楽器に適した木材(楽器適材)とは?

楽器に適した木材とは、音や加工性といった楽器に求められる性質を持ち、時間をかけて太くまっすぐに育った木材のことを指しています。通直で美しい木材が、楽器の繊細な音や演奏感に繋がり、演奏者の表現力を高めます。
長い年月をかける樹木の成長過程は、樹木の中にさまざまな形で記録されます。環境の変化は年輪として記録され、枝があったところには節ができ、傷がつけば修復痕が残ります。また、成長の速さや斜面などの立地により、樹形を維持するためのひずみが蓄積します。それらの記録は、木が森の中で生き続けた証ですが、木材への加工途中の割れや反りなどの不具合をもたらします。木材のわずかな変化でも、音になると大きな変化。木目がまっすぐで、年輪幅が均等で、傷や節が残らない・・・木材の中でもわずかしかとれない美しい部分を選び抜くことで、楽器は美しい音を奏で、美しい外観と共に演奏者、聴衆の心を揺さぶります。