アフリカン・ブラックウッド
クラリネットやオーボエに使う貴重な木を村の人たちと共に未来に届ける、
日本から遠く離れたアフリカのタンザニアでサステナブルな森づくりが進んでいます。
アフリカン・ブラックウッド African Blackwood
学名:Dalbergia melanoxylon
東アフリカのタンザニア、モザンビークを中心に、セネガル、ナイジェリア、ケニアなど、アフリカ大陸のサブサハラ南部に広く分布しています。主な産地であるタンザニア南部とモザンビーク北部では、ミオンボ林(Miombo Woodland)と呼ばれるアフリカを代表する半乾燥林に分布しています。タンザニアでは、国木(National Tree)に指定されており、タンザニアに自生する数ある樹木種の中で最も付加価値が高く、国を象徴する樹木として認知されています(スワヒリ語名 Mpingo)。心材は気乾密度1.2~1.3 g/㎤で極めて重硬で、黒紫色の外観から黒檀(Ebony)と呼ばれていた時代もありました。1800年代の音楽の発展と共に木管楽器の管体材料として使用され始め、その音響特性や特徴的な外観から、「グラナディラ Grenadilla」の通称と共に現代の木管楽器製造に欠かせない存在となっています。
IUCNレッドリスト Near Threatened
ワシントン条約 CITES 附属書II 掲載種
プロジェクトの概要
アフリカン・ブラックウッドを持続的に使えるサステナブル資源にしていくため、タンザニアの現地NGO(Mpingo Conservation & Development Initiative)との協働により、住民参加型の森林経営による資源保全を進めているプロジェクトです。アフリカン・ブラックウッドの主要産地である、タンザニア南部のリンディ州キルワ県にて、現地NGOの活動に参画する農村の森林(コミュニティ森林)を対象に、アフリカン・ブラックウッドの育苗、植林技術の導入展開や、楽器適材を育てていくための基礎研究を進めています。さらに、育てた木を効率良く使い、1本の木から地域の人たちが多くの便益を得られるように、今まで楽器適材の調達の裏で置き去られていた未利用材に着目。割れや節があって使えないと言われていた未利用材を、ヤマハが開発する木材の先端技術で再生し、樹木本来の特性を生かした材料として木管楽器や新たな楽器に実装することにも取り組んでいます。
プロジェクトが始まったのは2015年。当時、楽器メーカーとして調達する木材種の一つに過ぎなかったアフリカン・ブラックウッドは、楽器適材として使っていくだけでなく、原産地であるタンザニアの農村に長期的な便益をもたらす「資源」として100年先にも残っていくでしょう。
現地の人たちと行う森林調査
世界遺産 キルワ・キシワニ(タンザニア リンディ州キルワ県)