティバル」も毎年開催され、子どもたちに発表の場を提供し、マレーシアの音楽教育の発展に貢献しています。 今後はキーボードが器楽の選択肢の1つとなるよう活動を続けていきます。

マレーシアにおける取り組み事例 、キーボード・ミュージック・タイム・フェスティバル
キーボード・ミュージック・タイム・フェスティバル
マレーシアにおける取り組み事例 、「個性強化教育」協力に関する覚書締結セレモニー
キーボード授業の様子

インド

インドでは、音楽鑑賞の人気は高いものの、伝統的に一般の人々が楽器を演奏する風習がなく、かつては楽器に触れられるのは一部の音楽家に限られていました。輸入文化である西洋楽器についてはその限りではありませんが、それでも富裕層の子どもが教養や資格取得のためにピアノを習うといったケースが見られるくらいで、現在でも多くの子どもたちにとって楽器がなじみの薄い存在であることに変わりありません。
このようなインドの状況に鑑みた最適な導入手法を確立するため、まず私立小学校を中心にスクールプロジェクトの提案を進めており、2022年2月現在、累計169校に展開しています。

インドにおける取り組み事例 、リコーダー授業の様子1
インドにおける取り組み事例 、リコーダー授業の様子2

ブラジル

ヤマハ・ムジカル・ド・ブラジルは2017年に 財団“Sopro Novo Yamaha Foundation”を設立し、ブラジルにおける音楽普及活動の規模拡大とその持続性実現を目指して活動しています。2020年からリコーダーのセミナー活動をオンラインにシフトし、公立学校の教員をメインにしたオンライン研修を実施しました。1年間で132名の公立学校教員がセミナーを受講し、109校の児童たちにリコーダーの授業を受講していただける環境を整備しました。

ブラジルにおける取り組み事例 、現地児童へのリコーダーイベント
現地児童へのリコーダーイベント
ブラジルにおける取り組み事例 、教員向けリコーダー研修
教員向けリコーダー研修
ブラジルにおける取り組み事例 、教員向けオンラインリコーダー研修
教員向けオンラインリコーダー研修